連載:第4回 中竹竜二さんが聞く「伸びる組織」
経営再建の航空会社、スカイマークはどう「勝つ文化」を手に入れたか
経営破綻して経営再建を行ってきたスカイマーク。一度は破綻した航空会社が2020年には定時運航率3年連続1位、顧客満足度1位の2冠を達成する組織に大きく変貌を遂げました。2015年から取締役会長を務める佐山展生さんに、どのようにして勝つ文化を手に入れたのか中竹竜二さんが聞いていきます。
インテグラル株式会社 代表取締役パートナー
スカイマーク株式会社 取締役会長 佐山展生さん
専門は、M&A、経営ほか。1953年京都府生まれ。洛星高校卒業、京都大学工学部高分子化学科卒業、ニューヨーク大学大学院MBA取得、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了(博士(学術))。一橋大学大学院経営管理研究科客員教授、京都大学経営管理大学院客員教授、京都大学大学院総合生存学館(思修館)特任教授、関西大学経済学部客員教授なども務める。
周囲から反対されたときこそ、やりがいがある
中竹竜二さん(以下、中竹): 割安料金で航空業界の寡占に風穴を開けたものの、2015年に経営破綻したスカイマーク。佐山さんは、投資ファンドであるインテグラルの代表取締役パートナーとして同社の再建に名乗りをあげ、会長に就任されました。これは私の仮説ですが、その後、業績が改善し回復を遂げたられたのは、佐山さんが組織の文化をガラッと変えていくことに非常に長けているからではないかと思っているのですが、いかがでしょう。
佐山展生さん(以下、佐山): 得意なところってあまりないんですけどね(笑)。でも私にとってアドレナリンが最も多く出る状況というのは、困難にぶち当たった時です。勝ち馬に乗るなんて面白くない。できるとわかっていることには力がわいてこないんです。
スカイマークの再建に乗り出した時にも「そんなもん無理やろ」と周囲から散々言われましたよ。でも私たちが頑張って建て直したら、会社が潰れて露頭に迷う人たちを大勢救えるわけですから、挑戦する方が達成感あるでしょう?
ラグビーだって、「日本代表チームがW杯ベスト8なんて無理やろ」と言われているところであんな良い試合をしたら、達成感ありますよね。
中竹: そこはすごく共感できます。私は早稲田大学でキャプテンを務めた後、10年間ラグビーは一切やっていませんでした。ところが、大学選手権2連覇を成し遂げた清宮克幸監督は、後継者として一介のサラリーマンだった私を推薦してくれたんです。当然ながら、「指導歴ゼロの中竹に強豪早稲田の指導なんかできるものか」と酷評の嵐で、期待値が大きなマイナスからのスタートでした。けれど就任1年目でなんとか大学選手権で決勝まで行き、それなりに手応えが掴めて2年目には優勝できた。そこにやりがいを感じました。
企業再建もチーム再建も、トップが変わること
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