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連載:第2回 中小企業の危機管理術

リーマンショック中に社長交代した3代目はどうやって危機を乗り越えたか?

BizHint 編集部 2020年3月23日(月)掲載
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富山県富山市にある、創業72年を迎える「サクラパックス」は、 段ボールを主軸としたメーカー。2008年に3代目社長に就いた橋本淳氏に、どのようにリーマンショックを乗り越えたか、その内実を伺った。

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サクラパックス株式会社
代表取締役 橋本 淳 さん

1971年生まれ。富山県富山市出身。法政大学卒業後、一般企業を経て、1996年にサクラパックスに入社、2008年社長に就任。趣味は旅行とスキー。


危機的状況での社長就任。上がることだけを考えた

サクラパックスは畳の縁下(へりした)紙を扱う会社として1947年に創業し、国内92%のシェアを誇っていたが、戦後の流通拡大を見越して立ち上げたのが、現在の根幹となる段ボールの製造事業だった。

3代目として橋本社長が会社を引き継いだのは、38歳の時。2008年、リーマンショックが起きたちょうどその年だった。地方企業にもその影響は大きく、就任間もなくして約20%の生産量ダウンという事態にいきなり直面する。

「製造業なので10%が落ちるだけでもかなりのダメージですが、受けた影響は想像を超えるものでした。逆にどん底からのスタートだったので、 あとは這い上がるだけ と切り替えて、気持ち的には前向きでした」と、当時を振り返る。

橋本社長がまず着手したのは、組織の見直しだった。当時の役員9人の平均年齢は62歳。若返りが必要だと考え、幹部候補として40代前半の中堅社員を選抜したが、指導を受けていた外部講師から「この人材では無理だ」と跳ね返されてしまう。そこで、外部企業から経験と実績を持つプロフェッショナルな人材を15人、幹部として採用することを決断した。

「面談の際に私の考えをとことん伝え、方向性に同意される方だけに入社してもらいました。富山県にゆかりがないものの圧倒的な能力を持つ方ばかりで、社員にもあらゆる面で良い影響を与えてくれました」

そうして基盤作りのきっかけをつかみ、長期的な社内改革をスタートさせた。

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