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連載:第9回 慣習に囚われない 改革の舞台裏

年7%成長のゴルフ場、躍進のカギは社員同士のコミュニケーション!?

BizHint 編集部 2020年3月25日(水)掲載
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栃木県さくら市にあるゴルフ場「セブンハンドレッド」。近年、競技人口の減少とともに市場の縮小が進み「斜陽産業」とも言われるゴルフ業界において、年7%の成長を遂げているという。3代目社長として組織を率いるのは若干27歳の代表取締役 小林忠広さん。弱点をプラスに変えた改革と組織づくりのヒントを聞きました。

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株式会社セブンハンドレッド
代表取締役社長 小林忠広さん

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了。2019年4月に代表取締役社長に就任。「みんなが幸せを実感できるゴルフ場」をビジョンとし、地域とゴルフ場の融合を図る事業の他、新しい次世代ゴルフ場作りを経営戦略として行っている。FOOTGOLF WORLD CUP 2020日本大会の開催コースとして、地域一体となった大会にすべく活動中。そのほか、2017年にNPO法人スポーツコーチング・イニシアチブを設立。スポーツを通じて自らの可能性を信じ、挑戦できる人を増やす社会を目指して、アショカ・フェローでPositive Coaching Alliance(PCA)の設立者ジム・トンプソンの提唱する「勝つこと」と「ライフレッスンの習得」の両側面を達成する「ダブル・ゴール・コーチング」を広める日本唯一の団体として、勝利と人間的成長の達成を目指す「ダブル・ゴール・コーチング」の日本普及を通し、スポーツ教育の変革を目指した活動も行う。


若干27歳で就任した3代目社長の思惑

──まずは改めて、御社の事業と社長就任の経緯について教えてください。

小林忠広さん(以下、小林): 栃木県の中央から少し北に位置するさくら市でゴルフ場「セブンハンドレッド」を運営しています。開場は1980年、私の祖父と父が創業しました。先代社長である父が新しい事にチャレンジするには若い経営者の方が良いとの考えがあり、私自身も継ぐなら「早いうちに事業承継したい」という思いがあり、双方の思惑が一致して大学院修了後の2019年4月に社長に就任しました。「自称・世界最年少のゴルフ場経営者」と言っています(笑)。

ゴルフ業界は競技人口が年々減少しており、いわゆる「斜陽産業」とも呼ばれています。近隣のゴルフ場でも、顧客獲得のために客単価を下げざるを得ないところもあるほどです。ですが、我々セブンハンドレッドは私が代表に就任してから年約7%の成長を遂げています。来場者数は年間3万人、年商2.5億ほどで推移しています。まだまだ伸びがあるゴルフ場です。

──他社も苦戦する厳しい環境の中、なぜ成長できているのでしょうか?

小林: 正直、何も特別な施策はしていません。就任後にまず取り組んだのはスタッフ同士の理解を促進して組織を良くすることでした。社内のコミュニケーションを改善し、意思決定を早くできる組織にしたら、自然と評判がよくなり、結果的にお客様が増えたというのが実情です。他社のゴルフ場経営者も視察に来られるんですが、「新しいことは何もないな」とガッカリされることもあります(笑)。

最初に取り組んだのは、はたらく場を良くすること

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