連載:第11回 教育・官公庁
コロナ禍でも進まなかった「大学の事務作業のDX」、3割~4割の紙業務がいまだ残る現状
DX(デジタルトランスフォーメーション)が近年大きな広がりを見せています。とくに2020年はコロナ禍によるテレワーク拡大も加速の要因となりました。またDXは企業に留まらず、大学業務でも進んでいます。経費精算、出退管理、物品管理など、「大学の業務のデジタル化」に対する現場の意見を探ります。
「講義のDX」が89%対応済みなのに対し「大学の事務作業のDX」は58%に留まる
出張・経費管理クラウドを手掛けるコンカーの調査によると、「あなたの主な業務について、デジタル化が必要だと思いますか?」という質問に対して、大学教員・職員(412人)のうち、82%が「そう思う」と回答しています。やはり企業同様に、大学の現場でもDX推進が期待されているようです。
そこで「講義」と「事務作業」のそれぞれについてDXの現状を聞くと、「大学での講義は、デジタル化されている」が89%だったのに対し、「大学での事務作業は、デジタル化されている」は58%に留まりました。リモート講義や出欠管理、オンラインテストといった部分のDXが進む一方で、比較的企業業務にも近いと思われる事務作業のDXは、停滞しているようです。
そこで「大学の事務作業においてデジタル化が進まない理由」を聞くと、「従来からの慣習」86%が最も多く、「必要なツールがない」73%、「学内規程上の問題」60%がそれに続きました。リモート講義などはどの大学でもそれほど大きく異なりませんが、事務作業のフローや規定は、大学ごとに違いが大きいのかもしれません。
さらに具体的に「物品購入や支払い手続きの運用」「出張費の精算」「会計検査院や監査法人などへの対応」「研究資金の申請や支出報告」という4項目について現状の処理方法を聞くと、専用システムやExcelなどが過半数を占めましたが、「物品購入や支払い手続きの運用」「出張費の精算」で4割程度、「会計検査院や監査法人などへの対応」「研究資金の申請や支出報告」でも3割程度、「紙での処理」が残っていることが判明しました。“紙を使った従来通りの処理”をいかにデジタルに置き換えるか、既存ツールの導入やコンサルタントへの相談、さらには独自システムの開発など、今後各大学は柔軟な対応が期待されるでしょう。
調査方法
調査期間:2020年10月1日~10日
調査方法:インターネット調査
調査対象:大学に勤める教員、職員
調査人数:412人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000048283.html
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