二重派遣
1986年に労働者派遣法が施行されてから31年が経過し、派遣労働という働き方が世の中で定着しましたが、その裏で二重派遣という違法行為が横行するようにもなりました。労働者派遣が必ずしも企業にとって使い勝手の良い制度ではないことがこのような事態を引き起こす原因なのですが、労働者の権利を著しく侵害するだけではなく、違反した企業も法律に基づいて厳しく罰せられます。労働者派遣を行う企業や派遣労働者を受け入れる企業は、どのようなことが二重派遣に該当するのかを正確に理解したうえで、適切な対応を図る必要があります。
二重派遣の概要
派遣労働者を受け入れた企業が、自社の業務に就かせることなく、第三者に受け入れた派遣労働者を労働力として供給する行為を二重派遣と言います。
「労働者派遣」とは
「労働者派遣」とは、派遣会社(派遣元企業)が、自らが雇用する労働者を、派遣契約に基づいて第三者(派遣先企業)のもとに派遣し、派遣された労働者が派遣先企業の指揮命令に基づいて業務を遂行する就労形態です。労働者にとっては、働く場所は派遣先企業ですが給料は所属する派遣会社から支給されるという形態になります。
この形態に関して、派遣先企業が更に別の第三者のもとで派遣労働者を働かせる行為が『二重派遣』となるのです。
【参考】二重派遣は派遣法違反ですか
【関連】労働者派遣とは?改正派遣法のポイントや注意点も解説 / BizHint HR
派遣労働者数の現状
2017年現在、全国で派遣労働者として働く人は約129万人で、雇用者全体の中での割合は2.4%となっています。2017年で少し下がったものの、2010年以降は毎年微増が続く傾向にあります。