連載:第10回 エネルギー
電力会社の乗り換え、削減できた電気代の年間額は「平均5,603円」
2016年に電力の小売自由化が始まってから5年。太陽光発電などを積極的に採り入れている新電力への移行を、引き続き政府も推奨しており、新電力会社に乗り換えたという一般消費者も少なくありません。一方で、相当数が参入したことで電力市場はレッドオーシャンとなり、苦戦・撤退・倒産する事業者も出ています。新電力の普及率・最新状況について、エレビスタは一般消費者を対象にアンケート調査を実施しました。
電力会社乗り換え経験者は3割超、最大の魅力はやはり料金が下がること
まず「電力会社を乗り換えた経験があるか」を聞くと、全回答者723人のうち乗り換え経験者は32.5%。残る67.5%は入居時に契約した電力会社から乗り換えたことがないようです。乗り換え経験者235人を対象に、「乗り換えてから電気代が安くなったか」を聞くと、82.1%が「安くなった」と回答しています。ただし、「安くならなかった」との回答も、ほとんどが「変化がない」「電気代は変わらないがポイントで還元されるようになった」との回答のため、乗り換えにより確実に電気代は削減できそうです。
電力会社を乗り換えて削減できた電気代の年間額は「平均5,603円」。世帯人員の数で差がありますが、3人世帯・4人世帯はいずれも平均を上回った効果が出ています。また1人世帯で2,654円、2人世帯で4,773円の削減というのも、何気に大きな額と感じられます。
次に、「乗り換えた先の電力会社」を具体的に聞いてみると、「auでんき」が特に多く、以下「ENEOSでんき」「楽天でんき」が続きます。通信事業のほか、ガソリンスタンド、EC事業、ガス会社など、“知名度の高い会社”“複合してサービス還元を行う会社”などが人気のようです。
あわせて「次に乗り換えてみたい電力会社」を聞いても、トップの「auでんき」を除く形で、「楽天でんき」「ENEOSでんき」「おうちでんき(ソフトバンク)」の名前があがっています。
新電力の利用者に「新電力に満足しているか」を聞くと、「満足している」50.2%が半数を超え、「不満がある」4.7%を大きく上回りました。“普通に使えるのが当たり前”というのがインフラですが、料金面で「期待以上に安くなった」という人が多いようです。
一方で、「電力会社を乗り換えた経験はない」とした488人に「乗り換えない理由」を選択式で聞いてみると、「手続きが面倒くさい」53.7%が半数以上を占めていました。また選択肢以外では「賃貸や社宅などで電力会社を選べない」という理由も多かったようです。
調査方法
調査期間:2021年7月8日~9日
調査方法:クラウドワークスでのインターネット調査
調査対象:全国
調査件数:723件
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000057960.html
https://xn–o9j2jbpdd3oe0ff3622gs0tai90g7wvectb.com/survey-of-pps/
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}
バックナンバー (11)
エネルギー
- 第11回 新電力苦境、1割超が「契約停止・撤退」へ 2カ月で3倍に急増
- 第10回 電力会社の乗り換え、削減できた電気代の年間額は「平均5,603円」
- 第9回 脱炭素社会の進展・電気自動車の普及に対して、プラスと考える企業よりマイナス視する企業が多い
- 第8回 注目度高まる「洋上風力発電」関連の特許、日本は「トータルパテントアセット」で三菱重工が2位に
- 第7回 「新電力会社」の新規参入は、2017年のピーク以降、減少傾向に。今年は大手の倒産も発生