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連載:第6回 IT活用 業務改革 最前線

大切なのは、はじめの一歩を踏み出すこと 会社存続のピンチをITが救う

Logo markBizHint 編集部 2020年2月9日(日)掲載
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地方の中小企業ではなかなかIT導入が進んでいない印象があります。IT自体にアレルギーがあったり、地方特有の難しさがあったりするものですが、どのようにしたら乗り越えられるのでしょうか。長野県上田市に拠点を持ち中小企業の「IT伝道師」として活躍するつづく株式会社 代表 井領明広さんに聞きました。

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つづく株式会社 

代表 井領明広 さん

大学卒業後、株式会社NTTデータイントラマートで、金融・製造業向けシステムコンサルティングに従事。後に、freee(フリー)株式会社でクラウドサービスの導入支援コンサルタントを経験。2017年に「つづく株式会社」を起業し、現在は中小企業の IT 伝道師 として講演など精力的に活動。noteに投稿した「地方でSaaS導入支援会社を起業して3年、階段から降りられなくなった」は大きな話題を呼んだ。
https://note.com/iryo


~この記事でわかること~

  1. 毎日15時間勤務の豆腐店をIT化したら起きた変化とは?
  2. 地方・中小企業でもIT化が進む会社は何が違うのか?
  3. IT化を嫌うベテラン社員を巻きこむ2つのポイントとは?

ITを考える余裕がないから「必要ない」と答えてしまう

2017年に創業したつづく株式会社は、3年間で約100社のIT導入をサポートしてきました。全て従業員100人以下の中小企業で、飲食店や建設業、農家、美容院などの非IT企業が中心です。IT自体にアレルギーがあったり、地方特有の難しさがあったりと、越えるべき壁は多いのですが、なかでも 実感したのは「抱えている課題がITで解決されるのが理解されていない」こと でした。経営者はとにかく時間がありません。頭の中は集客や設備投資や家族のことでいっぱいで、ITについて考える余裕はなく、導入後の姿をイメージすることが難しい。2019年度の通信利用動向調査(総務省)でも、「クラウドサービスを使わない理由」として「必要ない」が最も多かったほどです。

これは、とてももったいないことだと思います。そもそもITの導入は、気軽に相談する先がありません。例えば、車の構造に詳しくなくても、車が欲しければディーラーで相談して購入までたどりつけます。不動産もそうでしょう。同様の存在がITにも必要で、特に地方にはIT人材が決定的に不足しています。つづくはこうした思いを胸に導入支援を続けていましたが、全国約360万社の中小企業を支援するには土壌作りから必要と判断し、現在ではセミナーや講演などを通じてIT導入の啓蒙活動に努めています。

経費削減や効率化は二の次! ITは「時間」を生み出すもの

BEFORE       →      AFTER

IT化が目に見えて進んでいるのを示す1枚。注文などのメモが半数以下に減っている

会計や販売管理といったクラウドサービスにより、これまで導入に数千万円かかっていたシステムが、月額数千円程度で利用できるようになりました。中小企業でも大企業並みの生産性向上が期待できる時代です。

ただ私は、 経費削減や効率化よりも、もっと大事なポイントがあると思っています。それは「時間ができること」なんです。 長野県富士見町に「両国屋豆腐店」という家族経営の豆腐店があります。創業70年の老舗で、事務作業の大半をずっと手作業で行っていました。受注するたび壁にメモを貼り、仕込む豆腐の量を集計するのに2時間ほどかかっていたといいます。朝5時から1日15時間店舗で働き続け、営業にも出られない。そこで、販売管理システムやクラウド会計を段階的に導入。約1年をかけ、事務作業にかかる時間を年間600時間削減しました。

以前は一日中働いていたのに、事務作業が削減され、15時には暇になりました。そこで空いた時間で近隣の小学校に飛び込み営業をかけたところ、県内産の大豆を使用した豆腐が学校給食に採用されたんです。小学校側は、食育の一環として地産地消の食材を求めていたのですが、営業を受けてはじめて両国屋豆腐店の商品を知ったのだとか。こうして新規受注が増え、念願だった新商品の開発も実現しました。 経営者の時間と心に余裕が生まれれば、事業を好転させられる。 IT導入がそのきっかけになるのです。

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