連載:第32回 小売・サービス
ネットショップのユーザビリティ改善、月商1000万円未満/1000万円以上で「実施頻度」に圧倒的な差
月商1000万円未満のネットショップと月商1000万円以上のネットショップとでは、使用するカート、MAツール、出店するモール、あるいはWebプロモーションの実施状況、流入経路やコンバージョンに大きな違いが出てきます。ECマーケティング社ではさまざまな調査を実施してきましたが、今回は「ユーザビリティ」をテーマとした分析結果を発表しました。
ユーザビリティの重要性の認識に大きな差はないが、実施頻度はショップ規模で圧倒的な差
今回の調査では、総合小売やアパレルなどのネットショップを手掛ける222社から回答を得ています。まず「ネットショップにおけるユーザビリティ(とその改善)の重要性」を聞くと、月商1000万円未満では「ある程度重要だと思う」46.8%が、月商1000万円以上では「非常に重要だと思う」50.0%がそれぞれトップでした。熱量に差はありますが、売上規模に関係なく、Webサイトの導線、ページ構成、デザインなどのユーザビリティ改善は、ネットショップ成功の重要なカギになると認識されているようです。
次に「ユーザビリティ改善の頻度」を聞くと、月商1000万円未満では「年に数回」26.1%が最多でしたが、月商1000万円以上では「ほぼ毎日」27.3%が最多と、大きな差が見られました。サイトの根本的な改修も、大事なユーザビリティ改善ですが、ユーザーを惑わすことも多く、コツコツ毎日積み重ねていくことが重要でしょう。また「全く行っていない」が月商1000万円未満では19.8%に達するのに対し、1000万円以上のショップでは4.5%に留まっています。やはり大きな意識や予算の差がありそうです。
そして「ユーザビリティ改善の効果」について、月商1000万円未満だと「非常に効果があった」は4.5%に留まったのに対し、月商1000万円以上では「非常に効果があった」が30.5%と6倍近く効果があがっています。いずれの年商でもトップは「若干の効果はあった」でしたが、圧倒的に手応えの差が出ています。ほぼ毎日改善を行うことで、細かな部分に気がついたり、ユーザーの反応を拾えたり、こういった部分で効果アップが望めそうです。
なおユーザビリティ改善時の外注活用については、月商1000万円以上のネットショップでは「ほぼ定期的に外注している」が3割以上でしたが、月商1000万円未満だと15.7%と半分ほどで、リニューアル時の外注などにお願いする、といった形が多いようです。これは、ユーザビリティ分析や改善は専門性の高い分野で、自社で実施するのが難しいためでしょう。
中小においては、予算や専任人材の確保が難しいと思われますが、できるだけ見直し頻度を増やし項目化しておくなど、チェック体制で効果アップが図れるかもしれません。
調査方法
調査期間:2021年4月8日~9日
調査方法:アンケート調査
調査対象:ネットショップのWeb担当者
調査人数:計222人(月商1000万円未満のネットショップ:111人、月商1000万円のネットショップ:111人)
プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000029038.html https://www.ecmarketing.co.jp/contents/archives/1452
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}