2019年1月9日(水)更新
企画業務型裁量労働制
企画業務型裁量労働制とは、裁量労働制の中でも一定範囲のホワイトカラー労働者を対象とした、労働者が働き方を決められる制度です。政府の働き方改革の一環としてもさらなる活用が期待されていたものですが、運用を誤ると、長時間労働や残業代の未払いなどの問題を引き起こします。導入にあたっては、制度について十分な理解が必要です。
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企画業務型裁量労働制とは
企画業務型裁量労働制とは、企業の各部署において一定範囲の業務に従事する労働者について、業務の遂行手段や時間配分の決定などを労働者の裁量に委ね、成果をより重視することで業務効率や生産性の向上を図る制度です。
実労働時間にかかわらず、あらかじめ労使間で定めた時間について労働があったものとみなす「裁量労働制」のひとつで、労使間で定める時間を1日8時間以内とする限り、使用者は残業代の支払いが不要になり、労働者は自由に働くことができるなどのメリットがあります。
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みなし労働時間制のひとつ
企画業務型裁量労働制は、みなし労働時間制というものに分類されますが、企画業務型裁量労働制のほかには、次のような労働時間制度があります。
- 事業場外みなし労働時間制
- 専門業務型裁量労働制
「事業場外みなし労働時間制」は、労働時間の算定が難しい外回りの営業職などを対象としているもので、同じ裁量労働制である「専門業務型裁量労働制」は、新聞記者やデザイナーなどのような専門的な業務を対象としています。
企画業務型裁量労働制も含めて、これらの制度においては労働時間を実労働時間で管理せず、あらかじめ労使間で定めた時間について労働があったものとみなすため、『みなし労働時間制』と言われています。
みなし労働時間制は、1987年(昭和62年)の労働基準法の改正により創設され、当初は事業場外みなし労働時間制と専門業務型裁量労働制だけでしたが、1998年(平成10年)の改正により、専門業務型裁量労働制の対象業務を拡大する目的で、企画業務型裁量労働制が創設されました。
【関連】みなし労働時間制とは?時間外・休日・深夜労働の取り扱いや、判例も合わせてご紹介/BizHint HR
専門業務型裁量労働制との違い
同じ裁量労働制である専門業務型裁量労働制についても、業務の遂行手段や時間配分などの決定を労働者の裁量に委ね、実労働時間にかかわらず、あらかじめ労使間で定めた時間について労働があったものとみなす制度であることに違いはありません。しかし、企画業務型裁量労働制の対象となる業務が企業における一定範囲の事務的業務(詳細については後述します。)であるのに対し、専門業務型裁量労働制の対象となる業務は、新聞記者やデザイナー、また、建築士、弁護士などの専門的な業務になります。
また、企画業務型裁量労働制の対象となる業務は、専門業務型裁量労働制のように明確ではないため、対象とならない労働者への適用を防ぐことを目的として、制度の導入や管理に求められる手続きがより複雑になっているなどの違いもあります。
【関連】専門業務型裁量労働制とは?対象業務や導入手順、残業代などの注意点まで詳しく解説/BizHint HR
みなし労働時間制の導入企業の割合
実際に企画業務型裁量労働制やその他のみなし労働時間制がどれくらいの割合で企業に導入されているのかについては、平成29年に厚生労働省が発表している下記の調査結果によると、すべての企業規模において、企画業務型裁量労働制の導入率が最も低い結果となっています。
これは、前述のとおり、対象となる業務が限定されており、専門業務型裁量労働制よりも導入や管理に求められる手続きが複雑であることなどが影響しているものと考えられます。
【みなし労働時間制を導入している企業の割合】
※ 【厚生労働省】平成29年就労条件総合調査 結果の概要の情報を元に作成
企画業務型裁量労働制の対象業務等
企画業務型裁量労働制の対象となる業務などについては、労働基準法で規定されているとともに厚生労働省から指針が示されており、次のような整理になっています。
対象業務
企画業務型裁量労働制の対象となる業務は、労働基準法において、次のいずれにも該当する業務であることとされています。
- 事業の運営に関する事項についての業務であること。
- 企画、立案、調査および分析の業務であること。
- 当該業務の性質上、これを適切に遂行するためには、その遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある業務であること。
- 当該業務の遂行手段および時間配分の決定などについて、使用者が具体的な指示をしないこととする業務であること。
実際にどのような業務であるのかについては、厚生労働省の指針「労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針」(平成11年12月27日労働省告示第149号、改正:平成15年10月22日厚生労働省告示第353号)において例示されており、次のような業務が対象になり得るとしています。
- 経営企画を担当する部署における業務のうち、経営状態・経営環境などについて調査および分析を行い、経営に関する計画を策定する業務
- 経営企画を担当する部署における業務のうち、現行の社内組織の問題点やその在り方などについて調査および分析を行い、新たな社内組織を編成する業務
- 人事・労務を担当する部署における業務のうち、現行の人事制度の問題点やその在り方などについて調査および分析を行い、新たな人事制度を策定する業務
- 人事・労務を担当する部署における業務のうち、業務の内容やその遂行のために必要とされる能力などについて調査および分析を行い、社員の教育・研修計画を策定する業務
- 財務・経理を担当する部署における業務のうち、財務状態などについて調査および分析を行い、財務に関する計画を策定する業務
- 広報を担当する部署における業務のうち、効果的な広報手法などについて調査および分析を行い、広報を企画・立案する業務
- 営業に関する企画を担当する部署における業務のうち、営業成績や営業活動上の問題点などについて調査および分析を行い、企業全体の営業方針や取り扱う商品ごとの全社的な営業に関する計画を策定する業務
- 生産に関する企画を担当する部署における業務のうち、生産効率や原材料などにかかわる市場の動向などについて調査および分析を行い、原材料などの調達計画も含め全社的な生産計画を策定する業務
以上のように細かな業務が例示されていますが、基本的には、経営企画の担当部署や人事・労務の担当部署、財務・経理の担当部署などにおいて、各部署が担当する業務について調査や分析を行い、企業全体にかかわる計画を策定するような業務が想定されているものであり、日々のルーティンワークをこなすだけのような業務は対象とされていないことに注意が必要です。
対象にならない業務の例などについても、厚生労働省の指針で示されていますので、詳細については、以下のリンクからご確認ください。
【参考】労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針/独立行政法人労働政策研究・研修機構
対象事業場
企画業務型裁量労働制の対象となる事業場(企業全体ではなく、本社や支社、本店、支店、工場などの労働基準法上の整理単位)は、上記の対象となる業務が存在する次のいずれかに該当する事業場であることとされています。
- 本社や本店である事業場
- 当該事業場の属する企業の事業運営に大きな影響を及ぼす決定が行われる支社や支店、工場などである事業場
- 本社や本店である事業場の具体的な指示を受けることなく、独自に当該事業場に係る事業運営に大きな影響を及ぼす事業計画や営業計画の決定を行っている支社や支店などである事業場
つまり、企業の事業運営に大きな影響を及ぼすような事業所であるか、事業場そのものの運営について独自の決定権を持っているような事業場が対象とされているものであり、本社や本店などから具体的な指示を受けて、個別の営業活動のみを行っているような事業場は対象とされていないことに注意が必要です。
対象労働者
企画業務型裁量労働制の対象となる労働者は、次のいずれにも該当する労働者であることとされています。
- 対象業務を適切に遂行するための知識や経験などを有する労働者
- 対象業務に常態として従事している労働者
つまり、ある程度の年数は対象業務に従事しており、必要な知識や経験を有している労働者が対象とされているものであり、新入社員のような対象業務に従事して間もないような労働者は対象とされていないことに注意が必要です。
企画業務型裁量労働制のメリット・デメリット
企画業務型裁量労働制を導入することにより、会社、従業員の双方にメリットもあればデメリットもあります。導入にあたってはこれらを十分に検討することが必要です。
メリット
会社、従業員別のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
会社のメリット
- みなし労働時間を1日8時間までに設定する限り、実労働時間にかかわらず、残業代を支払う必要がない。
- 従業員が制度の趣旨のとおり業務に取り組めば、業務効率や生産性の向上が期待できる。
- 勤怠管理や残業代の計算などの労務管理業務の負荷を下げることができる。
従業員のメリット
- 一定の労働時間に縛られることなく、業務の進行にあわせて効率的に働くことができる。
- 仕事と家庭の両立(ライフワークバランス)を図ることができる。
- これまで以上に成果が重視されるため、能力のある従業員にとっては正当な評価を受けやすくなる。
デメリット
会社、従業員別のデメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
会社のデメリット
- 長時間労働が常態化しやすく、そうなった場合には、従業員のモチベーションの低下、健康面の悪化、業務効率や生産性の低下など多くの問題を引き起こす。
- 従業員の成果を適正に評価するシステムを整備、運用しなければ、対象従業員間の公平性を保てなくなる。
- 専門業務型裁量労働制と比べると、適用できる業務や職種の判断が難しく、誤って導入すると逆効果になりかねない。
従業員のデメリット
- みなし労働時間が1日8時間までである限り、それ以上働いたとしても残業代は支払われない。
- 能力のある従業員であれば、短時間で成果を出せるが、そうでない従業員、また、仕事が立て込んでくると、長時間労働を強いられる。
- これまで以上に成果が重視されるため、能力のない従業員にとってはマイナス評価を受けやすくなる。
企画業務型裁量労働制の導入手順
企画業務型裁量労働制だけに限りませんが、あらたに労働時間制度を導入するためには、労働基準法において定められた手続きによることで適法なものになります。
具体的には以下の流れに沿った手続きが必要になります。
労使委員会の設置
まずは、事業場内に労使委員会というものを設置しなければなりません。
労使委員会は以下の要件を満たす必要があります。
- 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対して当該事項について意見を述べることを目的としていること。
- 使用者および当該事業場の労働者を代表する者が構成員になっていること。
- 委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者に、管理監督者以外の者の中から任期を定めて指名されていること。(なお、管理監督者はそもそも労働基準法上の労働時間や休憩、休日に関する規定の適用を受けません。)
- 当該委員会の議事を議事録として作成、保存(開催の日から3年間)し、当該事業場の労働者に周知が図られていること。
- 労使委員会の招集や定足数、議事などの労使委員会の運営について必要な事項に関する規程が定められていること。
なお、委員会の総数や任期については、労働基準法や指針などに定めはありませんが、厚生労働省の通達では、「労使各1名の計2名で構成する委員会については、労使委員会とは認められない。」、「過度に長期にわたるものは適当でない。」とされていますので、ある程度の人数で構成し、数年で入れ替えが行われる任期で運用することが望まれます。
【参考】労働基準法の一部を改正する法律の施行(企画業務型裁量労働制関係)等について/労働安全情報センター
労使委員会の活用
労使委員会は、もともと企画業務型裁量労働制を導入、管理するために設置することが義務付けられているものですが、この労使委員会を設置することで、時間外・休日労働に関する労使協定(いわゆる36(サブロク)協定)や専門業務型裁量労働制、変形労働時間制の導入にかかわる労使協定の締結などをこの労使委員会の決議をもって代えることが認められています。その他にも労使の話し合いの場として活用することができるものです。
【参考】「企画業務型裁量労働制」の適正な導入のために/東京労働局
労使委員会での決議
労使委員会では、以下の事項について、委員の5分の4以上の多数により決議しなければなりません。
対象業務の具体的な範囲
対象となる業務については前述のとおりですが、例えば、「経営状態、経営環境などについて調査および分析を行い、経営に関する計画を策定する業務」などとし、その具体的な範囲を決議しなければなりません。
対象労働者の具体的な範囲
対象となる労働者についても前述のとおりですが、例えば、「職務経験5年以上、主任以上」などとし、その具体的な範囲を決議しなければなりません。
労働したものとみなす時間
1日あたりに労働したとみなす労働時間数を決議しなければなりません。 一般的には、所定労働時間である7時間や8時間などに設定しますが、これを超えて設定すると、企画業務型裁量労働制においても残業代を支払わなければなりませんので注意が必要です。
なお、36協定を締結している場合の1か月の残業時間の限度は、原則として45時間ですので、長く設定するとしても1日10時間程度が限界になります。
健康・福祉を確保する措置
対象となる労働者の健康および福祉を確保するため、勤務状況を把握するための方法を具体的に定め、把握した勤務状況に応じて、どのような健康および福祉を確保する措置を講ずるのかなどを決議しなければなりません。
例えば、タイムカードやIDカードなどにより勤務時間を把握し、労働時間数の多い者にはヒアリングを実施することや、3か月に1度、健康状態の申告を求め、異常が認められる者には健康診断を受診させたり、特別休暇を付与することなどが考えられます。
苦情処理に関する措置
対象となる労働者からの企画業務型裁量労働制に関する苦情を受け付ける窓口やその担当者、受け付ける苦情の範囲などを決議しなければなりません。対応窓口については、事業場内に既にある苦情処理システムを活用することもできます。
労働者の同意・不利益取り扱いの禁止
企画業務型裁量労働制を導入するためには、対象となる労働者本人に個別に同意を得なければなりませんので、そのことと、同意しなかった労働者に対して、解雇や降格など不利益な取り扱いをしないことについて決議しなければなりません。
そのほかに、同意を得るための手続き(書面によることなど)や、同意を得る際には、同意した場合に適用される評価制度や賃金制度の内容、同意しなかった場合の配置や処遇などについて説明することなどもあわせて決議しておくことで後々のトラブルを避けられます。
決議の有効期間
決議をあらためて見直すことができる適切な期間を設定しなければなりません。
具体的な期間については、労働基準法や指針に定めはありませんが、厚生労働省の通達では、「不適切に制度が運用されることのないように3年以内とすることが望ましい。」とされています。
【参考】労働基準法の一部を改正する法律の施行について/独立行政法人 労働政策研究・研修機構
制度実施に関する記録の保存
対象労働者の労働時間の状況、健康および福祉を確保するための措置や対象労働者からの苦情処理に関する措置の実施状況、また、対象労働者の同意に関する記録などについて、決議の有効期間中およびその満了後3年間は保存しておかなければなりません。
【参考】労働基準法の一部を改正する法律の施行について/独立行政法人労働政策研究・研修機構
就業規則の変更
企画業務型裁量労働制の導入は、労働時間や賃金にかかわる事項になりますので、労使委員会で必要な決議を行うほか、就業規則にもその内容を規定して労働者に周知しなければなりません。
労働基準監督署への届出
労使委員会で決議した内容は、所定の様式によりすみやかに所轄労働基準監督署へ届け出なければなりません。この届け出を行うことによって、はじめて企画業務型裁量労働制が有効なものになります。
なお、就業規則の変更についても労働基準監督署へ届け出が必要です。
対象労働者の同意
企画業務型裁量労働制を対象労働者に適用するためには、労使委員会の決議を労働基準監督署に届け出るだけでなく、個別に対象労働者の同意を得なければなりません。
同意を得るためには、労使委員会で決議した同意を得るための手続き(事前に十分な説明を行い、同意するか否かは書面により確認するなど)により、適正に行われるものでなければなりません。
制度実施に伴う手続き
上記の手続きが完了した段階で、企画業務型裁量労働制を実施できるようになりますが、労使委員会で決議した使用者に求められる措置も実際に講じなければなりません。また、制度実施中は労働基準監督署へ定期的な報告が必要になります。
決議で定めた措置の実施
対象労働者の健康や福祉を確保する措置および対象労働者からの苦情処理に関する措置について、決議で定めた内容のとおり実施しなければなりません。
労働基準監督署への定期報告
労使委員会で決議が行われた日から起算して6か月以内ごとに1回、所定の様式により労働基準監督署へ定期報告を行わなければなりません。
主な報告事項は以下のとおりです。
- 対象労働者の労働時間の状況
- 対象労働者の健康および福祉を確保する措置の実施状況
企画業務型裁量労働制の注意点
企画業務型裁量労働制を導入するうえでは、上記で述べたような様々な手続きが求められますが、注意すべき点としては次のようなものが挙げられます。
対象業務・事業場・労働者の確認
企画業務型裁量労働制の対象となる業務や事情場、労働者については、前述のとおり労働基準法や指針などに示されていますが、それに合致しない業務や事情場、労働者には企画業務型裁量労働制を適用することができません。
判断に迷う場合には、管轄労働基準監督署や社会保険労務士などに確認が必要です。
労働時間の管理
企画業務型裁量労働制においても、対象従業員の労働時間を管理する義務がなくなるわけではありません。
会社は対象従業員の健康を管理する義務を負っているため、出退勤の状況は把握しておかなければなりませんし、そのことについて、労働基準監督署への定期的な報告も必要です。
残業代(時間外の割増賃金)の支払い
労使委員会で決議するみなし労働時間を1日あたり8時間以下とする場合には、実労働時間にかかわらず、時間外労働にかかる割増賃金を支払う必要がなくなりますが、8時間を超える時間にする場合にはその分の支払いが必要になりますし、時間外労働を可能にする36協定も締結していなければなりません。
休日・深夜の割増賃金の支払い
法定休日や深夜(22時から5時まで)の労働については、企画業務型裁量労働制においても通常の労働時間制と同様に割増賃金の支払いが必要になりますし、法定休日の労働を可能にするには時間外労働と同様に36協定の締結が必要です。
【関連】36(サブロク)協定とは?残業の限度時間や特別条項・違反まで徹底解説 / BizHint HR
長時間労働への配慮
企画業務型裁量労働制を含むみなし労働時間制においては、労働時間を管理する意識が薄れ、長時間労働が常態化する場合があります。
そのような状況では、対象従業員の健康に問題を生じさせることになりますので、対象従業員の労働状況や健康状態を常に管理するなど、労使委員会で決議した、健康および福祉を確保する措置を適切に実施していかなければなりません。
まとめ
- 企画業務型裁量労働制は、みなし労働時間制のひとつであり、同じ裁量労働制としてはほかに専門業務型裁量労働制がある。
- 企画業務型裁量労働制は、専門業務型裁量労働制と比べて、対象となる業務の判断が難しく、導入にあたってもより複雑な手続きが求められる。
- 企画業務型裁量労働制であっても労働時間の管理は必要であり、みなし労働時間の設定によっては残業代の支払いも必要になる。
- 企画業務型裁量労働制を含むみなし労働時間制では、長時間労働につながる傾向があるため、人事部、総務部などの労務担当部門は、対象者の労働状況や健康状態などを適切に管理しなければならない。
<執筆者>
本田 勝志 社会保険労務士
関西大学 経済学部 経済学科 卒業。1996年10月 文部省(現文部科学省)入省。退職後、2010年に社会保険労務士試験に合格。社会保険労務士事務所などでの勤務経験を経て、現在は特定企業における労務管理等を担当。