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連載:第9回 よくわかる補助金・助成金 創業

パートさんの労働時間を増やしてもらったら、キャリアアップ助成金の活用を

BizHint 編集部 2020年2月27日(木)掲載
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「パートさんが辞めると言い出した。求人を出しても人は来ないし、どうやってシフトを埋めよう。」そう頭を抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。危機的な求人難で、新たに人を雇うことは簡単ではありません。であれば今いるパートさんに、労働時間を増やしてもらう相談をしてはいかがでしょうか?パートさんの労働時間を増やしたときにもらえる「キャリアアップ助成金短時間労働者労働時間延長コース」のご紹介です。

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1.助成金がもらえる要件

補助金と異なり、要件を満たして審査に通ればもらえるのが助成金です。この「キャリアアップ助成金短時間労働者労働時間延長コース」の要件は、短時間労働者の週所定労働時間を延長し新たに社会保険に加入させることです。

ポイントは、単に労働時間を増やすだけでなく、「新たに社会保険に加入させること」です。 従業員が500人以下の会社の場合、正社員の4分の3以上の所定労働時間を働くパートさんが、社会保険の加入対象となります。例えば、正社員の週所定労働時間が40時間であれば、週30時間以上働いてもらうことで、パートさんも社会保険の加入対象となります。
ちなみに、もともと社会保険の加入義務があったのに、加入させていなかった場合は助成金の対象になりません。
夫の扶養範囲内で働くことを希望する主婦パートは依然として多いものの、しっかり働いて、将来もらえる年金を増やしたい、という人もじわじわ増えています。そんな意欲的なパートさんを後押ししたいところですね。

2.助成金額はどれくらい?

ではもらえるお金はどれくらいでしょうか。2種類の要件があり、また大企業と中小企業で金額が異なるほか、「生産性」がアップしていると助成金額がアップするオマケもあります。以下詳しくみていきましょう。

(1)助成金額

① 短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険に加入させた場合

1人当たり22万5,000円<28万4,000円>
(大企業21万3,000円<16万9,000円>)

※ 令和2年3月31日までの間、支給額を増額しています。
※ <  >は生産性の向上が認められる場合。
※ (  )内は大企業の金額。

② 5時間未満の延長であっても、労働者の手取り収入が減少しないように賃金の改定を行って、新たに社会保険に加入させたり、労使合意に基づいて社会保険の加入対象をパートさんにまで広げる措置を行った場合も助成金の対象になります。(賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合)

  • 1時間以上2時間未満:1人当たり45,000円<57,000円> (大企業 34,000円<43,000円>)
  • 2時間以上3時間未満:1人当たり90,000円<11万4,000円> (大企業 68,000円<86,000円>)
  • 3時間以上4時間未満:1人当たり13万5,000円<17万円> (大企業 10万1,000円<12万8,000円>)
  • 4時間以上5時間未満:1人当たり18万円<22万7,000円> (大企業 13万5,000円<17万円>)

※ 令和2年3月31日までの暫定措置
※ <  >は生産性の向上が認められる場合
※ (  )内は大企業の金額

(2)「生産性」が上がっていると助成金がアップ!

「生産性」が向上していると、週5時間以上所定労働時間を延長した場合で、一人当たり22万5,000円から28万4,000円と6万円近くアップします。

生産性とは、以下の営業利益等からなる『付加価値』を従業員数で割った数値です。

助成金申請直近年度の生産性と3年前の生産性を比較して6%以上伸びているか、もしくは6%未満でも金融機関から事業性評価※を得られたらOKです。
営業利益が3年前より増えている、設備投資をして減価償却費が増えている、また従業員数が減ったなどのケースで生産性が向上している可能性があります。一見複雑そうにみえますが、専用のエクセルシートに決算書の数値を転記するだけです。助成金を増やすチャンスなので見逃さないようにしましょう。

※ 事業性評価とは
「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会を行い、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。

(3)令和2年3月31日までならより好条件

1年度1事業所当たり支給申請上限人数は45人までで、この人数は令和2年3月31日まで緩和されています。また(1)①の週所定労働時間を5時間以上増やした場合の助成金額は令和2年3月31日まで増額されていますし、(1)②の5時間未満の措置も令和2年3月31日までの暫定措置です。延長される可能性もありますが、早めの実施がおすすめですね。

3.助成金の申請手続き

では助成金の申請手続きをみていきましょう。

(1)「キャリアアップ管理者」の配置

有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として「キャリアアップ管理者」を決めます。「必要な知識及び経験を有していると認められる者」がキャリア アップ管理者になれます。といっても特別な資格等は必要としないので、事業主、店長等の方がキャリアアップ管理者になるケースが多いです。

(2)キャリアアップ計画書の作成・提出

3年以上5年以内の期間で、有期契約労働者等のキャリアアップに向けた計画を作成します。決められた書式があるので、対象者や目標等項目に従って記載します。計画は労働組合等の意見を聴いたうえで、管轄労働局長へ提出・認定を受けます。
なお、計画は変更もできますが、変更の場合は「キャリアアップ変更届」の提出が必要になります。

(3)週所定労働時間延長を実施

実際に労働時間を延長してもらいます。このとき週所定労働時間と社会保険加入条件を明確にした「労働条件通知書」または「雇用契約書」もきちんと交付しておきましょう。

(4)申請

延長後6か月たったら支給申請をしましょう。正確に言えば、6か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内です。たとえば4月から労働時間延長をして、6か月後となる9月分給料を支払う日が10月25日であれば、10月25日の翌日26日から2か月以内が申請期間です。申請期間を過ぎると受理されない可能性もありますので、期限には気をつけましょう。

(5)審査、支給決定

審査の上支給されます。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?社会保険の加入者を増やしたら確かにコストは増えます。それでも新しい人を雇うコストを考えれば、慣れている人により長く働いてもらうほうが得策といえるでしょう。  また現在従業員501人以上の大企業であれば以下の要件を満たすとパートさんも加入対象になります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上あること
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が8.8万円以上であること
  • 学生でないこと

もしこの要件が中小企業にも適用されたら、かなりの人数のパートさんが対象になりそうですね。年金財政は苦しく、担い手不足は明らかです。いずれ500人以下の会社でも社会保険の加入対象が拡大される可能性が高いでしょう。そうなったときに慌てないですむよう、今のうちに助成金をもらいながら、やる気のあるパートさんにしっかり定着してもらいましょう。

(執筆) 株式会社プロデューサー・ハウス 佐藤 智美
中小企業診断士/社会保険労務士

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