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賃上げ促進税制実施でも、中小企業の賃上げ目的は人材確保。「する」と「しない」で2つに割れる

BizHint 編集部 2022年5月18日(水)掲載
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賃上げに対する取り組みを支援する「2022年度税制改正法案」が成立しました。中小企業向けの要件が従来よりも緩和される見込みですが、コロナ禍の長期化でなかなか賃上げに踏み切れない中小企業も多いと考えられます。ネットオンが中小企業の人事・採用担当者を対象に行ったアンケート調査も、それを裏付ける結果でした。

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賃上げ理由は税制優遇より人材確保の現実

この調査では中小企業の人事・採用担当者192人が回答しており、まず「2022年度について賃上げを予定しているか」を聞くと、45.8%の企業が「実施しない」とした一方、「賃上げ税制の要件に関わらず実施予定」34.4%、「賃上げ税制の要件に合わせて実施予定」19.8%となり、賃上げを予定している事業所が実施しない事業所をかろうじて上回りました。

賃上げ予定の104社に内容(複数回答可)を聞くと、「定期昇給」60.6%が特に多く、「ベースアップ」39.4%、「一時的な賃金(賞与などの増額)」21.2%がそれに続きました。また賃上げ率については、「2~3%未満」22.1%がもっとも回答を集めました。これは、雇用者全体の給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加だった場合は30%税額控除となるためと推察されます(1.5%以上増加は15%税額控除)。そのため「4~5%未満」18.3%、「5~10%未満」17.3%といった回答も多数見られました。なお賃上げの対象となる従業員の雇用形態については、57.7%の事業所が「正規雇用・非正規雇用の両方」を予定しており、「正規雇用のみ」36.5%、「非正規雇用のみ」5.8%を上回りました。

最後に「賃上げをする理由」「しない理由」をそれぞれの該当企業に聞くと、賃上げする理由では「従業員の定着率向上(引き留め)のため」54.8%、「人材採用のため」39.4%、「業界の給与水準に合わせるため」29.8%が上位でした(複数回答可)。賃上げ促進税制の影響は少なく、目先の人材確保が最大理由であることがうかがえます。

一方、賃上げをしない理由では「現在の賃金が適切であるため」51.1%が半数を超えましたが、「景気回復の見通しが立っていない」34.1%、「業績の悪化」22.7%と、回答に苦境がにじみ出ていました。賃上げ促進も大切ですが、企業そのものの生き残りが重要課題だと言えるでしょう。

調査方法

調査期間:2022年3月18日~24日
調査方法:インターネット調査
調査対象:「採用係長」を利用している事業所の人事・労務担当者
調査人数:192人

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000050033.html https://saiyo-kakaricho.com/wp/survey_salary2/

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