連載:第66回 IT・SaaSとの付き合い方
部下の主体性を信じたリーダーが貫いた3つの施策。現場改革✕AIの軌跡
BizHint 編集部
2025年10月6日(月)掲載
住宅・不動産・介護福祉など多事業を展開するアイニコグループでは、営業・事務職・現場問わず、全社的に生成AIを活用した業務効率化を推進しています。2024年秋から本格化した取り組みは、3つの施策を軸に、月間4400分の業務削減をはじめ多くの成果に繋がっています。1年間の取り組みでの気付きやその経緯について、代表取締役・田尻忠義さんに伺いました。
(お話を伺った方)
アイニコグループ株式会社
代表取締役 田尻 忠義さん
(奈良・住宅/不動産/介護福祉・従業員数約150名)
※本記事は取材時点(2025年8月)の情報に基づいて制作しております。各種情報は取材時点のものであること、あらかじめご了承ください。
「生成AIを何に使うのか」をイメージできて初めて実用化できる。
――貴社では2024年秋から、営業・事務職・現場問わず全社的に生成AIの活用を推進されています。どのような背景があったのでしょうか?
田尻 忠義さん(以下、田尻): もともと当社はDXに積極的で、自社開発の業務プロセス管理システムやクラウド活用など、同業他社と比べると進んでいたと思います。
そんな中で世の中に生成AIが登場し、2024年にはその波が一気に押し寄せてきました。私としては「会社としてどう活用するか?」を考えていたのですが、生成AIの専門家との出会いをきっかけに 「すべての職種で生成AIを活用しよう」 と決めました。
その方が仰っていたのは「生成AIを導入するだけでは活用できない。それぞれが『生成AIを何に使うのか』をイメージできてはじめて、実用化できる」ということ。
生成AIを業務で活用するにあたって、仕事の現場を知らない人は要件定義もできないし困りごともわからない。 『現場の担当者が、自らの困りごとを、自ら生成AIを使って解決する』という形が最も効率的だし早い、という話に腹落ちしました。
そこで、まずは全社員に生成AIを知ってもらう、使い方をイメージしてもらうために、全社員に向けた外部講師によるAI勉強会を開催しました。2024年8月のことです。勉強会では「生成AIで今後どのようなことができるようになるか」「人間が行う作業がどのように効率化されるか」といった内容をお話しいただきました。
そしてその後、当社は試行錯誤を繰り返しながら、結果的に 「3つの施策」を推進することで、1年経った現在では様々な部署で成果が上がるようになりました。
――生成AIの全社活用を進める3つの施策というのは?
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