連載:第12回 メディア・広告
「東京ゲームショウ2020」今年は初のオンライン開催、参加率は下がるも高い満足度 課題も浮き彫りに
ゲーム業界による総合展示会として1996年からスタートした「東京ゲームショウ」。従来は東京ビッグサイトや幕張メッセなどの首都圏イベント会場で開催されてきましたが、コロナ禍に見舞われた今年は、初のオンライン開催となりました。主催者側も来訪者側も手探りのなか、オンラインならではのメリットが見えた一方、今後に向けた問題点も明らかになりました。
初のオンライン開催「東京ゲームショウ2020」、番組を視聴した人は1.7%
初のオンライン開催になった「東京ゲームショウ2020」は、基本的に、YouTubeやTwitchなどでの新作発表を中心に構成されました。その他にも、Amazonなどの“特設会場”における配信や、各参加企業独自の番組配信など、バラエティとボリュームに富んだ内容でとりあえずの成功を収めました。もともとゲームファンはネットとの親和性が高く、参加のしやすさなどが、高い評価を受けたようです。
ゲームエイジ総研が行った調査によると、「東京ゲームショウ2020」に視聴・参加したゲーマーは、調査対象(何らかのゲームをプレイしている、全国10代~50代の男女5,711人)のうち1.7%。昨年調査の2.2%と比較するとわずかに減少しました。
参加者の年齢構成を見ると、10代が11.3%、20代が26.8%、30代が34.0%、40代が22.7%、50代が5.2%と、20代~40代がボリュームゾーンとなっています。
具体的に視聴した番組を調査対象に聞くと、モンスターハンターシリーズ最新作『モンスターハンター ライズ』の実機プレイ動画を公開した「カプコン」、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の新作アニメ放送に歩調を合わせて情報公開を行った「スクウェア・エニックス」などが上位でした。
移動・時間の制限がなくなった一方で、“イベント参加の熱”が欠如
新しい試みとなった「東京ゲームショウ2020」の満足度を聞くと、「とても満足」21.6%、「満足」63.9%で、前年度との数字比較はできませんが、計85.5%と高い満足度となっています。
なお具体的な理由としては「オンラインで簡単に参加できた」「会場に行かずお祭り気分になる」「遠すぎて行く機会がなかったけれど、はじめて雰囲気を感じられた」「自分の好きなタイミングで参加できるし、他人の目を気にしないで済むのも良い」など、オンライン化されたことで移動・時間の制限を受けず参加しやすくなったことが、メリットと捉えられていました。
一方で、「現地の熱さを感じられなかった」といった体感の欠如、「目当ての番組が夜遅かった」といったリアルタイム配信の制限に、デメリットを感じた人もいたようです。試遊台やグッズが目当てといった従来の来場者も、不満を感じたと思われます。
来年の「東京ゲームショウ2021」は、2021年9月30日~10月3日に幕張メッセで開催の予定。コロナ禍が過ぎ去り無事開催されることを祈るばかりですが、今年判明したオンライン開催の良いところも採り入れることが期待されます。
調査方法
調査期間:2020年10月
調査方法:インターネット調査
調査対象:何らかのゲームをプレイしている、全国10代~50代の男女
調査人数:5,711人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000039514.html
https://www.gameage.jp/release/research/index_023.html
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