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ストレスチェック制度

2018年11月1日(木)更新

企業が職場のメンタルヘルス問題に取り組むきっかけとして、労働者の精神の健康状態をチェックしメンタルヘルスケアに役立てる新たな取り組み「ストレスチェック制度」が2015年からスタートしています。今回は、労働者のメンタル不調の予防に役立てるために誕生したストレスチェック制度について解説します。

ストレスチェック制度とは

ストレスチェック制度は、長時間労働や職場環境による労働者のメンタル不調を予防し、かつ、精神的健康を保持増進するために設けられた新たな取り組みです。

【関連】ストレスチェック義務化の対象者・スケジュールを徹底解説 / BizHint HR

制度導入の背景

厚生労働省は、かねてより職場におけるメンタルヘルスケアの実施を推進してきましたが、仕事によるストレスが原因でメンタル不調を訴える労働者は年々増加傾向にあり、2015年には精神障害の労災請求件数は1500件を超えています。同省はメンタル不調を予防することに重点を置き、労働安全衛生法の一部を改正し「ストレスチェック制度」が設けられました。

【参考】精神障害の労災補償件数の推移と主なできごと

労働安全衛生法の一部を改正する法律

2014年6月成立した労働安全衛生法の一部を改正する法律において、第66条にストレスチェックに係る事項が加えられました。

《労働安全衛生法第66条の10 第1項》
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない

【引用】電子申請の総合窓口e-Gov_安全衛生法

同条にはストレスチェックという記載は見当たりませんが、同法の具体的な運用方法を定めた「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」では、「心理的な負担の程度を把握するための検査」をストレスチェックと表現し、その他のパンフレットや導入ガイドの制度啓蒙資料などで同法に基づき創設されたしくみ全体を「ストレスチェック制度」として説明しています。

こうした背景を踏まえ、平成 26 年6月 25 日に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」 (平成 26 年法律第 82 号)においては、心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果に基づく面接指導の実施を事業者に義務付けること等を内容としたストレスチェック制度が新たに創設された。

【引用】心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針 (改正 平成27年11月30日 心理的な負担の程度を把握するための検査等指針公示第2号より一部抜粋

ストレスチェック制度導入のメリット

ストレスチェック制度導入による効用を労働者、事業者双方の視点で以下に整理します。

労働者へのメリット

ストレスチェックは、個人情報が守られた環境で労働者が自身の心の状態を知り、心身のセルフケアに取り組むことができます。セルフケアではメンタル不調の改善が難しい場合は、医師の面接指導を受けることができます。面接指導の結果、必要があればストレスの要因を軽減するよう医師の意見を会社側へ届けることができます。

事業者へのメリット

ストレスチェックは、事業者が労働者のメンタルの状態を把握し、対策を検討することで以下のような3つの効果が期待されます。

  • 深刻な状態になる前に認識することが難しかった労働者のメンタルに係る職場の問題をより早く把握できる可能性がある。
  • 現状把握により職場改善の具体的な検討が容易になる。
  • 検討した職場改善策を実行することにより、労働者のストレスが軽減され労働生産性の向上につながるなど事業運営に役立つ。

事業者に課された義務

ストレスチェック制度導入にあたって事業者に求められる責務について解説します。

ストレスチェックの実施

ストレスチェックは、常用雇用の労働者に対して医師、保健師などにより実施することが求められます

検査結果の取り扱い

ストレスチェックの結果は、検査を実施した医師、保健師などから直接労働者本人に通知され、本人の同意なく事業者に提供されることは禁止されます。

面接指導の実施

ストレスチェック結果により、高ストレスと評価された労働者から申出があった場合は、医師による面接指導を実施することが求められます。また、申出を理由としての不利益な取扱いは禁止されます。

面接指導結果を踏まえた措置

面接指導の結果に基づく医師の意見を聴き、必要に応じて職場改善などの対策をとることが求められます。

【参考】改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について

ストレスチェック制度の概要

ストレスチェック制度の概要を以下に解説します。

ストレスチェック義務化の対象者

実施義務は常時 50 人以上の労働者を使用する事業場に課されています。なお、本社に加え複数の支店、営業所などを抱える業態の場合、この基準はその支店、営業所ごとに判定されることとなります。

また労働者とは《常態として雇用されている者》であり、週一回勤務するパートやアルバイトも含まれます。

50人未満の事業場の場合

50人未満の事業場には実施義務はありませんが、実施する場合は法令、指針などに従う必要があります。

実施時の規程

法令、指針に従ってストレスチェック規程を準備する必要があります。

報告義務

50人未満の事業場については、労働基準監督署への報告義務はありません。

ストレスチェック費用

ストレスチェックや面接指導など制度に係る費用は、事業者が負担します。

ストレスチェック実施時の賃金

ストレスチェックや面接指導などに要する時間は、原則労使で協議のうえ決定することとなりますが、労働者の健康確保は健全な事業運営に欠かせないものであり、事業者が賃金を支払うことが望ましいとされています。

【参考】ストレスチェック制度関係

ストレスチェック制度の流れ

ストレスチェック制度の導入手順から実施、その後の措置までを以下に解説します。

導入前の準備

自社の状況に見合ったストレスチェック制度を導入するに先立って、実施方針を策定し表明する、制度の実施方法などの詳細を衛生委員会において十分に検討することが必要です。

実施方針の策定

法令上は実施方針に盛り込むべき事項などの定めは特にありませんが、制度導入の目的がメンタル不調の未然防止にあること、検査結果などの個人情報の取り扱いなどをわかりやすく職場の労働者に周知できるものであることが望まれます。

衛生委員会の開催

ストレスチェック制度導入にあたり以下のような具体的な実施に関する事項を衛生委員会で協議します。

  • ストレスチェックの目的の周知方法
  • 実施体制
  • 実施方法
    (質問内容、調査票の選定や媒体、高ストレス判定基準、実施時期や頻度、受検者の範囲、面接指導の申出方法など)
  • 検査結果などの利用目的および利用方法
    (結果の通知方法、実施者による面接指導の勧奨方法、結果の事業者提供のための本人同意取得方法、集団ごとの集計分析結果活用方法など)
  • 結果に基づく集団ごとの集計・分析方法
  • 結果の記録の保存方法
  • 労働者に対する不利益な取り扱いの防止 など

実施体制の整備

衛生委員会で話し合われた内容に沿って、事業所の実施体制を整えます。

担当者

事業者は、実施計画の策定や産業医などの実施者と連携しながら、制度の運営を管理するストレスチェック制度の実務担当者を指名します。ストレスチェック結果などの個人情報を取り扱わないため、人事課長などの人事権を持つ者を指名することができます。

実施者

事業者は、医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師、精神保健福祉士の中からストレスチェックを実施する者を選定します。事業場の状況をよく理解していると考えられる産業医が実施者になることが望ましいとされていますが、外部委託することも可能です。

実施事務従事者

実施者の指示に基づき、実施者の事務のサポートとして、質問票の回収やデータ入力、結果の送付など個人情報を取り扱う業務を担当する者を事業者は指名することができます。なお、実施者同様外部委託することもできます。

担当医師

ストレスチェックの結果、高ストレスに該当する労働者から申出があった場合に、労働者との面接指導に臨む医師を選定します。事業場の産業医や産業保健活動に従事している医師が望ましいとされています。

ストレスチェック制度実施規程の整備

衛生委員会で協議し決定したストレスチェック制度の実施体制や方法などを社内規程に定める必要があります。整備した規程は、ストレスチェックの意義とともに労働者へ周知することが必要です。

厚生労働省作成フォーマット

厚生労働省が導入企業の参考となるよう作成した規程例があります。自社の衛生委員会で協議された内容に従って、必要に応じた加除修正を行うことが可能です。人員数など企業規模や職場の実態に見合った規程づくりが望まれます。

【参考】ストレスチェック制度実施規程(例)

ストレスチェックの実施

ストレスチェックは1年に1回実施する必要がありますが、1年以内に複数回実施する、一般的にストレスが高まる繁忙期に実施するなどその頻度については、労使合意により決定することができます。

ストレスチェックの実施は、衛生委員会で協議決定した質問内容を充足する調査票を使用し、質問紙を配布あるいは情報通信機器を用いて労働者本人に記入してもらう必要があります。

質問票の配布

紙で配布してストレスチェックを行う場合は、質問票の配布は事業場の誰が行ってもかまいません。

質問票マニュアル

使用する質問票は、法に基づく次の3つの領域を含むことが必要です。

  • 仕事のストレス要因:職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
  • 心身のストレス反応:心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
  • 周囲のサポート:職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

厚生労働省は、これら3つの領域を網羅するものとして「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を国が推奨する質問票として、同省ホームページで提供しています。

また、情報通信機器を用いて実施する場合には、厚生労働省が無料で公開しているストレスチェック実施プログラムを活用することが可能です。

【参考】職業性ストレス簡易調査票(57項目)

実施者による回収

紙で配布したストレスチェック質問票を回収する際は、記入後の内容が周囲の第三者の目に触れないような方法を用いて、実施者あるいは実施事務従事者による回収が必要です。また、情報通信機器を用いた場合は、実施者あるいは実施事務従事者に限り閲覧権があり、事業者が閲覧あるいはデータの改ざん等ができない状態であることなどが求められます。

高ストレス者の選定

回収した質問票をもとに、実施者が労働者のストレスの状態を評価します。受検者のうち 自覚症状が強い者や、自覚症状があり周囲のサポートやストレスの原因など状況が悪いとみなされる者については、衛生委員会で決定された基準に従って高ストレス者として選びだします。

結果通知・保存

実施者は、ストレスの程度、高ストレスに該当するか否か、医師による面接指導の必要性などの評価結果を実施者から直接または実施事務従事者を通じて労働者本人に通知することが求められます。労働者の評価結果は事業者を通して返却されることはありません。評価結果の開示には、評価結果通知後の本人の個別の同意が必要であり、従業員代表などの包括同意などは認められません。

ストレスチェックの評価結果の保存は実施者または実施事務従事者が行い、保存期間は5年です。第三者の目に触れないよう、実施者には保管方法に対する十分な情報管理が求められます。

面接指導の実施

ストレスチェック結果で医師による面接指導が必要とされた労働者から申出があった場合は、事業者は担当医師による面接指導を行う必要があります。

労働者による申出

医師による面接指導を受けるためには、高ストレスに該当し医師による面接指導が必要と評価された労働者本人からの申出が必要です。この申出はストレスチェック結果の通知から1か月以内に行う必要があります。

面接指導の申出をした労働者が面接指導の対象者であることを確認するために、申出本人のストレスチェック結果を提出させることができます。

面接指導の実施

面接指導は労働者本人から面接指導を受ける旨の申出があってから、1か月以内に実施する必要があります。

医師からの意見聴取・対策検討

事業者は面接指導を実施した担当医師から、就業上の措置の必要性の有無とその措置の内容について意見を聴き、その意見に基づき労働時間の短縮、出張や時間外労働の制限などの具体的な対策を検討することとなります。担当医師からの意見聴取は、遅くとも1か月以内に行う必要があります。

面接指導結果の保存

事業者は担当医師が行った面接指導の以下の事項を盛り込んだ記録を作成し、事業所で5年間保管が必要です。

  • 実施年月日
  • 労働者の氏名
  • 担当医師の氏名
  • 労働者の勤務状況、ストレスの状況、その他の心身の状況
  • 就業上の措置に関する医師の意見

【関連】ストレスチェック後の面接指導について。対象者、実施者、流れなど解説/ BizHint HR

職場分析・職場環境の改善

ストレスチェックの結果から職場ごとのストレスの状況を把握し、職場環境の改善に役立てられることが望まれますが、その実施については当面は事業者の努力義務とされています。

結果分析

ストレスチェックの結果は実施者が集団ごとに集計・分析し、その結果を事業者へ提供します。

集団規模が10人未満の場合

集団規模が10人を下回る場合は個人を特定される懸念があることから、その集団の受検者全員の同意がない限り、実施者は原則ストレスチェックの集団分析結果を事業者に提供しません。

職場環境の改善

集団分析の結果から職場環境の改善が必要と判断される集団がある場合は、事業者は実施者や産業医、臨床心理士などの専門家と連携しながら、改善が必要とされた職場ごとに業務改善や管理職研修の実施など改善のための具体策を検討することが望まれます。

【関連】ストレスチェックの集団分析を行うべき理由とは?分析方法や活用法など解説/Bizhint HR

実施時の注意点

ストレスチェック制度は、労働者のメンタル不調を予防し労働者の精神の健康保持改善に役立てるための制度であり、受検にあたり個人情報が守られること、受検結果に基づき望まない配置転換などの不利益が生じないことなどが確保され、労働者が安心してストレスチェックを受けることできる体制をつくることが必要です。

個人情報の取り扱い

ストレスチェックの実施の事務に従事したものには守秘義務が求められ、ストレスチェックや面接指導時の個人情報の取り扱いは、当然のことながら個人情報保護法に則って適切な方法で行うことが求められます。これに違反した者は刑罰の対象になることを、事業者はもちろん、ストレスチェックの実施に関与するすべての人は肝に銘じなければなりません。

プライバシーの保護

人事権をもった立場の人間は、ストレスチェックの実施者や実施事務担当者を担うことは許されず、また、ストレスチェック結果の事業者への開示に必要な同意の取得方法は個別同意に限られているなど、ストレスチェックにおいては厳重にプライバシーを守る措置が講じられていることが必要です。

不利益取り扱いの禁止

労働者が以下の行為を行ったことによる、事業者の労働者に対する不利益な取り扱いは禁止されています。

  • 医師による面接指導を求める申出を行ったこと
  • ストレスチェックを受けないこと
  • ストレスチェック結果の事業者への提供に同意しないこと
  • 医師による面接指導を求める申出を行わないこと

また、事業者は面接指導の結果を理由として、解雇、雇い止め、退職勧奨、合理性のない不当な配置転換、職位の変更などを行うことは禁止されています。

ストレスチェック制度による罰則

50人以上の事業場に導入義務が課されたストレスチェック制度は、法令、指針などで制度導入体制の整備や具体的な検査方法など充足しなければならない事項が多数定められています。

なお、これらの定めに万が一違反した場合、企業に課される罰則規定などは安全衛生法およびその関連法令に定められていません。しかし、労働者の生命、身体および心身の安全に対する配慮を疎かにした企業の負うべき責任は、社会的にますます重くなると認識すべきです。

安全配慮義務

労働者は雇用契約に基づき、使用者からの指示命令に従って働く場所、時間、機器などの環境を決められます。だからこそ使用者である企業は、労働者の生命、身体はもちろん心身の健康を保ちながら働けるよう職場環境に十分な配慮が必要です。

安全配慮義務違反に関する直接的な罰則規定は存在しませんが、安全配慮義務違反に関する判例が積み上げられた結果、企業が安全配慮を怠り労働者に損害が発生した場合はその損害を賠償しなければならないとされています。なお、雇用は契約の一つであるとして平成21年に施行した雇用に関する原則を定めた労働契約法の第5条に安全配慮義務が明文化されています。

【参考】安全衛生キーワード_安全配慮義務

《労働契約法第5条》(労働者の安全への配慮)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

【引用】電子申請の総合窓口e-Gov_安全衛生法

「必要な配慮」について言えば、かなり抽象的な表現となり具体的に企業が取るべき対応や措置については触れられていません。企業に特定の対応や措置を明示しないことで、労働者の職種、労務内容、労務提供場所などの実情に応じて、必要な配慮とは何かについて検討を絶やさず、具体的な施策に落とし実行に移すことが企業に求められていると言えます。労働契約法には罰則規定はありませんが、労働者への安全配慮義務を怠ったとみなされ、それにより労働者に発生した損害の賠償責任は当然に企業にあるものと判断することができます。

従って、ストレスチェック制度に関して法令、指針などで求められる事項を軽んじ、実施や取るべき措置を怠った結果、労働者に不利益が生じ実際に損害が生じた場合は、安全配慮義務違反があったものとみなされ、企業の損害賠償責任は免れないものと判断することができます。

実施状況報告義務

ストレスチェック制度においては、50人以上の労働者を使用する事業者には導入義務に加え、労働基準監督署への実施状況を報告することが義務付けられています。この報告は安全衛生法第100条に基づき報告するものとされ、この報告を怠った場合は、同法第120条第5項の規定に基づき罰則の対象となります。

【関連】ストレスチェック後に提出が必要な「報告書」の書き方・提出期限など、まとめて解説/BizHint HR

ストレスチェック制度にまつわる支援体制

ストレスチェック制度を導入するにあたり、国は事業者に制度の理解を促し、適正に制度を導入し運営することを実現するために、様々な支援体制を設けています。

厚生労働省による導入マニュアル

厚生労働省は、事業者がストレスチェック制度を導入するにあたり、法令や指針をわかりやすくまとめたマニュアルやガイド、Q&Aなどをホームページで公開しています。

ストレスチェック制度簡単導入マニュアル

法令上の制度の目的、言葉の定義や実施すべき事項を7Pにコンパクトにわかりやすい言葉でまとめ、制度理解の糸口となるマニュアルです。

【参考】ストレスチェック制度簡単導入マニュアル

ストレスチェック制度導入ガイド

ストレスチェック制度を実際に導入するにあたり、制度の意義、必要な事項、留意すべき事項など図表を用いわかりやすい記載で解説し、制度導入時の道しるべとして活用することができます。

【参考】ストレスチェック制度導入ガイド

労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル

改正安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する安全衛生規則の規定や指針、指針の解説、運用の参考事例などが記載されています。

企業の産業保健スタッフやストレスチェックに関する業務の委託を受ける事業者などが適正に制度を導入し運用していくための進め方と留意点が示され、専門家、実務担当者などが制度導入、運営のための手引きとして利用することができます。

【参考】労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル

「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」の改訂ポイント

上記「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」の制定以降、ストレスチェック指針の改正や関係通達の改正・新規発出されたことを受け、同マニュアルの改訂が行われました。その具体的な変更点を解説しています。

【参考】「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」の改訂ポイント

ストレスチェック制度Q&A

ストレスチェック制度に関する事業者、産業医など制度に関与する関係者からの制度や実務上の様々な質問に対する厚生労働省の回答が掲載されています。

【参考】ストレスチェック制度Q&A

働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」

事業者や産業医などの産業保健スタッフのみならず労働者本人やその家族などに対して「メンタルヘルス対策の基礎知識」、「悩みを乗り越えた方の体験談」などメンタルヘルスに関する総合的な情報提供などを行うサイトです。

【参考】働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

健康障害に対する相談窓口

メンタル不調に悩む労働者本人のこころの悩み、人間関係の悩み、仕事の悩みなどに関して直接相談できる窓口が開設されています。

【参考】ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等

こころの耳電話相談

労働者本人やその家族、企業の人事労務担当者からのメンタルヘルス不調やストレスチェック制度、過重労働による健康障害の防止対策などに係る困りごと、悩みなどの相談を直接電話で受ける窓口です。

【参考】働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト_働く人の「こころの耳電話相談」

こころの耳メール相談

「こころの耳」を利用している労働者本人などの心身の不調や不安・悩みなどメンタルヘルスに関するメール相談窓口です。

【参考】働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト_働く人の「こころの耳メール相談」

産業保健支援センター

独立行政法人労働者健康安全機構が47都道府県に設置している産業医、産業看護職、衛生管理者などの産業保健関係者の活動を支援する施設であり、事業主などに対して健康管理への意識向上のための啓蒙活動を行っています。

【参考】産業保健総合支援センター

産業保健関係助成金

独立行政法人労働者健康安全機構が、事業者、産業医などの産業保健関係者が自主的に労働者の健康管理や健康教育その他の健康に関する業務を行うことを支援する助成事業です。

職場環境改善計画助成金(Aコース)

産業医などの専門家の指導を受けて、ストレスチェック後の結果の集団分析を行い分析結果に基づく職場改善計画を作成し、職場改善策を実施した事業者を助成する制度です。

【助成対象・金額】

助成対象は次の費用が対象となります。

  1. 職場改善に係るコンサルタント費用
  2. 職場改善に係る機器・設備購入費用

助成金額は上限10万円ですが、うち機器・設備購入費用については上限5万円かつ単価5万円以内とされ、将来にわたって1回に限り支給されます。

【支給要件】

次の6つの要件をすべて満たしていることが必要です。

  1. 労働保険の適用事業場である。
  2. ストレスチェック結果の集団分析を実施している。
  3. 平成29年度以降、新たに産業医などの専門家と職場環境改善計画の作成に係る指導助言を受ける契約を締結している。
  4. ストレスチェック実施後の集団分析結果だけではなく、職場の管理者や労働者などの情報も考慮した職場環境の評価を行い、改善すべき事項について産業医などの専門家から指導を受けている。
  5. 産業医などの専門家の指導に基づき職場環境改善計画を作成し、職場環境の改善を実施している。
  6. 産業医などの専門家から、職場環境改善計画に基づき職場環境の改善が実施されている確認を受けている。

【参考】職場環境改善計画助成金(Aコース

職場環境改善計画助成金(Bコース)

メンタルヘルス対策促進員の助言指導に従って、ストレスチェック後の結果の集団分析を行い分析結果に基づく職場改善計画を作成し、職場改善策を実施した場合に負担した機器・設備購入費用について事業者を助成する制度です。

【助成対象・金額】

助成対象となる費用は、職場改善のために購入した機器・設備購入費用です。助成金額は上限5万円かつ単価5万円以内となり、将来にわたって1回に限り支給されます。

【支給要件】

次の5つの要件をすべて満たしていることが必要です。

  1. 労働保険の適用事業場である。
  2. ストレスチェック結果の集団分析を実施している。
  3. 平成29年度以降、新たに事業場を訪問したメンタルヘルス対策促進員からストレスチェック実施後の集団分析結果の見方や職場改善の方法などの助言や指導を受けている。
  4. 職場環境改善計画を作成し、職場環境の改善を実施している。
  5. メンタルヘルス対策促進員から職場環境改善計画に基づき職場環境の改善として機器・設備の購入を行った確認を受けている

【参考】職場環境改善計画助成金(Bコース)

心の健康づくり計画助成金

メンタルヘルス対策促進員の助言指導に従って、心の健康づくり計画を作成し、メンタルヘルス対策を実施した事業者を助成する制度です。

【助成対象・金額】

助成対象は、心の健康づくり計画の作成とされ、一律10万円を将来にわたって1回に限り支給されます。

【支給要件】

次の6つの要件をすべて満たしていることが必要です。

  1. 労働保険の適用事業場である。
  2. 登記上の本店又は本社機能を有する事業場の事業者である。
  3. メンタルヘルス対策促進員から助言・指導を受けて、平成29年度以降、新たに「心の健康づくり計画」を作成している。
  4. 作成した「心の健康づくり計画」を労働者に周知している。
  5. 「心の健康づくり計画」に基づきメンタルヘルス対策を実施している。
  6. メンタルヘルス対策促進員から、「心の健康づくり計画」に基づきメンタルヘルス対策を実施していることの確認を受けている。

【参考】心の健康づくり計画助成金

ストレスチェック実施促進のための助成金

50人未満の事業場にストレスチェック制度を適正に導入した事業主に、制度導入に関する費用の助成を行う制度です。

【助成対象・金額】

ストレスチェック後の面接指導を実施する産業医との契約に係る費用が対象となります。 助成金額は次の通りです

  1. ストレスチェック(年1回)を行った場合、従業員一人につき500円を上限としてその実費額が支給されます。
  2. ストレスチェック後の面接指導などの産業医による活動があった場合、一事業場あたり1回の活動につき21,500円を上限にかつ年3回を限度に、その実費額が支給されます。

【支給要件】

次の5つの要件をすべて満たしていることが必要です。

  1. 労働保険の適用事業場である。
  2. 常時雇用する従業員が派遣労働者を含めて50人未満である。
  3. ストレスチェックの実施者が決まっている。
  4. ストレスチェックに係る医師による活動の全部または一部を行わせる産業医などと契約している。
  5. ストレスチェックの実施及び面接指導を行う者は、自社の使用者・労働者以外の者である。

【参考】「ストレスチェック」実施促進のための助成金

【関連】平成29年度のストレスチェック助成金は?要件や申請方法などもご紹介/ BizHint HR

まとめ

  • ストレスチェックが有効に機能しメンタルヘルス対策が企業内で充実することで、労働者が安心して仕事に向かうことができれば、安定した労働力の確保に繋がり生産性向上が期待されることとなります。
  • ストレスチェック制度は、企業にとっても労働者にとっても双方にメリットが認められる制度です。
  • しかし、ストレスチェックを適正に運用しメンタルヘルスの充実に資するするためには、判断の難しい人の心の問題に踏み込んでいくこととなり、適正な運営を行うにあたり企業には大きな負担と不断の努力が求められます。
  • ストレスチェックを有効に機能させるために、メンタルヘルスに関する知見を広げ、より良い制度運営を目指すことが求められています。

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