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戦略・経営

2018年4月18日(水)更新

※この記事は2016年8月17日に開催されたイベントの録音を元に作成されたレポートです。


登壇者

パネラー

曽山 哲人 氏 (株式会社サイバーエージェント 執行役員 人事統括)

小泉 文明 氏 (株式会社メルカリ 取締役)

モデレーター

南 壮一郎 氏(株式会社ビズリーチ 代表取締役社長)

人事評価をよりシンプルに、明確にする目標管理制度「OKR」

南 壮一郎 氏(以下、敬称略) :小泉さんは、海外展開をするうえで、人事としての学びや心がけたことはありましたか?

小泉 文明 氏(以下、敬称略) :実はアメリカに拠点を置いた当初、社員が目標を達成できたかどうかが曖昧にになり、人材の有効活用が出来ていないケースが見て取れました。そこで、このままではまずいと思い、それまでのMBO「Management by Objectives」をやめ、OKR「Objective and Key Result(目標と主な結果)」を導入して改善を図りました。OKRとは、各自の目標と求められる結果を明確にし、組織のオペレーションとコミュニケーションを効率化する仕組みを指します。すでにGoogleなど、シリコンバレーの企業が取り入れて効果を生んでいる目標管理制度です。最初に定量化できる目標を掲げ、やるべきこととやらないことを決めるので、メンバーのコミットメントが高まりましたし、評価が非常にやりやすくなりましたね。数値化できる目標をおいて、評価をはっきりさせることが重要だと学びましたね。

「シラケのイメトレ」と「ABテスト」が新しい人事制度導入のカギ

:メルカリがGoogleからOKRの仕組みを導入したように、異業種の人事部同士がもっと情報交換して、うまくいっている企業を徹底的に真似するべきではないかと思います。

曽山 哲人 氏(以下、敬称略) :そうですね。ただし、他社の成功事例をそのまま真似て「完コピ」をしようとしても、なかなかうまくいきません。何か新しい人事制度をつくるにしても、それが導入された後に、誰が「シラケる」かを細部にわたってイメージする「シラケのイメトレ」を必ずしたほうがいいと思っています。そうすれば、起こりうる改善点を考えて、軌道修正もできるので、制度の導入後も社員に受け入れられやすくなります。

小泉 :何か新しい取り組みをするなら、自社のバリューに紐づいて伝えないと、社内からは単なる思いつきと思われかねません。逆に、バリューとの関連した制度だということがわかれば、筋が通っているなと思ってもらえる。

人事って優等生になろうとしすぎなんじゃないかと感じることが多々あります。失敗を恐れすぎている人が多いのです。私がよく言うのは、「Webサービスみたいに人事制度をつくろうよ」ということ。Webサービスのように、試作品のように複数制度をつくってABテストをするのも良いし、バグが発生したら修正すればいい。曽山さんのおっしゃるように、「シラケ」があったら直せばいいんです。完璧な制度をつくろうとするよりも、とりあえずやってみるという姿勢が大事ですね。

あとは、自社のバリューや自社らしさの話になりますが、新規事業を「ソウゾウ」という子会社にすると決めたのは、「この会社で大事なものは何だろう」と考えた結果なんです。別の会社にすることで、それぞれの事業の「らしさ」を持つことができる。その一環として、メルカリ本社から子会社の情報は取れないようにしていて、一方、子会社からは本社の情報がいくらでも取れるようにしています。KPIの数値なども、私や一部の役員しか把握していません。「新規事業潔癖症」みたいなものがあると思っていて、事業に関係していない本社のメンバーが色々口出しするといろいろ言いたくなりますから、それに触れさせないように情報を遮断するのが良いですね(笑)

曽山 :それは面白いですね。サイバーエージェントの場合は、子会社が親会社の人事制度を真似するかどうかを決められるようになっています。また、各子会社の人事が一堂に会する対話の場を設けて、そこで情報交換をするんです。失敗事例などナレッジ共有勉強会を毎週金曜に。

:メルカリは採用に力を入れていると思うのですが、採用で重視していることは何ですか。

小泉 :自社のブランディングですね。これを意識し始めたきっかけは、良い人材を雇いたいけれど、エージェントにフィーを払っていると採用コストが非常に高いというベンチャー資金的な悩みがありました。そこで、直接ターゲットとなる人材に訴求できるよう、自分たちで会社の良いイメージをつくっていかなければいけないと危機感を抱きました。私たちは私と人事と広報の計6名が同じ丸テーブルを囲んで座っているので、非常に密に意思疎通できているんです。採用メッセージをどう発信するかを決める際に、広報からプロモーション的なアドバイスを受けられるというように、ブランディングでは、人事と広報との連携が大事になってきます。

最近では、「mercan(メルカン)」経由での採用も増えてきました。「メルカン」はメルカリのメンバーやメルカリで起こっていることを発信する自社メディアです。このメディアによって、事前にメルカリへの理解を深めてもらえるし、私たちのミッションやバリューに共感した人に応募してもらいやすくなるというメリットも生まれています。

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