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連載:第23回 組織改革 その根幹

「自分の思いは伝わっている」はリーダーの幻想。組織が噛み合わなくなる本当の理由

BizHint 編集部 2026年2月10日(火)掲載
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「部下に自分の思いは伝わっている」と信じているリーダーの方、本当にそうでしょうか?茨城県でラーメンブランド「活龍」などを展開する天辺ダッシュカンパニーの芝山健一社長は、事業拡大に際して長年一緒に働いてきた幹部との間にあった“阿吽の呼吸”を信じて仕事を任せたものの、組織は次第に噛み合わなくなり「得体の知れない違和感」が蓄積していきました。この違和感の正体は一体何なのか?芝山社長がその答えを見出したのは、人事・組織開発に関するある科学的アプローチでした。今では幹部や現場が安心して意見を出し、社員同士の思いやりが各所で見られ、離職率も大幅に改善した同社。社長の思い込みが覆った瞬間から始まる、組織改革のリアルを伺いました。

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「思いは伝わっている」はリーダーの幻想だった

――貴社の組織課題が顕在化し始めたのは、いつ頃からでしょうか。

芝山健一さん(以下、芝山): 創業から10年ほど経った2015年頃のことです。ラーメン事業に加えて製造卸事業を始めたことで、組織が急拡大しました。従業員数も一気に増え、私自身も営業で外に出ずっぱりになり、週の半分も会社にいない状態に。

そうした状況に対応するため、私に変わって現場を管轄してもらう「幹部社員」を選抜しました。幹部は私のことを昔からよく知っていて、プライベートも含め深く理解してくれています。まさに 「阿吽の呼吸」で通じ合い、「自分の思いは伝わっている」と信じていた のです。

しかしその体制に変えてしばらく、「得体の知れない違和感」が私や幹部の間に流れ始めました。私が熱量を持って新しい方針を打ち出しても、幹部側では困惑した空気が漂い、うまく事が運びません。

率直に「なぜ以前のように、自分の思いに応える動きをしてくれないんだ?」と困惑しましたし、時には「なぜ分からないんだ?能力が低いんじゃないか?」と部下の資質に疑いを抱くこともありました。

結果的にこの違和感は、数字に現れました。事業拡大により業績は伸びていたものの、離職率は上昇し、35%に達したのです。

ただ正直に言えば、この状況になっても私は危機感や問題意識を持っていませんでした。「飲食業界では離職率3割超えは普通」「ウチのスピード感に合わないなら、辞めても仕方ない」「少なくとも幹部に自分の思いは伝わっている。じきに良くなる」と高を括り、「自分は間違っていない」という自負・信念のもと、社員が辞めては採用を繰り返していました。

――状況は好転したのでしょうか?

芝山: いいえ。いつまで経っても好転しませんでした。さらに言えば、 待てば解決する類の問題ではなかった のです。

今だから言えることですが、そのような組織の状況を好転させるためには、 『リーダーである私の考え方、アプローチが間違っていた』 という気づきを得る必要がありました。

そして「私の普通と、彼らの普通は違う」「私の指示によって、幹部や社員は大きなストレスを感じていた」という事実を受け入れた上で、組織として対策を進めました。その結果、社内の人間関係やコミュニケーションは大きく改善し、離職率も9%まで低下しました。

この気づきはそれ以前の自分を否定することでもありました。しかし体験としては雷に打たれたような感覚で、それでいて納得感が高い、すっと視界が開けるようなものでした。「得体の知れない違和感」の正体もわかったんです。

――その気づきを得られたきっかけというのは?

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