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人材育成

2017年6月30日(金)更新

実践者が語る出向による人材育成の真実。イベントレポート第2回は、パネルディスカッションの模様をお届けします。(第一回はこちら


<モデレーター>

・株式会社ローンディール代表取締役社長・原田未来氏

<パネラー>

・パナソニック株式会社 コーポレート戦略本社 人材戦略部・濱松誠氏

(化粧品事業、旅行事業、コンサルティング事業などを多角的に展開するパス株式会社出向中)

・株式会社スマイルズ経営企画本部本部長兼人事総務部長兼ベンチャー推進室室長・田原研児氏


スマイルズの田原さんは、2009年から同社が行っている「交換留職」の制度を運営し、多くの若手社員を送り出す立場、パナソニックの濱松さんは逆に、同社初めての試みとしてベンチャー企業のパスに出向している立場です。

異なる立場で「レンタル移籍」を実践している両者の話から、「出向による人材育成」の成功の条件を探ります。

出向先での経験は全てが糧。ただし本人に意思があることが大前提

原田  僕には、出向することが成長につながるという根拠のない確信があるんですけど、濱松さんは実際に経験してみて、よかったこと、辛かったことなどいろいろとお感じのはず。特に、7か月やってみて一番辛かったのはどんなことですか?

濱松  辛かったことは2つありますね。一つは、人事から営業への職種の変化、電機メーカーからメディアへの業界の変化、社員25万人・売り上げ8兆円の会社から10人・10億円の会社への規模の変化、さらに大阪から東京への勤務地の変化の4つが同時に起きたことです。

キャッチアップするのには3か月から4か月掛かったと思います。これだけの変化が一気に起こることは人生の中でもまれなのである意味おもしろくもありましたが(笑)。

もう一つは、自分が出向先で携わっていたコミュニティサービス事業(DRESS)が9月末に他社に譲渡されたことです。ベンチャー企業ではこんなにも急激に環境が変わるものかと、驚きました。

原田  3か月くらいは葛藤していて、そこからだんだん自分のパフォーマンスが出せるようになり、「これから行くぞ」という段階で事業がなくなってしまったんですね。

濱松  ええ。自分の持つ全ての人脈を使って仕事ができるようになってきたのは、正直に言ってここ1、2か月。そう思うと、自分はここへ来て一体何ができたんだろうか、と。

あとは、事業譲渡を目の前で見たことも良くも悪くも貴重な経験ですね。パナソニックでは1事業が1000~2000億円規模なこともあり、そうそう他社に譲渡されるということはない。しかも、所属している人数が少ないからダイレクトに響くんですよね。

この経験はパナソニックにいたままではできなかった経験だと思います。ただ、それをネガティブにとらえるのではなく、反省すべきところは反省して、絶対に次に活かそうと思いましたね。

原田  まさにベンチャーならではの経験ですね。田原さんは送り出す立場からみて、うまくいったケース、失敗したケースというのがありますか?

田原  何をうまくいったとするかの定義にもよりますが、失敗はあまり思いつかないですね。

会社がどういうミッションをもたせて、どんなパフォーマンスを期待するかによると思うんですが、うちの場合で言えば、基本的には長期の人材育成のためにやっているので、自社にいたままでは得られなかった経験をして、身につけてくることが目的になります。

基本的には、今までやったことのない仕事を他の会社ですることができたら、それは全て経験になると思っているので、その観点で見れば、全てうまくいっていると言えます。

例えば今、経産省に行っている女性社員がいるんですが、彼女はもともと僕の部下で、人事部で採用担当をしていました。それが1年前に経産省へ行って、今何をやっているかというと、それまでとはまったく違うさまざまな企画に携わっています。

仕事の仕方も、それまでの採用の仕事が上司から言われたことをしっかり遂行するという性質のものだったとすると、行った先では何か仕事を与えられるわけでもなく、その中で自分から周りを巻き込みながら、自主的にさまざまな提案・企画を行っている。

おそらく周りから支えられて、さまざまな経験を経て今があるのだと思います。そう考えると、僕らが想像している以上に彼女は成長しているのでしょう。

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