連載:第36回 総合 2020年1月~3月
中小事業者の8割強が東京オリンピック・パラリンピック開催による経済効果に“期待せず“
開催までいよいよ半年を切った東京オリンピック・パラリンピック。世界中から多くの外国人観光客が訪れることが予想される中、中小事業者はその対応や経済効果についてどのように捉えているのでしょうか。株式会社デザインワン・ジャパン(代表取締役社長:高畠靖雄、東証一部 6048)が運営する中小事業者の調査・研究開発部門「エキテン総研」はこのほど、全国の店舗関係者に対して「東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて準備していること」についての調査を実施しました。
東京オリンピック・パラリンピック開催による経済効果に期待を寄せる中小事業者はわずか2割弱
店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載中の全国の店舗経営者および集客・販促担当者1,887名にアンケートを行ったところ、東京オリンピック・パラリンピック開催による売上・客数増に8割以上が期待していないという結果となりました。
期待していない理由としては、「開催場所が近くにない」、「訪日外国人や国内旅行客が利用する業態ではない」などが上位に挙げられました。フリーコメント内でも、多くの店舗が「自店舗とは関係がない」「地方なので縁が薄い」と無関心を示しました。
また、「渋滞や交通規制」「テレビ観戦する人が増える」ことへの懸念から客数・売上減になるのではないかと回答した店舗も一定数いました。
一方、期待していると回答した店舗は、「景気が上向くから」「訪日外国人が増えるから」を理由として挙げています。また、期待していると回答した店舗のうち、東京オリンピック・パラリンピックに向けて集客・販促の取り組みを実施している・これから実施すると回答した店舗は約6割で、取り組みの実施により、すでに約4割の店舗が「売上または客数が増加した」と回答しています。
56年ぶりに東京を中心に開催される世界的スポーツの祭典。商機と捉えている中小事業者は2割程度にとどまり、すでに集客対策を実施している店舗と無関心を示す店舗との盛り上がりの差が見て取れる結果になりました。
フリーコメントの一部抜粋
・逆にお客様が会場に出向いてしまいお客様が減ってしまうかもしれない。ラグビーワールドカップのときがそうだった(千葉県/飲食店)
・オリンピック開催期間はTV視聴のためむしろ来店減少している実績データがある(岐阜県/整体院)
・道路規制による売り上げ減が予想されるから(神奈川県/花屋)
・東京圏と札幌以外ではほぼ関係ないでしょう(大阪府/リサイクル店)
・都内混雑により顧客の足が遠のくことに不安がある(東京都/鍼灸院)
開催会場地域の期待値は、8ポイントその他の地域を上回る
開催会場を有する都道府県(北海道、宮城県、福島県、茨城県、埼玉県、神奈川県、千葉県、東京都、静岡県)においては約23%が期待していると回答、開催会場を有さない都道府県では約15%が期待していると回答し、若干の差はあるものの、開催会場を有する地域でも7割以上の店舗が客数・売上増に期待していないと回答していることが分かりました。
集客・販促の取り組みは「キャッシュレス決済の導入」が首位
東京オリンピック・パラリンピック開催による客数・売上増に期待している店舗のうち、約6割の店舗が「集客・販促に取り組んでいる」もしくは「これから取り組む予定」と回答。4割の店舗は自然発生的な需要増を見込んでいる結果となりました。
また、すでに実施した取り組み、これから実施しようとしている取り組みを聞いたところ、共に1位は「キャッシュレス決済の導入」という回答が得られました。
【調査概要】
調査名:東京オリンピック・パラリンピック開催にむけて準備していることについての調査
対象者:店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載中の全国の店舗経営者および集客・販促担当者
回答数:1,887
調査時期:2019年12月10日~2019年12月15日
調査方法:インターネット調査
調査機関:エキテン総研(株式会社デザインワン・ジャパン)
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000013451.html
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