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連載:第8回 よくわかる補助金・助成金 設備投資

バブル期並みに加熱する不動産投資。使える補助金・助成金はこれだ

BizHint 編集部 2020年3月9日(月)掲載
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2019年、日本銀行が半年に一度公表する「金融システムリポート」において、不動産業向けの貸し出し(つまり不動産投資に対する融資)が1980年代後半のバブル期並みに加熱している、とありました。つまり、バブル当時のように地価や新築マンションの価格が高値水準となると同時に、金融商品として不動産への投資が人気を博しているのです。 ではもし、その不動産投資に補助金が使えるとしたら?今回は、不動産投資の際に使うことができる補助金・助成金についてご紹介したいと思います。

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1.不動産投資とは?

そもそも、不動産投資とはどういったものを指すのでしょうか?ビルを1棟建ててオフィスとして貸し出すことでしょうか?マンションを建てて賃貸マンションとして住民に貸すことでしょうか?はたまた、土地を買って駐車場にし、コインパーキングとして運営することでしょうか?

正解は・・・すべてが正解です。
土地を買って建物を建て、オフィスや住宅として第三者に貸すことはもちろん、土地を買って駐車場として貸すことも、不動産投資と言えます。つまり、投資をして「家主さん」や「地主さん」になることです。

自己資金が豊富な方はその自己資金を投入し不動産を購入することになりますし、金融機関からお金を調達して不動産を購入します。後者の方が一般的ですよね。

2.不動産投資の2つの収益

不動産「投資」ですから、その名の通り投資に見合った「リターン」を見込んだ上で投資をするわけです。投資と言われて一番最初に頭に浮かぶのは「株」でしょうか。株への投資であれば、配当や利子のようなインカムリターン(インカムゲイン)と、株価の値上がりによるプライスリターン(キャピタルゲイン)がありますが、不動産の場合はどうでしょうか。

不動産も株と同じく、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。以下で詳しく述べたいと思います。

(1)運用益(インカムゲイン)

不動産投資でいう「運用益(インカムゲイン)」とは、例えば賃貸マンションやオフィスビルであれば入居者から毎月得られる家賃収入を、駐車場運営であれば利用者から得られる駐車場収入を基にした利益のことを言います。

例えば、5,000万円で土地を買い、同じく5,000万円でマンション(アパート)を建てたとします。 家賃が月額5万円、住居の数が20部屋あったとすると、毎月の収入=運用益(インカムゲイン)は
5万円×20部屋=100万円
ということになります。

年間だと1,200万円ですから、表面利回り(年間の運用益÷初期投資額)は
1,200万円÷(5,000万円+5,000万円)=12%
ということになります。

(2)売却益(キャピタルゲイン)

一方、不動産投資でいう「売却益(キャピタルゲイン)」とは、購入した土地や建物など不動産の価値が上がったときに売却して得られる利益のことを言います。最近「地価が高騰している」とか「中古マンションの価値が上がっている」とか聞きますよね。特に景気が上向いているときに起こる現象です。

先ほどの例えですと、5,000万円で土地を買い、同じく5,000万円でマンション(アパート)を建てたとすれば1億円の初期投資となります。
この土地付きマンションを1億2,000万円で売却することができれば2,000万円の利益が出ます。
この利益2,000万円が売却益、という訳です。

基本的に不動産投資はこの2つの利益を見込むことができます。

3.相続税対策としての不動産投資

運用益と売却益の2つの利益を目的とした不動産投資以外にも、別の理由で不動産投資をする場合があります。それは、「相続税対策としての不動産投資」です。

相続税はどのように計算されるかご存じでしょうか。相続の対象となるもの、例えば現金・不動産・有価証券などの財産ですが、これら財産を金銭的な価値に換算したものの合計のことを「相続税評価額」といいます。 この相続税評価額から基礎控除額を差し引いた額に相続税の税率を掛け、さらに控除額を引いたものが相続税額となります。

ではなぜ、不動産投資が相続税対策となるのでしょうか。
それは、資産を現金で保有するよりも不動産、特に賃貸用不動産の場合は「相続税評価額」が低くなることが多いからです。相続税評価額が低くなるということは、先ほどのご説明の通り相続税額が低くなることを意味します。
こういった理由で不動産投資は節税対策として効果を発揮するという訳です。

4.不動産投資で使える補助金

収益や節税対策として効果を発揮する不動産投資。決して安くない額になることは想像するに難しくありませんが、補助金を使うことができるのでしょうか。

実は、あるんです。それは、どういった建物を建てるか、ということがとても大切になります。購入した土地、もしくは以前から所有していた土地に「サービス付き高齢者向け住宅」、通称「サ高住」を建築する場合に、補助金を受ける事ができます。

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、介護不要な高齢者、もしくは要介護度の低い高齢者のための介護施設のことを言います。介護施設等とは異なり、日常的な介護が必要ない方に向けた住宅のことで、介護職員による見守りサービス・生活相談サービスを受けながら自由度の高い暮らしを得ることができる施設・住居です。

この「サービス付き高齢者向け住宅」を建設する場合、 「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」 により自治体から補助金が得られる可能性があります。

このサービス付き高齢者向け住宅整備事業について、以下で更に詳しく見ていきます。

概要

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる住まいの確保を図るため、サービス付き高齢者向け住宅を整備する民間事業者等を支援するもの

サービス付高齢者向け住宅の要件

・高齢者住まい法に規定する「サービス付き高齢者向け住宅」として10年以上登録すること
・家賃が、近くの同種の住宅と同程度であること
・入居者からの家賃等の徴収方法が、前払いに限定されていないこと 等

補助額

【住宅※1】
 新築 1/10(上限90・120・135万円/戸)
 改修 1/3(上限180万円/戸 等)

【高齢者生活支援施設※2】
 新築 1/10(上限上限1000万円/戸)
 改修 1/3(上限1000万円/戸 等)

※1 バリアフリー化され、入居者の状況把握と生活相談サービスの提供を必須とする高齢者向け賃貸住宅

※2 高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する施設

詳しくは以下HPをご参照ください。
スマートウェルネス住宅等推進事業:サービス付き高齢者向け住宅整備事業

5.まとめ

いかがでしたか。
不動産投資なんて自分には縁がないと思う方が多いかもしれませんが、補助金を有効に活用することで、身近な存在となるかもしれません。一度詳しく確認されてみてはいかがでしょうか。

※募集要項等が本記事と異なる場合があります。
 最新の公募要項に沿って申請をしていただくようお願いします。

(執筆)
株式会社プロデューサー・ハウス 花岡貴志
中小企業診断士/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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