連載:第17回 リーダーが紡ぐ組織力
「経営者として失格だ」強烈な叱責で目が覚めた。社長が追求した“若手が辞めない組織”3つの極意
「僕は稲盛塾長の理念を語っているつもりになっていただけ」そう語るのは、福井県にある株式会社タッセイの田中陽介社長。同氏は盛和塾の有志が集まる勉強会で、先輩経営者から強烈な叱責を受け、“理念や哲学だけじゃない”稲盛和夫氏の教えに気づかされます。そこから、創業以来初の経常赤字や、高い離職率・職人の高齢化などの問題へ真剣に向きあい、今では若手職人の高い定着率を誇り、大手ゼネコンも注目する地方企業へと成長しました。田中社長は何に気づき、若手が辞めない組織を作り上げたのか。詳しく伺いました。
株式会社タッセイ
代表取締役社長 田中 陽介さん
1980年福井県福井市生まれ。青山学院大学経営学部在学中より、俳優の道へ。2007年2月、タッセイ入社。営業企画室長、常務、副社長を経て2019年5月より現職。2010年、京セラの創業者であり名誉会長の稲盛和夫氏が塾長を務めた「盛和塾」に入塾。2020年「はばたく中小企業・小規模事業者300社(経済産業省)」受賞。社員数は、グループ全体で257名(2023年5月現在)。
盛和塾勉強会の出会いから強烈な叱責で目が覚めた。自身に最も足りていなかったもの
――田中社長は、先輩経営者からの強烈な叱責をターニングポイントとして、経営の舵を大きく切られたとのこと。
田中陽介さん(以下、田中): はい。稲盛和夫さんの経営哲学を学ぶ「盛和塾」に入ったのは、2010年4月のことです。リーマンショックの影響を受け、当社が創業以来初の経常赤字を記録した年でした。「盛和塾」では、塾長である稲盛さんの哲学や理念、経営12カ条など、さまざまな教えを学ばせていただき、それらの考えを自社でも大切にしていきたいと感じていました。
そんなある日、盛和塾の有志が集まる勉強会に参加させていただくことに。その勉強会は、稲盛さんから直接指導を受けた経営者の方ばかり。私からしたら、レジェンドのような方々の前で 「君の会社と、君自身がやろうとしている、経営の話をしてみてください」 と言われました。
そこで、強烈な叱責を受けたんです……。忘れもしない、2013年8月3日のことです。
――強烈な叱責…どのような内容だったのでしょう?
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