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連載:第4回 よくわかる補助金・助成金 設備投資

中小企業に有利?補助金で空調や照明等のリニューアルと省エネを同時に実現!

BizHint 編集部 2020年1月12日(日)掲載
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「照明や空調が古くなり故障も増えて電気代がかさむので何とかしたい。でも、高額な設備更新費用を捻出できない」そんなお悩みはありませんか?補助金を利用することで、空調機や照明のリニューアルと省電力を同時に実現できます。老朽化した設備は使用電力が多いばかりでなく、故障のリスクも高くなります。今回は、中小企業でも利用しやすい補助金を中心に解説します。

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1.省エネ・省電力の補助金

(1)補助金の概要

平成30年度までは、エネルギー使用合理化等事業者支援事業(通称:エネ合)として運用されていましたが、平成31年度は「エネルギー使用合理化等事業者支援事業(以下:省エネ補助金)」と「電力需要の低減に資する設備投資支援事業費補助金(以下:省電力補助金)」に分かれて公募されました。省エネ補助金と省電力補助金は下記のような区分で分類され、既存設備と導入設備に応じてそれぞれに申請します。所轄は経済産業省資源エネルギー庁で、公募により例年では一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下、SII)が執行団体となっています。

<申請パターン>

(2)「工場・事業場単位」と「設備単位」

省エネ補助金、省電力補助金ともに、事業所全体での計画をする「工場・事業場単位」と、申請する設備だけで計画する「設備単位」に分かれます。「工場・事業場単位」で申請する場合は、事業所全体で使用するエネルギー原単位(使用電力量)の削減率が求められます。そのため、照明と空調などを組み合わせて事業所全体で省エネ(省電力)となる大規模な改修工事に適しています。一方、 「設備単位」の場合は更新する設備機器のエネルギー(使用電力量)の削減率の改善が目的のため、例えば事業所の1フロアの空調設備のみの更新などでも使えるため使い勝手の良い補助金となっています。

(3)どんな設備が対象になるか

一例として平成31年度の省電力補助金では、①高効率照明、②高効率空調、③産業ヒートポンプ、④業務用給湯器、⑤高性能ボイラ、⑥低炭素工業炉、⑦変圧器、⑧冷凍冷蔵設備、⑨産業用モータが対象になっています。その中でも、平成31年度の省エネ補助金の「設備単位」の採択件数2,963件に対して、高効率照明が1,244件(57.1%)と高効率空調が652件(29.9%)と圧倒的に多くなっています。

(4)補助率と補助金額は?

平成31年度の省エネ補助金、省電力補助金の「設備単位」の補助率は1/3ですが、補助対象経費として認められるのは設備機器の金額のみとなります。設計費や工事費といった経費は認められず、この点が設計費や工事費も経費として認められる「工場・事業場単位」との大きな違いとなります。また、「設備単位」では補助金額も上限3,000万円、下限30万円となります。「工場・事業場単位」の補助率、補助金額については複雑なためSIIのWEBサイト等をご参考ください。

(5)どんな案件が採択されやすいのか

平成31年度の「設備単位」の評価項目は
・計画省電力量
・計画省電力率
・経費当りの計画省電力量(補助対象経費1千万円当たりの計画省電力量)
中小企業者、個人事業主及び中小企業団体等の省電力事業
※省エネ補助金は「省電力」を「省エネルギー」と読み替える。

となっております。採択方法は、「設備単位」では設備区分ごとに相対評価を行い、全設備区分を統合した上で、上位者から予算の範囲内で採択されます。

配点はわかりませんが、中小企業者であることが評価項目にあるため、中小企業に有利であることが考えられます。
また、平均省電率や平均省電力量に関して、採択された事業の平均値が公表されています。採択を目指す上で一つの目安となりますので、確認しておくと良いでしょう。

<例:平成31年度採択の省電力補助金 設備単位の平均値>

(6)平成31年度の採択結果

平成31年度の省電力補助金では採択結果は、全申請件数2,963件に対して2,020件(採択率68.2%)が採択されていますが、このうち中小企業の申請件数は1,746件に対して1,320件(75.6%)が採択されており中小企業の方が採択率が高くなっています。

<省電力補助金の採択率>

「工場・事業場単位」と「設備単位」を採択金額で比較すると、「工場・事業場単位」が40.2億円に対して、「設備単位」が55.9億円と金額が高くなっています。 1件当りの交付金額は省電力補助金「設備単位」の高効率照明、高効率空調では、100~300万円がボリュームゾーンであり比較的小規模な投資も多いことがわかります。 この結果を踏まえると、省電力補助金の「設備単位」は中小企業でも使い勝手が良くねらい目であることがわかります。

<平成31年度の採択件数と採択金額合計>

<平成31年度省電力補助金「設備単位」の1件当りの交付決定金額>

(7)申請までの流れ

例年、公募開始から締切まで1か月程度しかないため、注意が必要です。申請する際にはアカウントを取得し、ポータル上で書類を作成します。計画に対して3社の相見積を実施し添付する必要があるほか、新旧設備の比較表、図面等が必要です。設置する建物の所有者が異なる場合は、設置承諾書が必要となるため、早期の準備が必要となります。申請に当たってはどの程度、省エネ(省電力)となるか計算が必要です。計算方法は決められた方法に従って計算する指定計算と、独自の方法で計算する独自計算の2種類があります。照明、空調などでは通常は指定計算を使用し、ポータル上に消費電力等を入力して計算を行います。ポータル利用して必要な書類を作成した上で出力し、ファイリングして郵送することで申請が完了となります。

(8)採択後の流れ

採択は例年8月下旬となり、SIIのホームページ上で公表されます。補助金の採択後、注意が必要な点としてメーカーの機種が後継機種に変更となっている場合があります。その場合、メーカーから後継機種である旨の資料を取り寄せる必要があるなど注意が必要です。まれではありますが、メーカーにより大幅な機種変更があった場合、補助金の対象機種から外れてしまう可能性もありますので、申請通りの機種で工事ができるか確認が必要となります。

採択後すぐに必要となるのが中間報告です。例年9月後半頃までに口座登録と既存設備の写真提出が必要となります。特に写真提出は撮影位置の図面とともに台帳として作成が必要で作業量が多いため、施工会社と協力して早期に取り組む必要があります。また、撤去前に撮影しなければならないため注意が必要です。

工事完了後は実施報告となります。実績報告についても設置状況の写真、図面等が必要なため、施工会社と協力して報告書を作成することとなります。さらに、注文書、請求書、振込証明書等の書類が必要となるため、書類の整理しておくことが肝心です。実績報告後、完了通知となり、精算払請求書で補助金の請求となります。さらに完了後、「設備単位」では90日以内に計画省エネルギー量を達成したことを示すため、成果報告を行います。この際、稼働条件の変更や生産量増減の影響があった場合は、申請時点の稼働条件に合わせて補正計算が必要となります。

(9)令和2年度の予測

資源エネルギー庁のWEBサイトの情報では、令和2年度の本補助金の執行団体の募集に関して「エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)」の募集は発表されているものの、省電力補助金については記載がありません。そのため、再び省エネ補助金に一本化される可能性が高いと考えられます。また、執行団体の募集要領によると、事業概要に関して「設備単位」は「中小企業者等に限定」となっており、中小企業にとって有利となると想定されます。しかしながら、「設備単位」の「想定補助対象設備」として高効率照明の記載がないため、令和2年度は補助対象から外されるのか気になるところです。

スケジュールに関してはまだ情報はないものの、前年度と同様であれば、5月に公募開始し6月に公募締切、8月に交付決定し事業開始となります。

2.まとめ

令和2年度も例年通りのスケジュールであれば、5~6月が公募期間となります。準備する書類が多いため、公募開始から準備していては非常にタイトなスケジュールとなります。もちろん、公募要領が発表されるまでは実際の詳細がわからないため注意が必要ですが、5月までにある程度の計画を検討しておくことでスムーズに申請を進めることが可能となります。

具体的には、①どこの設備を対象とするか(老朽化しリニューアルにより省エネとなるような設備か検討しておく)、②見積依頼先の会社をどこにするか(例年3社見積が必要なため、予め施工会社の目星をつけておく)、③前年度はどんな書類が必要だったか(例えば例年では建物所有者が異なる場合は承諾書が必要となるため、建物所有者と下打合せをしておく)、などを確認・検討しておいても良いかと考えられます。 公募が開始してからスムーズに計画が進められるようにできる準備はしておくことで、確実に申請できるように心掛けておきましょう。

出典:
平成31年度 「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」公募要領
平成31年度 「電力需要の低減に資する設備投資支援事業費補助金」公募要領
平成31年度 「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」新規採択事業の結果について
平成31年度 「電力需要の低減に資する設備投資支援事業費補助金」新規採択事業の結果について
平成31年度 「省エネ補助金の成果報告」
平成31年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」経済産業省予算関連事業のPR資料
令和2年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」経済産業省予算関連事業のPR資料
令和2年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」に係る補助事業者(執行団体)募集要領

※最新の情報は各HPにてご確認ください。

(執筆)
株式会社プロデューサー・ハウス 野江泰介

中小企業診断士
一級建築士
建築設備士

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