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連載:第71回 成長企業 社長が考えていること

孫正義社長から学んだ「成果を出すための3条件」。元右腕が語る、組織づくりの極意

BizHint 編集部 2023年8月9日(水)掲載
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ソフトバンクで8年間にわたり、孫正義社長の右腕として数々の事業を成功に導いてきた三木雄信さん。現在は、英語コーチングスクール「TORAIZ(トライズ)」を運営するトライズ株式会社の代表を務めています。三木さんは、孫社長の経営から学んだ「圧倒的な成果を出せる3つの条件」があると言います。同社においてもそれを実践し、急成長を遂げるものの、ある時大きな壁に直面します。3つの条件の前にもっと「大事なもの」があったと語る三木さんに、詳しくお話を伺いました。

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トライズ株式会社
代表取締役社長 三木雄信さん

1972年福岡県生まれ。東京大学経済学部を卒業後、三菱地所に入社。3年後にソフトバンクに入社し、孫正義氏の下で「Yahoo! BB事業」などを担当。数々のプロジェクトを成功に導く。2006年トライオン株式会社設立。2023年12月トライズ株式会社に社名変更。「日本の英語教育を抜本的に変える」ことを目指し、英語コーチングスクールTORAIZを運営している。


右腕として一番近くで感じた、孫正義氏の桁外れの凄さ

――三木さんはソフトバンク時代、孫正義社長の右腕としておよそ8年間さまざまなプロジェクトに尽力されていますが、その経緯を教えていただけますか?

三木雄信さん(以下、三木): 私は福岡生まれで、孫社長も通った久留米大学附設高校出身です。同級生に孫社長の弟である孫泰蔵さんや、ホリエモンこと堀江貴文さんがいます。15歳年上の孫社長は当時から有名人で「東京ですごい仕事をしているらしい」と噂になっていましたが、直接の接点はありませんでした。

地域柄もあって同級生の親は経営者が多く、我が家も祖父や父が土木建築業を営んでいました。自分でも小学生の時から「将来は社長になる」と決めていたのですが、大学を卒業して就職したのは三菱地所。3年くらい働いてみて「ここで社長になるのは難しそうだ」と気づきました。そこで泰蔵さんに相談してみたところ、孫社長とお会いすることになったんです。

ソフトバンクの本社で初めて孫社長にお会いした時、 「会社が300年続くにはどうしたらいいと思うか?」 と聞かれました。

小さい頃から恐竜や虫が好きで、進化論の本などをよく読んでいたこともあり「多様性ではないでしょうか」と答えたところ、孫社長が「そうなんだよ!」と立ち上がり、電話を取って「今すぐ人事部長を呼んでくれ」と…。その1カ月後には、ソフトバンクの社員として社長の鞄持ちをしていました。それが、1998年のことです。

――即決即断の採用ですね。

三木: 後に孫社長から「ベンチャー企業の中途採用のコツって知ってるか?」と聞かれました。 その答えは「考えさせないこと」だと。 それを聞いて「ああ、私は罠にはまったんだな」と思いました(笑)。当社もこの言葉の通り、面接は1回だけで採用を決めています。

当時のソフトバンクは東証一部に上場したばかり。今よりずっと規模の小さい会社でした。およそ3年間は朝7時半から夜10時まで、毎日2食を共にして、家族より長い時間を過ごしました。

1998年、ソフトバンク入社当時の三木さん(左)と孫社長(中央)

三木: 孫社長とのエピソードは本当にいろいろあります。とはいえ、 褒められたことはなく、ほとんどが無茶ぶりでしたが(笑)。 中でも最高の無茶ぶりは2001年、ADSL事業に参入する時のことです。

ソフトバンクの通信事業はADSL事業「Yahoo! BB」から始まっています。当初のプロジェクトメンバーは私を含めて3人。都内の小さな雑居ビルの一室で、まずは都内のエリア限定で、試験的にサービス開始の準備をしていました。

ところがある日、孫社長が「どうなっているんだ!」とやってきて、まずは都内でテストスタートするという話を聞くや否や「お前が止めていたのか!」と怒り出したんです。そして、いきなり全国エリアでのサービス提供を決め、申し込みを受け始めてしまいました。

結果、申し込みが殺到したものの、手続きや条件の整理など準備が万全ではなかったこともあり、「申し込みしたのに開通されない」というクレームの嵐…。コールセンターは最大3200席体制で対応に追われる事態になりました。翌年は999億円の大赤字を計上。孫社長から「三木、お前が行ってなんとかしてこい!」と命を受け、コールセンターの問題解決に乗り出すことに…。

毎晩頭を抱えながら遅くまで仕事をしていたある日。孫社長が突然 「三木、どうやったら水の上を歩けると思うか?」 と言ってきたんです。この答えに、孫正義流の戦い方が詰まっていました。

――答えは何だったんでしょうか?

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