連載:第57回 総合 2020年1月~3月
外国人労働者の最大のネックはやはり「日本語」、もっとも改善してほしいのは「履歴書の書き方」
日本における「外国人労働者受け入れ」については、企業側と一般労働者側という視点だけでなく、地域との関わり方の問題、行政の制度の問題など、さまざまな立場で意見が分かれています。一方で、肝心の海外の方自身は、「日本で働くこと」をどう考えているのか、32ヵ国126名に聞いたところ、意外なホンネが判明しました。
回答者属性
日本で働く外国人労働者、「永住者」「定住者」あわせて7割ほどを占める
回答者属性
外国人向け求人チャットコンシェルジュを運営するJapanWorkは、「日本の働く現場が変えるべき/改善すべき所」について、日本に住む外国人を対象にアンケート調査を実施しました。
今回の調査の回答者属性を見ると、国籍最多は「フィリピン」31%で、「ネパール」18.3%、「スリランカ(シリランカ)」10.3%がそれに続きます。在留資格で見ると、「永住者」36.5%、「定住者」36.5%がもっとも多く、日本人の配偶者等を持っている人も8.7%ほど存在しました。
日本での合計勤務期間
「日本での合計勤務期間」については、「3年以上5年以下」38.9%が最多。それに「5年以上」23.8%が続きます。もちろん「半年以下」10.4%、「1年以下」6.3%、「1年~3年」20.6%と、短期間の方も一定数存在しました。
経験した職業
「経験した職業」で多かったのは、「受付業」24.6%、「清掃業」17.5%、「工場内での軽作業・ピッキング」10.3%、「教育(語学講師など)」10.3%といった声があがります。一般の方が接することの多い「小売業(コンビニエンスやスーパー)」は7.1%に留まっています。
日本で働く最初のハードルは「履歴書」、職探しは知人や同郷コミュニティを活用
日本の働く現場が変えるべき/改善すべき点
そして「日本の働く現場が変えるべき/改善すべき点」を聞くと、「履歴書の書き方」21.4%がトップ。日本独特の書式や記述にとまどう人が多いようです。次いで、わずかの差で「業務内容の完全なマニュアル化」19.8%が続きます。そのほかには「昇給制度」15.1%、「職場環境」14.3%、「仕事量」7.9%があがりました。
待遇以前に、就労そのものに「履歴書を書く」「漢字や日本語に慣れる」ということが、ハードルだと感じさせます。なお「研修資料やマニュアルの翻訳」7.1%、「シフトの決め方」6.3%、「髪型や服装などの規定」4%といった意見は、思ったよりも少数のようです。
日本で働くことのメリット
そこで視点を変えて「日本で働くことのメリット」を聞くと、「新しい友人・知人を作る事」37.3%、「お金を稼ぐ・貯金する事」27.8%、「言葉や文化を学ぶ事」20.6%、「日本で働く経験を得る事」14.3%に意見が集約されました。
仕事の探し方と求人内容の理解
また具体的に「どうやって日本での仕事を探すか」「日本語での求人内容を正確に理解できるか」を聞くと、「友人・知人の紹介」38.1%、「出身国・地域毎のコミュニティサイト」24.6%と、やはり出身国などでのつながりが有効の模様。日本語の求人内容も「はい」81.7%と、多くの人が理解しているのに、「日本国内大手求人媒体」17.5%、「SNS(FacebookやTwitterなど)」15.1%、「外国人に特化した求人サービス」4.8%と少なめ。やはり同郷の同国人という安心感が作用しているのでしょう。SNSが低いのは、各国のサービス普及率やスマホ利用率が影響していると思われます。
なお「応募前に一番知りたい情報」では、「細かく具体的な仕事内容」48.4%、「1日の仕事の流れ/スケジュール」31%に続き、「必要な日本語レベル」13.5%、「必須/歓迎する経験・資格」6.3%があがりました。
調査方法
調査期間:2020年1月29日~2月6日
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本で働いている海外の方(10代~50代)
調査人数:32ヵ国126名
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000052160.html
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