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連載:第1回 教育・官公庁

日本の未来図? 世界最先端のIT国家エストニアの実態を“世界最高齢プログラマー”若宮正子氏と紐解く

BizHint 編集部 2020年2月12日(水)掲載
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世界でも有数のデジタル社会を実現していると言われるエストニア。電子政府やオンライン選挙はもちろん、起業家数でも世界トップクラスを誇ります。そんなエストニアにおいて、“高齢者”はどのようにIT技術を使いこなしているのでしょうか? 現地在住の起業家と“世界最高齢のプログラマー”が共同調査を行いました。

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エストニアでは、高齢者の8割以上が電子政府サービスを利用

エストニアを拠点とするスタートアップ企業「SetGo」の共同創業者である齋藤アレックス剛太氏は、“世界最高齢のプログラマー”と呼ばれる若宮正子氏と共同で、エストニアの高齢者100人に対しIT利用実態調査を実施。調査結果レポートを公開しました。若宮氏は2019年6月にエストニアを訪問。同国の高齢者の状況を知りたいと思ったことが今回の調査に繋がったとのことです。

それによると、エストニアの「電子政府サービス」を利用しているのは84%。男女、地域、回答方法(本人回答/代理回答)による大きな差異は見受けられず、同国の電子政府サービスが広く高齢者に受け入れられていると言えます。

日本では総務省の2019年(令和元年)版の「情報通信白書」で、電子行政サービスの利用率は、50%未満だと算出されています。

「デジタル化で日常生活の幸福度がより向上した」という高齢者が9割以上!

そして「デジタル化がもたらした影響」を聞くと、「日常生活の幸福度が、より向上した」と考える高齢者が、93%にも達していました。具体的な恩恵としては「時間を節約することができるから」60%が圧倒的多数。「外に出歩く必要がないから」23%がそれに続きます。

高齢者にとってモビリティは、日常生活やライフラインに直結する課題のはずですが、それ以上に「時間を有効活用したい」という気持ちが大きいことが読みとれます。また「利用することを強制されたから」がゼロ%である点は、政府主導の強制ではなく、自主的な選択肢としてデジタルが存在していることがうかがわれます。

最後に、こうしたデジタルサービスについて「どのように学習したか」を聞くと、「自己学習」46%、「家族から学習」40%で多数を占めました。若宮正子氏は「高齢者へのデジタル普及活動に注力するとともに、ITサービスの初期設定などを支援するIT化支援員制度の実現など、政府・民間に対する提言を行いたいと考えています」とのコメントを寄せています。

なお本調査は、Webアンケートであるため、すでにデジタルデバイスを利用している点、エストニア語・英語で質問しているためロシア系エストニア人の声を十分に拾えていない点は留意が必要でしょう。

調査方法

調査期間:2019年6月~12月
調査方法:Webアンケート(代理回答も可)、手にFacebookで回答を募集。電子政府関連サービスの利用有無で設問を分岐
調査対象:エストニア在住で60歳以上の男女(主にエストニア語を使用)
調査人数:100人(女性74人、男性26人)

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000044589.html

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