連載：第42回総合

4月から週休3日導入した中小企業、社員から「生産性が上がった」の声

BizHint 編集部 2023年8月10日(木)掲載

厚生労働省の「令和４年就労条件総合調査」によると週休3日以上の休日を導入している企業は8.6%にとどまっています。一方、室内ドア専門メーカーの神谷コーポレーション湘南は、2023年4月から週休3日制を導入、3か月が経過しました。従業員数170人と中小規模企業である同社は、週休3日制に関する生の意見を発信しています。

週休3日導入者7名全員が「継続したい」と回答

週休3日導入者7名にアンケートを行ったところ、まず週休3日制に対して全員が「継続したい」と回答。周囲からは「先進的だ」「うらやましい」「驚いた」といった好意的な声が寄せられていたそうです。

同社では総労働時間維持型を採用しており、1日の勤務時間が増えることになりましたが、これに対しては「徐々に集中できるようになった」4名、「8時間勤務時より集中できた」1名、「変わらない」2名といずれも肯定的でした。残業については「変わらない」5名、「減った」2名。作業効率についても「上がった」3名、「変わらない」4名と問題はあがっていません。

その背景としては「ルーチン業務がないため変わらなかった」「その時間しかできない仕事に集中して取り組めた」「電話がこない時間に業務に集中できた」「週の勤務時間は同じなので、変化はなかった」といった意見がありました。

一方「会議や打ち合わせに影響があったか」を聞くと、こちらは「日程を決める段階である程度考慮してもらった」「どうしても参加したい場合は振替出社で対応した」としたうえで、「参加できないことがあった」2名、「相談して日程を変更してもらった」5名となっています。

なお「休日の変化」は、「外出遠出をする機会が増えた」4名、「役所や病院に行けるようになった」2名、「自分の趣味に使う時間が増えた」1名といった割合になりました。ただし「休日に仕事の連絡がきたらどうするか？」という質問に対しては、「緊急性があるものだけ対応した」4名、「できるときに対応した」3名と、やや仕事寄りのスタンスです。

なお「自炊する時間が減り、外食が増えた」「勤務時間が長いため間食が増えた」といった理由からか、週休3日制になって「支出が増えた」という人が4名、「変わらない」3名となっています。