連載:第62回 総合
「粉飾決算」による倒産、2024年(1月~9月)はすでに過去最多水準の74件が発生
近年相次いでいる国内企業の倒産ですが、その理由についてもコロナ禍と原材料高騰によるダブルパンチだけでなく、「人手不足」「後継者難」「事業者増」など多岐にわたっています。そのなかでも、アフターコロナの資産査定で「粉飾決算」が発覚し倒産する事例も増えており、2024年は負債規模の大型化が目立ちました。
2024年は負債規模の大型化が目立つ結果に
帝国データバンクでは、売り上げの架空計上や融通手形などの「粉飾」が判明した企業の倒産について集計。2024年1月~9月の「粉飾」倒産(法的整理のみ、負債1,000万円以上)について分析しています。
それによると、2024年(1月~9月)における「粉飾」倒産は74件でした。これは前年同期と比べると16件多く、3年連続で前年同期を上回っています。また集計開始の2016年以降で1月~9月期では最多となり、2024年通年でも年間最多件数(2019年・84件)を更新する可能性があります。
これら74件の内訳を業種別で見ると、「建設業」18件(構成比24.3%)が最多で、「卸売業」16件(同21.6%)、「製造業」14件(同18.9%)が続きます。なお業歴別では「30年以上」37件(構成比50.0%)が最多でした。
また負債規模別では「1億~5億円未満」21件(構成比28.4%)が最多。一方で「負債50億円以上」の倒産も7件あり、負債規模の大型化が目立ちます。2024年(1月~9月)における主な「粉飾」倒産企業としては、環境経済総合研究所、テックコーポレーション、旭機工などがあがっています。
調査方法
調査期間:2024年1月~9月
調査方法:「粉飾」倒産(法的整理のみ、負債1000万円以上)について分析
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000949.000043465.html
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