連載:第12回 総合
2022年度上半期の企業倒産、3年ぶりに増加。負債総額も5年ぶりに1兆円を突破
いまだ終結しないコロナ禍とロシア・ウクライナ戦争、それにともなう円安が、急激に日本の経済を悪化させています。リーマン・ショック時代ほどではありませんが企業の倒産も増加しており、長引くコロナ禍での“息切れ”というケースが目立つようになりました。特に、建設・運輸・サービスの3業界は、動向が注目されています。
2022年度上半期(4~9月)倒産動向
倒産の原因では「不況型倒産」が2,382件に
年度半期別倒産件数推移
帝国データバンクでは、2022年度上半期(4~9月)の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計した結果を発表しています。それによると、2022年度上半期の倒産件数は3,123件(前年同期2,938件)で、2019年度上半期以来3年ぶりの増加でした。
年度半期別負債総額推移
倒産企業の負債総額は1兆7,657億9,500万円(前年同期5,784億7,000万円)で、これも2017年度上半期以来5年ぶりに1兆円を突破しました。
業種別件数
業種別に見ると、小売業除く6業種で倒産が増加。特に建設業は、前年同期512件から622件と大きく増加し、14年ぶりの2ケタパーセント増を記録しました。
倒産主因別
倒産の原因別では、「不況型倒産」が2,382件(前年同期2,248件、6.0%増)と、年度上半期として3年ぶりの前年同期比増加。構成比は76.3%(対前年同期0.2ポイント減)を占めていました。そのなかでも「販売不振」は2,339件(前年同期2,216件、5.6%増)で、構成比74.9%(対前年同期0.5ポイント減)を占めています。
今後についでですが、コロナ禍で中小企業を支えた「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」も新規受付が終了し、長期化するコロナ禍がさらに大きな負担を生んでおり、“息切れ倒産”が続出しかねないのが現状です。岸田首相ら現日本政府の対策が期待されます。
プレスリリース
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