ペーパーレス・はんこレスに対応した電帳法、約8割が未対応。背景に内容の理解度不足
新型コロナウイルスによりテレワークが進められる中、オフィスに出勤しなければ作業ができない契約書の記入や押印の問題が浮き彫りになりました。2020年10月にはキャッシュレス決済された経費の領収書原本保存を不要にする電子帳簿保存法(電帳法)の改正が予定されており、企業にとってはペーパーレスを進めやすくなりそうな動きもあります。しかし株式会社ラクスが発表した「電帳法への対応状況に関する調査」によると、現実はなかなかそうもいかないようです。
新たな「電帳法」対応システムの導入企業は2割以下。約8割は未対応
全国の経理担当者400人に対して、「電帳法に対応したシステムの導入有無」について聞いたところ、「対応システムを導入している」と回答した担当者は18.8%と2割以下にとどまりました。「対応システムの導入予定がある」と回答したのが19%、「導入しておらず、現在検討している」が40.5%、「導入しておらず、対応予定もない」が21.7%と、合計すると約8割が未対応になっています。
とはいえ未対応のうち、導入の予定・検討をしている企業は約6割となっており、電帳法対応システムに対する注目は集まっている様子が伺えます。
2020年10月に改正される「電帳法」、約半数が「内容を知らない」
電帳法の理解度について調査した結果、「電帳法」そのものについて「よく知っている」と回答した人は21%。2020年10月の改正内容について「よく知っている」と回答した人は、12.5%に止まっています。
改正内容については約半数が「内容を知らない」と回答しており、電帳法の導入がなかなか進まない背景には理解度不足が関係しているかもしれません。
対応できない理由は「導入費用がないから」が最多
電帳法の対応予定がないと回答した経理担当者にその理由を聞いた結果、「導入するための費用がない」と回答した人が28人(32.2%)と最も多くなりました。次に「員/役職者の理解が進んでいない」が24人(27.6%)、「導入方法がわからない」と「自社の業務に適したシステムが無い」が17人(19.5%)と続いています。
電帳法の理解だけではなく、予算捻出もネックになっていることがわかりました。
キャッシュレス決済やペーパーレス、約6割の企業が「進まない」と回答
経費の決済手段としてキャッシュレス決済(例:クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)を導入しているかについて質問したところ、「全社的に導入している」と回答した担当者は73人(18.3%)と2割以下という結果になりました。「未導入である」と回答した人は245人(61.3%)で、6割以上の企業でキャッシュレス決済ツールの導入が進んでいないことがわかります。
また、所属部署でのペーパーレス化(例:紙の文書を電子化し原本である紙の文書を廃棄すること)について進んでいるか聞いたところ、「かなりペーパーレス化が進んでいる」と回答した人は37人(9.3%)で、ごくわずかとなりました。「進んでいない」と回答した人は233人(58.3%)と、こちらも6割以上で進んでいないことが判明しました。
調査概要
調査テーマ :「電子帳簿保存法」への対応状況についての実態調査
調査目的 :2020年10月に改正予定のある「電子帳簿保存法」への対応状況について実態を把握する
調査対象 :経理・財務もしくは会計の部署に所属している会社員
調査地域 :47都道府県
調査方法 :インターネットリサーチ
調査時期 :2020年7月20日~2020年7月22日
有効回答数 :400サンプル
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000048948.html
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