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連載:第42回 総合 2020年1月~3月

TDBマクロ経済見通し2019・2020年度改訂 2019年度の日本経済はプラス成長を維持~今後は個人消費の行方がカギを握る~

BizHint 編集部 2020年1月31日(金)掲載
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2019年7月期GDP統計2次速報の公表を受け、帝国データバンクは2019・2020年度のマクロ経済に関する見通しを改定した。概要は以下の通り。

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要約

  1. 2019年7月期GDP統計2次速報の公表を受け、帝国データバンクは2019・2020年度のマクロ経済に関する見通しを改定した。概要は以下の通り
  2. 2019年7~9月期の実質GDP成長率2次速報値は、1次速報の前期比+0.1%(年率+0.2%)から同+0.4%(同+1.8%)へと上方修正された。4四半期連続のプラス成長。民間企業設備投資が「法人企業統計」(7~9月期)等を反映した結果、大きく上方に改定された。より生活実感に近い名目GDPは、前期比+0.6%(1次速報は+0.3%)、年率+2.4%(同+1.2%)だった。
  3. 2019年度の日本経済は、消費税率引き上げの影響が攪乱要因となり、年度前半と後半で成長率の変動が大きく表れる。とくに年度後半は、消費税率引き上げ後の消費動向や人手不足などによるコスト負担の高まりが懸念される。総じて、2019年度は貿易摩擦にともなう世界経済の減速などで海外需要の弱さが懸念材料となる一方、民間企業設備投資や公的支出などが下支えして5年連続のプラス成長になると見込まれる。
  4. 2020年度の日本経済は、住宅投資が悪材料となるなか、7~9月にかけて開催される東京五輪・パラリンピックが一部の個人消費や訪日需要を盛り上げる材料になる。また、設備投資や公的需要はプラスを維持する形で推移するとみられる。2020年度は、さまざまな海外リスクを抱えつつも、6年連続のプラス成長になると予測される。

1. 景気の現状:7~9 月期 GDP、4 四半期連続のプラス成長

2019年7~9月期の実質GDP(国内総生産・2011暦年連鎖価格)成長率2次速報値は前期比+0.4%(年率+1.8%)となった。また、より実感に近い名目GDP成長率は同+0.6%(同+2.4%)で、実質成長率は4四半期連続、名目成長率は3四半期連続のプラス成長となった(表 1)。

GDPの6割弱を占める個人消費は、実質で前期比+0.5%となり、4四半期連続で増加した。化粧品やパソコン、テレビなどが増加に寄与したとみられる。また、名目雇用者報酬は雇用者数、一人当たり賃金がともに増加に寄与したことで、前年同期比+1.6%と 2013年4~6月期以降、26四半期連続で増加した。民間企業設備投資は、業務用機械などへの支出が増加に寄与したとみられ、同+1.8%と2四半期連続で増加した。民間住宅投資は前期比+1.6%と5四半期連続の増加となった。公的需要では、政府支出が同+0.7%と2四半期連続の増加、公共投資が同+0.9%と3四半期連続の増加となった。

輸出は、旅行(訪日外国人の国内消費)などが減少に寄与したとみられ、同-0.6%と2四半期ぶりに減少となった。他方、輸入についてはがん具などが増加に寄与したこともあり、同+0.3%と2四半期連続の増加となった。

2019年7~9月期の日本経済は、国内需要がプラスに寄与した一方で、海外需要はマイナス要因となった。実質GDPは4四半期連続のプラス成長だったものの、依然として力強さに欠ける状況となっている。

2. 企業マインド:消費税率引き上げと外需の停滞が景気を下押し

企業の景況感について、2019年11月のTDB景気動向指数(景気DI)は前月比0.3ポイント減の43.6となり、2カ月連続で悪化した(図1)。

11月は、外需および内需が低迷するなかで自動車の販売量や産業機械の出荷量が減少した。こうしたことを背景に、製造業で景況感の悪化が続き、関連する業種にもマイナスの影響を及ぼす結果となった。加えて、消費税率引き上げにともなう駆け込み需要の反動減が継続し、耐久財を中心に小売業などの悪化につながった。他方、災害復旧や防災・減災を目的とした公共工事の増加、日経平均株価の上昇と円安基調は好材料だった。

なかでも『製造』は、2008年9月以来11年2カ月ぶりに7カ月連続の悪化を記録した(図2)。具体的には、「輸送用機械・器具製造」で自動車関連の輸出減少基調が続き、とくに装置製造の景況感が悪化した。さらに、工作機械受注の落ち込みが響いた「機械製造」や、機械関連の生産および在庫調整がマイナスに影響した「鉄鋼・非鉄・鉱業」は、ともに7カ月連続の悪化となった。

2019年11月の国内景気は、製造業の悪化が卸売業を含む関連業種に波及するなか、消費税率引き上げの影響も続き、後退局面入りした可能性がある。

3. マクロ経済見通し:2019年度、プラス成長を維持

2019年度の実質GDP成長率は前年度比+1.1%、名目GDP成長率は同+1.6%になると予測(表2、図 3)。実質は5年連続、名目は8年連続のプラス成長が予測される。

個人消費は、人手不足の環境が続くなかで、雇用・所得環境の改善が下支えすると予測される。しかし、10月に実施された消費税率引き上げの影響で、自動車や家電・情報機器、家具などの耐久財や宝飾品を含む高額品への反動減が下押し材料となろう。他方、軽減税率の導入やキャッシュレス決済におけるポイント還元事業などは、落ち込みを緩和するとみられる。

企業部門では、企業収益が引き続き堅調に推移するとみられ、民間企業設備投資が 3 年連続で増加すると予測される。しかし、設備投資意欲の減退を促す米中貿易摩擦などを背景とした世界経済の停滞は懸念材料である。

住宅投資は、消費税率引き上げによる駆け込み需要もあり、2018年7~9月期から2019年7~9月期まで5四半期連続の上向きで推移した。そのため、小幅ながら3年ぶりに増加するとみられる。しかし、原材料費を含む建築費の高騰で価格の高止まりが続くなかで、2019年10~12月期以降はマイナスに転じると予測される。公的部門では、公共投資が2年ぶりに増加、政府支出も11年連続の拡大が見込まれ、民需と同規模の押し上げ効果が期待される。

海外需要では、ラグビーW杯開催による訪日客数の増加は好材料だったが、貿易摩擦の長期化が及ぼす影響は注視すべきであろう。輸出は7年ぶりの減少に転じる一方で、輸入は増加が見込まれ、輸出から輸入を差し引いた純輸出は2年連続で減少するとみられる。

2019年度の日本経済は、消費税率引き上げの影響が攪乱要因となり、年度前半と後半で成長率の変動が大きく表れる。とくに年度後半は、消費税率引き上げ後の消費動向や人手不足などによるコスト負担の高まりが懸念される。総じて、2019年度は貿易摩擦にともなう世界経済の減速などで海外需要の弱さが懸念材料となる一方、民間企業設備投資や公的支出などが下支えして5年連続のプラスと見込まれる。

4. マクロ経済見通し:2020年度、内需がけん引

2020年度の実質GDP成長率は前年度比+0.6%、名目GDP成長率は同+1.2%になると予測される(表2、図3)。

2020年度の日本経済は、失業率が2%台前半で推移すると見込まれるほか、賃金の緩やかな上昇は消費基盤を下支えするとみられる。他方、東京五輪・パラリンピックの開催などを受けて、訪日外客数の増加が見込まれるなかで、輸出は再び増加に転じると予測される。しかし、人手不足の長期化にともなう人件費の増加に加えて、原材料価格の上昇などで企業の収益環境は一段と厳しさを増してこよう。さらに、中国など新興国の経済動向に不透明感が高まっていることはマイナス材料である。住宅投資は、消費税率引き上げへの対策として住宅ローン控除の期間延長などが講じられているものの、2020年4~6月期までマイナスが続くと見込まれる。7~9月期以降はプラスに転じるが勢いは弱く、住宅投資は2年ぶりのマイナスに転じると予測される。

2020年度の日本経済は、住宅投資が悪材料となるなか、7~9月にかけて開催される東京五輪・パラリンピックが一部の個人消費や訪日需要を盛り上げる材料になる。また、設備投資や公的需要はプラスを維持する形で推移するとみられる。2020年度は、さまざまな海外リスクを抱えつつも、6年連続のプラス成長になると予測される。

転載元:帝国データバンク TDB景気動向オンライン
「TDB マクロ経済見通し 2019・2020 年度改訂」

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