連載:第2回 テレワークイベントレポート 2020
成長企業に学ぶ最新テレワーク事情【オンライン座談会 イベントレポート】
新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言を受け、多くの企業が在宅勤務への取り組みを進めています。今回は、率先してテレワークに取り組む成長企業3社が「テレワークを成功させるポイント」「アフターコロナを意識した取り組み」をテーマに、各社の事例を交えながら語り合いました。本記事は、2020年4月13日に開催された日本デジタルトランスフォーメーション推進協会主催「オンライン座談会(第2回)成長企業の先進事例に学ぶ目から鱗の最新テレワーク事情」のレポートです。
(登壇者) 画像左から
株式会社TKC 代表取締役社長 飯塚 真規さん
富士通株式会社 理事 首席エバンジェリスト 中山 五輪男さん
日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト・業務執行役員 西脇 資哲さん
(コーディネーター)
日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
アドバイザー 森本 登志男さん
※本座談会の内容は2020年4月当時のものです。
※本座談会のアーカイブをご覧いただきたい方は以下サイトよりお申し込みください。
https://jdxa.org/news/newnormal/
まずはツールを使い始めることがテレワーク導入の第一歩!
中小企業のテレワークがなかなか進まない、というデータから座談会はスタート。
冒頭、登壇者の自己紹介と、現状感じていることについて一言ずつコメントがありました。
日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト・業務執行役員の西脇資哲氏は、「マイクロソフトでは3月時点でオフィスに出社していた従業員は16%、4月5日時点で4%、非常事態宣言後は1%を切りました」と話し、「育児や介護をしている人だけがテレワークや在宅勤務という考え方ではなく、 社員全員を在宅にして出勤という標準をやめることが必要 でしょう」と述べました。
続いて、富士通株式会社 理事 首席エバンジェリストの中山五輪男氏は「富士通では現在ほとんどの社員がオフィスに出勤していません。もともと 2019年7月のテレワークウィークに全員がテレワークできる環境を整えていた のですが、社内ネットワークへのアクセスが増えているという課題があるため、臨機応変に現場で対応しています」と現状を説明。
「マイクロソフト社では、4/5時点でオフィスに出社している社員は4%」と語るマイクロソフト・西脇氏(左下)
テレワークの導入については「まず、 無料のSNSでも良いから使い始めることが大事 です。世の中にはたくさんのビデオ会議ツールがあるので、自分たちに合ったものを導入すれば良いと思います。 ITが苦手でスマホも使えない上司には今回を機に強制的に覚えてもらい、周囲がサポートすることも重要 です。会社PCの持ち出しルールの見直しも必要になるでしょう」とアドバイスしました。
全国の会計事務所や企業をクライアントに持つ株式会社TKCの代表取締役社長 飯塚真規氏は、「もともとテレワークには積極的ではなかったのですが、コロナを受けて開始しました。緊急事態宣言のエリアを中心にテレワークを行っています」と話し、「会計に関する業務上、データセンターやコールセンター業務、あるいは郵便の受け取りや請求書の処理などは、在宅では行うことができません。また、 顧客は訪問するものという思い込み が特に都市部では顕著に見られます。さらに新入社員の教育や帰属意識の醸成、在宅勤務のノウハウ不足など課題は数多くあります」とテレワークの課題を挙げました。
コミュニケーションはカジュアルに。とはいえ、テレワーク特有のセクハラ・パワハラに注意
続いて、オンライン座談会視聴者からの質疑応答が行われました。まず「中小企業のオンライン化の進め方」について。
西脇氏は「 中小企業にもITを推進してきた人がいる ので、その人達の力を借りてテレワークを進めましょう。自分たちがどんなインフラを持っているか、例えばOffice365を持っていればグループチャットウェアのTeamsが使えます。わざわざ投資をするのではなく、今ある知恵とライセンスを上手く組み合わせることが大事です」とコメント。
飯塚氏は「中小企業の代表は65歳以上で、スマートフォンが使えないという方が多い。 そこはどうしても乗り越えなくてはいけません 」と強調しました。
「テレワークに対応できない上司には、周囲の働きかけで強制的にでも対応してもらう必要がある」と語る富士通・中山氏
続いて「テレワークによる従業員のメンタルケア」についての質問。中山氏が「リモートでメンタルをサポートするのは難しいが、LINEやZoomを使った コミュニケーションをこまめに取ることが効果的 です。メンタル的に危ないと思ったら、いろいろな人にコンタクトを取ってみるのも良いでしょう。また、 ビデオ会議においては女性に配慮して顔出しを必須にしないことも重要 です。在宅勤務特有のセクハラやパワハラが生まれないよう、寛容な気持ちで上司がケアしていかなくてはいけません」とテレワークにおける留意事項を解説。
西脇氏も「疎外感をなくすために カジュアルな気持ちでコミュニケーションに参加することが大切 です。テレワークでは暗くなりがちなので、 Web会議では身振り手振りや笑顔といった反応を大げさにしたり、マルバツを描いた札のような小物を用意するのも良い と思います。 楽しい雰囲気で仕事をすることがこれからのテレワーク だと言えます」とテレワークにおけるTipsを説明しました。
座談会でも「〇カード」や「身振り手振り」などの大げさなリアクションが見られた。
従来の常識を見直す機会、何が必要で何が不要かを明確に
次に「テレワークにあたって、パソコンをどうするか?」という質問について。中山氏は「プライベートなパソコンからアクセスするBYOD(Bring Your Own Device /自分のデバイスを持ち込むこと)は、 今限定で認めても良いのではないでしょうか?あれもこれもダメではビジネスが止まってしまう。 なんとかして事業を継続するためにいろいろなことにトライして、ベストな方法を見つける必要があります」と話し、「スマホファーストでテレワークを考えるのも良いかもしれません」と続けました。
生活と仕事の垣根が分かりにくくなるという観点から、テレワークにおける就業規則についても質問がありました。
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
-
{{comment.comment_body}}
{{formatDate(comment.comment_created_at)}}
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}