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連載:第4回 経営・HRイベントレポート 2017

HRデータ活用 ヒトが介在する意味とは?(後編)

BizHint 編集部 2017年3月26日(日)掲載
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昨今急速に広まっているHRテクノロジー。どのようにデータを活用すべきか、議論が盛んになる一方で、「どのように個人情報を保護していくのか」という観点も忘れてはなりません。後編では、有識者4名によるパネルディスカッションの模様をお届けします。

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前編では知っておくべきHRテクノロジーに関する法律について、板倉先生と山本先生に語っていただきました。

後編ではリクルートワークス研究所の清瀬氏とビズリーチ執行役員の関氏を交えたトークセッションの様子をご紹介します。

HRテクノロジーを活用する上で事業者が可能なことやNGな行為。個人情報保護法も変わりゆくなかで、人事はどう個人情報を扱っていけばよいのか。そして、やるべきことをどのようにキャッチアップし、活かせばよいのか。正しくデータを活用する上での心構え、人が介在する価値、テクノロジーとの付き合い方などに迫ります。

※2017年3月2日(木)にLeBAC主催で開催された【第2回HRテクノロジーシンポジウム】の様子を収録したイベントレポートです。


<登壇者>

板倉陽一 氏(ひかり総合法律事務所 弁護士)

山本龍彦 氏(慶應義塾大学 法学部 教授)

清瀬 一善 氏(リクルートワークス研究所 主任研究員)

関 哲 氏(株式会社ビズリーチ 執行役員)

<司会>

金澤 元紀氏(LeBAC上席研究員 株式会社ビズリーチ ビズリーチHR研究所)


HRテクノロジー活用で企業が取り組むべきこと

やみくもにデータ取得すると公序良俗に反する

金澤 :まず、HRテックを活用する上で、「何ができて何ができないのか」また、「うまく活用するために企業側が取り組むべきことは何か」という観点で、みなさまにお話を伺いたいと思います。

山本 :具体例を挙げると、 個人の位置情報を取り、「どこで何をしているのかを把握する」ときには注意が必要 です。プライバシーに関わる部分ですから、企業がなぜ情報を取得するかを説明できないと問題だと思います。

仮に トラック運転手の場合ならば、位置情報をとる「理由」があります 。位置情報を継続的・網羅的に取得し、監視したとしても、プライバシーの侵害ではなく、企業利益のためになります。

ただ、利益がはっきり示されておらず、「のちのち効率的に使えるかもしれないから」という理由で、 とりあえず個人情報を継続的・網羅的に取得する場合は、やはり正当化されない と思います。

「他社もやっているから」という理由ではなく、企業にとって個人情報の取得がどんな意味を持つのかをしっかり考えるべきです。「公序良俗に反して違法だ」と言われることもあり得るのではないかと思います。

構造化されたデータは個人特定できるので危険

清瀬 :データ活用と言われると何か新しいことのように思われますが、実は昔から行われています。

1990年代から成果主義が日本に入り始めてから勤怠データや評価情報を基に、完璧でないにせよ実質的には自動判断で昇降格を決めてきた節もあります。

そのため、人事を20年近くやってきた身からすると、 「人力だからOK。自動化だからNG」という線引きは難しい と思っています。

例えば、最近徐々に出始めている採用の判定を自動化するサービスの活用においても線引きの難しさが表れています。

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