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連載:第5回 経営・SaaSイベントレポート2020

資金ショートで倒産寸前の小売企業を再生。カリスマ店員に投資すると、なぜ売上げに繋がるのか?

BizHint 編集部 2020年5月21日(木)掲載
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不確実な社会環境のもとで、価値ある事業を創造し、強い組織を作るにはどうしたらいいのでしょうか。株式会社オンデーズ 代表取締役社長・田中修治さんが、倒産寸前のメガネの小売チェーンを立て直した経験を振り返りながら、経営者としての向き合い方やコストへの考え方について語りました。聞き手を務めるのは、株式会社54 代表取締役社長・山口豪志さん、一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 代表理事・森戸裕一さんです。

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自殺しようかと悩むほどの苦難に立ち向かう勇気は、ムカつく人たちからもらった

森戸裕一さん(以下、JDX森戸) :田中さんが2020年4月に出版された著書『大きな嘘の木の下で 〜僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。〜』では、世の中で言われている経営や成功の常識に、真っ向から切り込んでいますよね。事業や組織を変革していく立場として、常識やルールを疑うところから真実が見つかると。

山口豪志さん(以下、54山口) :「会社と自分との関係性においてたくさん失敗をすることで、自分の考えがどんどん整理されていった」と本に記されていましたね。まず、田中さんの失敗談をお聞きしたいです。

田中修治さん(以下、OWNDAYS田中) :2008年に、OWNDAYSが14億円の負債を抱え経営破綻していると知り「僕が事業を立て直すから任せろ!」と大見得を切って経営を引き受けました。当時の僕は飲食店やウェブ制作会社を経営したことはあったものの、そんな赤字を抱えた経験はありませんでした。

個人で52%の第三者割当増資を引き受け、OWNDAYSの筆頭株主となり、 経営に関わって5年目の年末のこと、3億円近い現金を用意しないと資金ショートする危機 が起こりました。

取引先に「仕入れたお金が払えません」と言ったら、苦情が殺到するのではないか。従業員に「給料を振り込めません」と言ったら、矢継ぎ早に非難されるのではないか。そんな想像をしたらとにかく怖くて、自殺しようかと思うほど悩み苦しみました。

そしてもう会社を辞めてしまおうと思った時、ムカつく人たちの顔がふと頭に浮かびました。お金を融資してくれなかった銀行の担当者、僕が会社を引き継いだ時に散々なことを吐き捨てて辞めていった元社員たち、商品を卸してくれなかったメーカーの人たち。

もし経営を投げ出せば、ムカつく人たちが「あの時あいつと付き合わなくてよかった」と喜んでしまう。それだけはどうしても避けたくて、腹を括りました。取引先のメーカーをまわり、現状をありのまま伝え頭を下げると、費用の支払いを待ってくれることに。おかげで社員に給料を渡すことができ、無事資金ショートも免れました。

今振り返れば、 自分の起こしたカッコ悪いことや情けないことを、ちゃんと受け止めて立ち向かう勇気は、ムカつく人たちから分け与えてもらった んですよね。

写真左上:経営者のコンサルティングに携わる山口豪志さん(株式会社54 代表取締役社長)。右上:クラウド型次世代経営を支援する企業の代表と大学の教員を務める森戸裕一さん(一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 代表理事)。中央:田中修治さん(株式会社オンデーズ 代表取締役社長)

倒産企業から失敗の本質を学び、従業員やお客様がさらに喜んでくれる選択を

54山口 :田中さんの本では、全体を通して行動と体験に裏打ちされていて、痛みを伴う経験をしっかり次に生かしている印象を強く受けました。その学び力はどこから来ているのでしょうか?

OWNDAYS田中 :学校にしっかり通っておらず、あまり学がなかったので、まずは本を真面目に読んで勉強してみました。ドラッガーやマイケル・ポーターの経営理論、さらに松下幸之助や稲盛和夫の精神論など、一通りの本に触れましたが、どれもすぐには役に立ちませんでした。ただそういった成功本を読み、仕事をしていく中で得た気づきもあります。

結局、 社長がやるべきなのは、優秀な人や人間性の高い人を採用して、200%の力を出してもらえる環境を作る こと。そして、 社員全員で店舗やお客様を見ながら、もっと喜ばれる商品・サービスを考えて行動に移す こと。答えはそれしかないと思っています。僕がOWNDAYSの社長に就任後、12年連続で増収増益を達成しているのは、毎日みんなで当たり前のことを当たり前に頑張ったから。

今は外部のコンサルタントも交えて、僕たちが感覚的に気づいて生み出したヒットを磨いたり、良いサービスを提供する効率を上げたりと助けてもらっています。このように、本で目にした学問的な知識がようやく活かせるようになったのも、売上げが100億、200億の段階に至ってからです。

ベンチャーや中小企業にとっては、成功本の知識よりも、帝国データバンクなどが提供する倒産情報がすごく役立つはずです。他社の倒産事例を眺めていると、失敗の共通点が分かってきます。日頃、従業員や取引先を顧みない行動をしていたら、いざという時に誰も助けてくれないですよね。

【他社の倒産事例から見える失敗の共通点】

  1. 在庫を積みすぎて在庫倒れする
  2. 会社に親族を入れて、節税対策の名のもと役員報酬をたくさん取っている
  3. 一時的に利益を圧縮したために、銀行の支援を受けられない

カリスマ販売員を増やす「ヒト消費」で差別化し、自社の売上げを伸ばす

54山口 :本の中で田中さんは「これからは『魅力ある人の価値』にフォーカスされ消費が動く『ヒト消費』の時代が本格的に始まる」と提唱されていました。社員のオリジナリティを前面に押し出す販売手法は、業態的にも時代的にも新しいと思います。どうやって、ヒト消費の重要性に気づかれたのですか?

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