連載:第16回 Hop Step DX~デジタルトランスフォーメーションでつかむ次の成長
社員に「自分たちはお払い箱」と言わせてしまった。社長の後悔と対話が共に成長する組織の礎に。
リーダーが高々と業務改革を掲げるものの、現場の社員との間にすれ違いが生じるのは、多くの組織で耳にする話です。大事なことは、そこでどう行動するか?山形・寒河江市の株式会社マイスターは今でこそ「TOHOKU DX大賞」を受賞するなど業務改革が進んでいますが、二代目社長の髙井糧さんが改革を掲げた際にあったのは、社内や職人からの冷ややかな視線…。そこからどう組織と向き合い、社員と一緒に成長する会社を作り上げたのか?経緯を伺いました。
株式会社マイスター
代表取締役社長 髙井 糧 さん
1980年生まれ。都内の団体と岐阜県の超精密研削盤メーカーでの勤務を経験し、職業能力開発総合大学校を修了。2009年に入社し、品質保証部長、常務を経て2019年9月から社長。株式会社マイスターは父・作(つくる)氏が山形県で1976年に創業。少量多品種の生産にあたり「IoT工具管理システム」を自社開発し、2021年TOHOKU DX大賞・業務プロセス部門優秀賞を受賞。
「仕事がなくなる」「お払い箱」。社員への伝え方の失敗
――独自のデジタル化・業務改革を進められています。社内の反応はいかがでしたか?
髙井 糧さん(以下、髙井): 正直、最初は冷ややかでした。「このやり方で会社は大きくなってきたのに、なぜ変える必要があるんだ?」。ほとんどの社員はそう感じていたと思います。ベテラン社員からは「自分たちの経験が不要になるのでは」という拒否反応もありました。
振り返れば2019年、私は社長就任時に中期経営計画を発表しました。その中で5つのキーワードを挙げたのですが、その伝え方で大きく後悔し、また学びとなる出来事がありました。
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バックナンバー (16)
Hop Step DX~デジタルトランスフォーメーションでつかむ次の成長
- 第16回 社員に「自分たちはお払い箱」と言わせてしまった。社長の後悔と対話が共に成長する組織の礎に。
- 第15回 組織を変えた「見える化」。会社存続の道を極めたらDXしていた地方メーカーの話
- 第14回 誰一人置き去りにしない経営。会社の危機・変革時にこそ貫き通す社員への思いやり
- 第13回 超優秀な自社システムの公開で、業界まるっとデジタル化。半信半疑だった課長は、社外を見て何を確信したか
- 第12回 トヨタが認める中小企業。社員の幸せを守るための経営判断は、生き残りをかけたDXだった