連載:第10回 医療・医薬・健康
コロナ禍を乗り越えた歯科医院、8割以上がこれまでどおりの診療体制に復帰
新型コロナ流行で大きな打撃を受けた医療業界。そのなかでも歯科医院は、従来以上に感染防止を徹底する必要に迫られたことで大きな影響を受けました。日本歯科医師会も初期段階から、さまざまな情報発信や提言を行い、自覚症状のある受診者には相談を呼びかけていましたが、「歯科医院はコロナ感染リスクがある」といった報道がなされたことで、受診を控える動きなども発生しました。
診療時間の変化
緊急事態宣言発令の5月に大きく状況が変化、現在は回復に向かう
メディカルネットは歯科医師に対し、4月・5月・7月・8月の4回にわたり経営状況に関する定点調査を実施しています。
まず「診療時間の変化」については、緊急事態宣言発令期間中(5月)は、「変更あり」「変更予定あり」が大幅に上昇しましたが、その後は徐々に安定しており、8月調査では「変更あり」16.8%、「変更予定あり」3.2%、「未定」9.5%、「変更予定なし」70.5%となっています。
1日あたりの出勤人数や勤務時間の変化
続いて「1日あたりの出勤人数や勤務時間の変化」を聞くと、こちらも緊急事態宣言で大きく変化しましたが、現在は従来の勤務態勢に戻っていると考えられます。8月調査では「変更あり」16.8%、「変更予定あり」3.2%、「未定」12.6%、「変更予定なし」67.4%でした。
患者数の減少もストップ、徐々に回復へ
患者数の変化
一方、患者の動向を見ると、前年の同時期に比べ患者数が「減少」しているとの回答は、5月は88.5%まで達していましたが、8月は69.5%まで戻っています。ただし減少傾向自体は大きいため、苦戦している歯科医院はいまだ多いと思われます。「患者の減少幅」を聞くと、「1割減」22.0%、「2割減」38.6%、「3割減」34.1%、「4割減」3.0%、「5割以上減」2.3%と、1~3割減が多数派のようです。
直近で特に患者数が減少している診療内容
なお「直近で特に患者数が減少している診療内容」について聞くと、「保険診療」が最も高く47.7%を占めており、それに「歯周病」16.7%、「メンテナンス(自費)」10.6%が続きます。このへんは「○○の治療は先延ばしにしよう」といった偏りもなく、診療内容の母数に比例した結果と思われます。
このように、今回のコロナ禍と緊急事態宣言で、多くの歯科医院が患者激減という経営危機に見舞われたことがわかりました。しかし必要不可欠な存在として、徐々にこれまでどおりの診療体制に復帰していると考えられます。今後のコロナ動向にもよりますが、いち早い状況回復が望まれます。
調査方法
調査期間:(1)4月11日~4月14日、(2)5月9日~5月11日、
(3)7月4日~7月8日、(4)8月28日~9月1日
調査方法:インターネット調査
調査対象:Dentwave.com会員の歯科医師
調査人数:(1)285名、(2)295名、(3)221名、(4)191名
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000012372.html
https://www.dentwave.com/article/research9_20200908/
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