連載:第3回 働き方改革 知っておきたいこと
働き方改革で問われる、真の部下マネジメント力【PwCコンサルティング 古川琢郎さん】
働き方改革が注目される昨今。各企業が様々な取り組みをしていますが、上司は「真の部下マネジメント力」が問われるとPwCコンサルティングの古川琢郎さんは指摘します。その言葉の意味とは……?
働き方改革で離職率が上がる!?
“働き方改革”という言葉は、いまやバスワードとなっています。筆者の交流がある企業でも、ここ数年、ずいぶんと取り組む企業が増えたように思われます。その中でも、社内プロジェクトとして積極的に改革に取り組む企業の社員から、先日こんな話を聞きました。
「働き方改革のせいで部下が辞めてしまったんです……」
この企業における働き方改革の取り組みの一つは、企画系社員のフレックスワークプレイスでした。数年前に導入した育児・介護のための時短勤務・在宅勤務に加え、一部の企画系部門においても上長が許可すれば、事由を問わずに可能にする制度を試験的に導入したのです。どうやら本制度を活用した社員(以下、部下A)が退職されたそうで、下記のような経緯でした。
- 部下Aは新規事業企画を担当
- フレックスワークプレイス制度を活用し、週に2日ほどは社外勤務(会議等もあり完全にオフィスに出社しない日は無かった)
- カフェや在宅で業務を行い、業務の隙間に、(あくまでも主観的に)生産性が増したエリアをSNS等で紹介した結果、反響がありネットワークが急拡大
- 事業化がなかなか進まないことへの不満と、新たなネットワークを足掛かりに、よりクイックに新規事業にチャレンジできる企業へ転職
一方で、このような話も耳に入ってきました。
「働き方改革をきっかけに、これまでいまいちだと思っていた部下が、いまやエース社員になりました!」
この企業における働き方改革の取り組みも先述の企業と同じように行っておりで、一部組織・職種におけるワークプレイスのフレックス化がポイントでした。本制度を活用した社員(以下、部下B)のアウトプット品質が急激に向上した流れこのような形でした。
- 部下Bは特定顧客へのソリューション提供およびセールスを担当
- 希望していた新規サービスの企画を兼務するタイミングで、上司からフレックスワークプレイス制度の活用を奨められ、週の1/3程度は社外にて業務
- シェアオフィスやカフェで業務を行い、他社の知り合いと情報交換をしたり、外部イベントに参加する機会が増加
- 新規サービス企画立案だけでなく、従来の業務においても成果を発揮し、部のトップ評価を獲得
上司の真の部下マネジメント力が浮き彫りに
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