連載:第7回 よくわかる補助金・助成金 選定・申請 押さえるべきポイント
東京は6/15、大阪は6/20締切も。コロナ対策支援金の申請はお早めに
新型コロナウイルス対策のための公的支援には様々なものがあります。本記事では申請の締切が6月に迫ったものを中心に、その内容・手続きを分かりやすくお伝えします。(本記事の情報は2020年6月4日時点のものです。)
1.初めに
緊急事態宣言解除後も、早期の景気の回復が望めない以上、中小企業や個人事業主は、今この時を何としても生き延びることが、大切な戦略になります。従業員の雇用を守り、新たな社会生活様式に対応するための事業改革に乗り出すためには、運転資金の借入と並行して、国や地方自治体の給付金・補助金を活用することが大切です。この記事では、現在申請を受け付けている主なコロナ対策用支援制度を3つご紹介します。
2. 休業に対する支援
緊急事態宣言以降、全国各地で休業要請が出されました。それに合わせて各自治体で休業要請に応じた事業者への協力金が設定されました。以下いくつかの協力金の概要をご紹介します。
(1) 東京都感染拡大防止協力金(東京都)
① 給付金額
50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円)
② 給付対象
4月16日から5月6日までの全ての期間において、東京都の要請に応じ、休業を行った中小企業・個人事業主等。
【休業要請の対象業種】 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007679.html
③ 申請方法
オンラインまたは郵送。申請書に緊急事態措置以前から営業していることがわかる書類(確定申告書類等)、休業の状況がわかるもの(休業告知のHP、ポスター等)等をそえて6月15日までに提出。なお、5月7日~5月25日までの休業を対象とする、2回目の申請受付が6月17 日より予定されています。
その他詳細については東京都感染拡大防止協力金ポータルサイト をご参照下さい。
(2) 休業要請支援金(大阪府)
① 給付金額
中小企業 100万円 個人事業主 50万円
② 給付対象
大阪府の「施設の使用制限の要請等」を受け、4月21日から5月6日までの全ての期間で休業を行い、かつ4月の売上が前年同月対比で50%以上減少した中小 企業・個人事業主。
【休業要請の対象業種】 http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38322/00000000/shisetsu.pdf
③ 申請方法
オンラインまたは郵送。申請書に確定申告書類、4月の売上を示す帳簿、施設の 写真等を添えて6月20日までに提出。(WEB登録がある場合)
その他詳細については大阪府のHP をご参照ください。
(3) その他の地域
全国の自治体で同様の協力金や支援金が設定されています。都道府県だけでなく市町村でも独自給付を設定しているところがありますので、事業所所在地の状況をご確認ください。
j-net21 休業協力金(都道府県別)
3. 売上減に対する支援(持続化給付金)
新型コロナウイルスの影響で、多くの事業者が売上の危機的な減少に見舞われました。そんな事業者を支える国からの支援策で、最高200万円までもらえる持続化給付金のご紹介です。メディアでも盛んに報道されていますので、ご存じの方も多いでしょう。以下概要を記載します。
(1) 給付金額
法人 200万円まで 個人事業主・フリーランス 100万円まで
※前年同月比で50%以上売上が減少した月を基準にして、昨年1年間の売上からの減少分または上記金額が上限となります。
たとえば昨年1年の売上が300万円、2020年4月の売上が10万円(2019年4月の売上25万円)とした場合、以下の計算で算出します。
300万円(昨年売上)-10万円(今年の対象となる月の売上)×12か月=180万円 → 給付金額は180万円となります。(法人の場合)
(2) 給付対象
2020年1月以降、新型コロナウイルスの影響により、前年同月比で売上が1回でも50%以上減少した月がある中小企業、個人事業主等。
(3) 申請方法
申請方法はオンライン申請のみになります。持続化給付金の申請用HPに必要事項を入力し、証拠書類の写真を撮ってアップロードします。証拠書類は以下の通りです。
申請から通常2週間程度で入金されるようです。ただ書類不備等があれば入金が遅れるとも聞きます。申請期間は2021年の1月15日までと、まだ余裕がありますが資金は早めに確保しておくことに越したことがありません。要件を満たしているのにまだ申請されていない方は、早めに申請しましょう。
なお、当初は対象とならなかった新規創業者(2020年1月から3月の間に創業)も、今後は対象になると報道されています。要件が頻繁に変わっていくため申請時は、申請用HP にて最新の情報を確認してください。
4. 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
令和2年度補正予算で小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>が設けられました。この補助金は、もともとある小規模事業者持続化補助金<一般型>補助金を残しつつ、コロナウイルス感染症による被害を乗り越えようと努力する中小事業者を重点的に支援するために設けられました。
(1) 給付の内容
<コロナ特別対応型>補助金は、もとになる<一般型>をベースに作られています。その特徴は、 具体的な事業計画は、サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備が目的とされていること 2020年2月18日以降に発生した経費を遡って補助対象経費と認められること 一定の要件を満たす場合は、概算払いによる即時支給が認められていること <一般型>に比べて条件がより緩和されていますし、申請書の記述もより簡便になっています。
(2) 給付の要件
①商工会・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる小規模事業者である事
※商工会・商工会議所会員、非会員を問わず、応募可能です。
②本事業への応募の前提
「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」のいずれか一つ以上の投資に取り組むこと。また新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越え、持続的な経営に向けた経営計画を策定していること
(3) 給付の手続き
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よくわかる補助金・助成金 選定・申請 押さえるべきポイント
- 第8回 飲食店のGo To Eat利用では手数料と入金日に注意!特に手厚い大阪独自の支援策
- 第7回 東京は6/15、大阪は6/20締切も。コロナ対策支援金の申請はお早めに
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- 第5回 5/12申請締切も。申請を急ぐべき新型コロナウイルス緊急対策助成金(社員休業/テレワーク関連)
- 第4回 補助金は採択されたら終わり、ではない。「小規模事業者持続化補助金」採択後の手続きについて