モチベーションが上がらない社員をどうすべきか【大阪・八尾の中小企業の社長たち（3）】

BizHint 編集部 2019年9月18日(水)掲載

大阪府・八尾市に拠点を構える企業4名の社長たちの座談会。今回のテーマは「社員のモチベーション」についてです。社員たちのモチベーションをいかに上げるか……は社長の大きな困りごと。社員食堂や、社員旅行、社内表彰のシステムについてや、「どうしても社風が合わない社員に対して退職を勧めるか否か」というデリケートな話題についても話題が及びました。

友安啓則さん

株式会社友安製作所

大学院でMBAを取得後、商社へ就職。2004年1月に商社を退社し、10年居たアメリカより帰国。2月より父親が営む線材加工製造業者である友安製作所へ入社。2004年にインテリア部門、2009年にエクステリア部門を立ち上げる。2016年2月、代表取締役社長に就任。2019年、経済産業省より「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定される。社員数は約90名。

木村祥一郎さん

木村石鹸工業株式会社

1995年、大学時代の仲間数名とIT企業を立ち上げる。以来18年間、商品開発やマーケティングなどを担当。2013年6月に同社の取締役を退任し、家業である木村石鹸工業株式会社へ。2016年9月、4代目社長に就任。自社ブランドの開発に取り組み、オリジナルブランド石鹸「SOMALI（そまり）」を筆頭に、次々と製品を世に送り出している。社員数は約30名。

太田泰造さん

錦城護謨株式会社

近畿大学商経学部卒業後、富士ゼロックス株式会社入社。2001年錦城護謨株式会社入社し、土木事業部長、専務取締役を経て、2009年に代表取締役社長に就任。安心・安全なものづくりに取り組んでおり、歩行誘導ソフトマット「HODOHKUN Guideway」は世界三大デザイン賞のひとつ「iF Design Award 2016」の金賞を受賞するなど海外で高い評価を受ける。社員数は約300名。

谷元亨さん

谷元フスマ工飾株式会社

1974年生まれ。大学卒業後、日本アイ・ビー・エムに入社し商品営業を担当。2003年に1946年創業のフスマや間仕切りの製造メーカーの谷元フスマ工飾株式会社に入社。BtoC向けとして、オンライン販売店舗「和室リフォーム本舗」をオープンし売上を伸ばしている。2008年に代表取締役社長に就任。社員数は約40名。

社員のモチベーションをあげるインナーブランディング施策

毎日のことだからこそ、力を入れている社員食堂（錦城護謨）

友安

錦城護謨さんでは、すごく社員食堂に力を入れていらっしゃいますよね。すごくいいなと思います。３か月に一回、有名なシェフが来て、料理を振る舞ってくれるんだとか。

谷元

社食は憧れますね！ある程度、会社に規模がないとできないですからね。

太田

工場地帯なので会社の周りにご飯を食べるところもあんまりないし、休憩時間内で遠くまで行けない。だったら「中でやろうか」っていうのが最初のきっかけだと聞いています。実は、僕が会社に戻ったとき、食堂は全然やる気なかったんです。パートのおばちゃんは、決められた日替わりのメニューをただ作るだけで、美味しいかどうかには全く関心がなかった。

でも、昼ご飯食べて「午後からも頑張ろう！」って思ってほしいなぁと、力をいれるようになって、今は「社食が楽しみで、毎日メニューチェックしてます！」みたいな声が聞こえてくるようになりました。最初はおばちゃんも「社長が来て、また面倒くさいこと言ってくる……」みたいな感じだったんですが、やっぱり「美味しかった！」「ありがとう！」って言ってもらえて、やる気になってくれたみたいですね。

友安

社食って、いつ頃からスタートしたんですか？

太田

工場をつくった頃なので、昭和30年ぐらいですね。昔は一食100円だったらしいんですけど、今は150円。そのまま金額をあげられずに今に至ります(笑)。

木村

うちは弁当で、値段は太田さんのところと同じ150円。でも、みんなあまり頼んでくれないんです。「オフィスおかん」のような美味しくて安い社食提供サービスを頼みたいと思っているんですが、大阪府下でも八尾市となると、極端にローカルになっちゃうんです……。大阪市内だったら、たくさんサービスが選べるんでしょうけどね。