連載:第22回 組織改革 その根幹
自律した社員ほど活躍できる組織2つのルール。数字目標が邪魔な納得の理由
BizHint 編集部
2026年2月3日(火)掲載
「部下は信じない、すべて自分でやるのが一番。自分の考えが正しいということを証明したかった」と語るのは、Webコンサルティング・マーケティング支援を手がける株式会社ペンシルの代表取締役社長CEO倉橋美佳さん。同社は現在、様々な企業表彰を受け、働きやすくまた社員が自律的に働く組織としても知られています。「自分の仕事こそが一番!」と信じて疑わなかった倉橋さんはどんな気付きを得て現在に至るのか?同社の組織風土を築く2つのルールとは?苦い経験とともに伺いました。
辞めた部下は100人以上。部下を信じていなかったリーダーが知った「一人の限界」
――貴社の事業内容と、社長就任までの経緯について教えていただけますか?
倉橋美佳 社長(以下、倉橋): 当社は、Webコンサルティングやマーケティング支援全般を手がける会社です。お客様のデジタルマーケティング戦略の立案から、Webサイト制作、運用改善まで一気通貫でサポートしています。創業は1995年で、昨年30周年を迎えました。
私自身は創業から8年ほど経った2003年に入社しました。新卒で入社した会社が倒産し、当社の創業社長に拾ってもらったというのが正直なところです。Web関係の仕事は時間を忘れるくらい楽しくて、それこそ寝る時間も惜しんでがむしゃらに働きました。
そして2016年、創業社長からバトンを引き継ぐ形で社長に就任し、今日に至ります。おかげさまで、2025年には直近20期連続黒字を達成することができました。入社時に90名ほどだった社員数は現在140名ほどに成長しています。
――安定した好業績を続けられた要因はどのような部分にあるのでしょうか?
倉橋: 当社の事業はコンサルティングをはじめ、お客様との共創を主軸としています。そこで質の高い仕事を続けるためには、 社員一人ひとりが自ら考え動き、お互いに意見を出し、補完し合いながらお客様と向き合わなければなりません。そうした自律型の人材・組織を作ってきたことは、一つの大きな要因としてあると思います。
とはいえ、必ずしも最初からそうだったわけではありません。
私は現場のリーダー・プレイヤーだった頃、部下をまったく信じていませんでした。 お客様にご満足いただくための答えは絶対に私が持っていて、部下のことを「自分の思考を具現化するための手段」とすら捉えていました。
周囲からは「鬼軍曹」と呼ばれるほど当たりがきつく、私の存在を理由に退職していった社員は100名以上いたと思います。
「自分が一番考えているし、一番成功イメージを持っている」という、強烈な自負がありました。自分の言うことを聞いてくれる人、自分が思っているイメージを形にしてくれる人は仲間として価値があるけど、そうじゃない人はいらない。
辞めたらまた採用して「私の考えに付いて来られる人」を探せばいい、という感覚でした。当時のWeb業界はまさに黎明期で、人材採用には困りませんでしたし、それこそ尖った人材が溢れていましたので。
それでも、考え方やノリが合った社員とは、同じゴールを目指して体育会系×大家族のような雰囲気でワイワイやっていました。朝早くから夜遅くまで、お昼ご飯も晩ご飯も一緒。いろいろうまくいかないことはありながらも、それを上回る勢いのようなもので走り続けていました。
しかしある日、それまでのやり方では限界ということに突然気づかされます。 「自分の仕事を周囲に認めさせる!」という承認欲求の塊だった私にとっては絶対に認めたくない状況に直面し、 それまでの自分を否応なく、否定しなければなりませんでした。本当に悔しかったですね…。
―― 何があったのでしょうか?
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}
バックナンバー (22)
組織改革 その根幹
- 第22回 自律した社員ほど活躍できる組織2つのルール。数字目標が邪魔な納得の理由
- 第21回 “正しさ”だけで人は動かない。社員の意識を変えた「たった一つの法則」
- 第20回 強制的に考えさせる施策が、社員の主体性を育んだ。トップダウンから自律型組織に至る20年
- 第19回 会社から逃げた社長、社員の一喝で覚醒。100億目標に至る、挫折と再起の5年間
- 第18回 「指示待ち組織」を蘇らせたリーダー。社員の主体性を引き出すためにやめた、二つのこと