連載:第22回 教育・官公庁
政府も本腰の「自治体DX」、一方でいまだに8割が着手すらしていないことが判明
経済産業省が2019年に「DX推進指標」を策定したことに続き、総務省が2020年に「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を公表するなど、“自治体DX”に政府も本腰を入れています。一方で一般企業でさえDXが難航するケースも多く、さまざまなしがらみが存在する自治体は、さらに困難が予想されます。実体や現状はどのようなものでしょうか?
“DXの成熟度”自治体と民間企業の現在値平均のヒストグラム
先行自治体とその他では、「トップのコミットメント」に大きな差
デジタルトランスフォーメーション研究所は、全国の自治体を対象に「自治体DXアンケート調査」を実施しています(対象:すべての地方公共団体1788団体、うち280団体が回答)。まず自治体と民間企業について、“DXの成熟度”を比較すると、自治体はレベル1未満(未着手)が79.6%にまで達していました。レベル1(散発的実施)が18.9%、レベル2以上は一桁台に留まるなど、企業に比べ遅れが目立ちます。全体平均では、民間企業の1.60に対し、自治体は0.63と半分以下の数値でした。
左図:自治体における現在値の散布図、右図;自治体における目標値の散布図
DX推進の現在値と目標値(3年後)を見ると、現在値はばらつきが少ないのに対し、目標値はばらつきが目立ちます。3年後の目標値を自治体も決めかねていることがうかがえます。
先行自治体/その他自治体の回答平均の比較
また複数の設問への回答について、先行自治体(平均1.5以上の自治体)とその他自治体(平均1.5ミマンの自治体)で比較すると、「トップのコミットメント」「持続力」「事業への落とし込み」「ビジョンの共有」「推進体制」について差が目立ちました。特に「トップのコミットメント」は、先行自治体の2.40に対し、その他自治体だと0.31まで低迷しています。
その他では、都道府県が総じて成熟度が高いこと、「人材」に対して積極的な目標を設定しているのに対し、基礎自治体では「ビジョン」「DXの必要性の共有」などに積極的な目標を設定していることも判明しました。自治体DXについては、こうした傾向を踏まえて考える必要があるでしょう。
調査方法
調査期間:2021年7月13日から順次架電。翌日より調査票を随時送信。回答期限は同年9月10日
調査対象:すべての地方公共団体、1788団体(47都道府県、792市、743町、183村、23特別区)
有効回収数:280件(7都道府県、273市区町村)
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000071520.html
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