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連載:第39回 リーダーが紡ぐ組織力

稲盛和夫氏の「金言」が組織づくりの礎に。自律型組織のリーダーが徹底した、たった一つの指針

BizHint 編集部 2024年11月13日(水)掲載
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先代である父が病に倒れ、36歳で社長に就任した横浜環境保全株式会社 代表取締役の髙橋義和さん。明日どうなるかも分からない状況のなか、決算書も読めない「経営の素人」だったそう。悩み苦しむなかで出会ったのが、稲盛和夫氏の言葉でした。以降、稲盛氏の教えを着実に実行に移し、組織を一つにしていきます。結果、クーデターというピンチを乗り越えただけでなく、大きく売り上げを伸ばし、同じベクトルで主体的に動く自律型組織に変貌を遂げました。髙橋さんを突き動かした言葉、そして組織を一つにした「指針」とは。詳しく伺います。

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横浜環境保全株式会社
代表取締役 髙橋 義和 さん

1974年横浜市生まれ。高校卒業後、ガス工事の仕事に従事。2004年、父が経営する横浜環境保全に入社。3年間ドライバーとして修行したのち、本社勤務に。専務を経て、2010年より現職。横浜環境保全は、横浜市内で廃棄物処理業を営む。同市の事業系ゴミのうち、約2割の収集を担当する。従業員数272名(2024年2月現在)、売上高44.6億円(2024年3月実績)。


自律型組織を作る礎となった、稲盛氏の教え

――髙橋代表は、京セラの創業者である稲盛和夫氏が主宰していた経営塾「盛和塾」で学ばれ、旧塾生を中心とした経営者が集う「心を高める経営を伸ばす世界大会」で経営体験発表もされたそうですね。

髙橋義和さん(以下、髙橋): はい。2021年に開催された第一回大会にて経営体験発表の機会をいただき、優秀賞を受賞することができました。社長就任からこれまで紆余曲折ありましたが、間違いなく「稲盛塾長の教えがあったから、今がある」と言えます。塾長の教えによって私自身が変わったことにより、周りの人が変わり、組織も変化していきました。

当社には「未来、そして子供たちのために“環境保全事業”を通して地域社会に最も貢献する」というミッションがあります。現在は 社員一人ひとりが、この実現のために何ができるか自ら考え、主体的に動いています。 日々、さまざまなアイデアが現場から聞こえてくるようになりましたね。

――まさに、自律型組織ですね。「変化した」ということですが、以前はどのような組織だったのでしょう?

髙橋: まず、私が入社した2004年当時は、従業員数約160名、売上高29億円ほどの会社でした。最初の数年間は、私もパッカー車(ゴミ収集車)のドライバーとして現場で働きました。当時、パッカー車は「汚い」「臭い」というイメージを持たれることが多く、ドライバーも 「他で決まらないから仕方なく」という理由でこの仕事に就いた人もいて……。 着崩した作業着で、にらみをきかせて車を走らせるような人も少なくありませんでした。マネジメントも厳しく、怒号が聞こえてきたり物が飛び交ったりしていた。だから、 人材の入れ替わりも激しかった ですね。

そういったなかでも「社会の役に立っている」と、誇りを持って働いている人も一定数いました。だって私たちが業務を止めてしまったら、横浜市がゴミだらけになってしまいますから。

――髙橋代表は、36歳という若さで社長に就任されていますね。

髙橋: はい。2010年、先代である父にがんが見つかったためです。少し複雑な事情があり、父が社長に就任したとき、16億円もの借金を引き継いでいます。その支払いもあって、会社を存続させるため銀行から融資を受ける必要がありました。ただ、父は寝たきりの状態……。そんな状況では融資が下りないだろうと、若く健康な私(当時専務)を社長に据え、会長・社長の「二代体制」にすることが決まったんです。

ただ、社内からは「経営が安定するまで、口出しさせるな」というような声が挙がりました。それだけでなく、前社長である父を責めるような言葉も聞こえてきて……。父はこの仕事に誇りを持ち、覚悟を持って社長を引き継ぎました。ストレスで髪が真っ白になるほど悩みながら、何とかこの事業を存続させようと努力していた。

悔しさが込み上げてくると同時に、この会社を何とかせねばと思いました。ただ、当時は経営の「け」の字も分からず決算書も読めないような素人で……。「このままじゃまずい」と思い、まずは経営を学ぼうと本を読みあさりました。そのなかに、 稲盛塾長の著書「生き方」がありました。

そこにあった 言葉を見たとき、体中に激震が走りました。そして、それこそが私自身を変え、周囲を変え、組織を変える「礎」となった のです。

――その「言葉」とは、何だったのでしょうか?

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