連載:第14回 医療・医薬・健康
現場医師はワクチン接種に高い使命感、9割以上が勤務希望。懸念は「副反応への対応」
1月19日に、河野太郎行政改革相が新たに「ワクチン接種担当大臣」に任命されるなど、国内のワクチン接種開始に向けた動きが、日本でも加速し始めました。アメリカの製薬大手ファイザーと、約7,200万人分の供給契約を締結したとの報道もあります。しかしその供給時期、接種開始時期や方法は、まだまだ未定の段階です。現場の医師は、どう受け止めているのでしょうか?
9割以上の医師が「ワクチン接種の勤務があれば希望する」
医療系人材総合サービスを提供するエムステージは、医師483人を対象に「新型コロナワクチン接種」をはじめ、医療現場に関するアンケート調査を実施しています。
まず、「今後、開始予定の新型コロナワクチン接種について、対応勤務があれば希望するか」と聞くと、「(単発勤務の)スポットで希望する」58%、「スポット・定期いずれでも希望する」34%、「定期で希望する」1%と、9割超の医師が勤務を希望しました。
「勤務を希望する理由」については、1位「場所、日時などの条件が合えば(協力したい)」105人が特に多く、以下2位「空いている時間があるため」51人、3位「協力したい、役に立ちたい」45人が上位となりました。「空いている時間があるため」という回答も、“ヒマだから”という消極姿勢ではなく、“ぜひ空いている時間を使ってください”という好意的なものと考えられます。
具体的な意見でも、「常勤先を休むわけにはいかないので土日や休日に勤務があれば希望する」「自分の他の業務との都合がつく範囲内でお手伝いしたい」「常勤の職場がすでにあり、研究日であれば勤務可能」などがあり、現在の業務と並行して協力したいという、高い使命感が伺えました。
一方でワクチン接種における「実務上で予想される懸念」は多くの医師が抱えており、「接種時の副反応への対応」352名を筆頭に「接種者からの専門的質問対応(により、接種時間がかかる)」321人、「接種場所の密状態、感染リスク」246人といった声があがっています。
新型コロナの影響により年収減となった医師が4割以上
この調査では、ワクチン接種以外のトピックとして、「緊急事態宣言再発令」と「年収」についても質問しています。
それによると現場の医師たちは「緊急事態宣言の再発令」に対して、「賛成」74%、「反対」13%、「分からない」13%という反応でした。ただし賛成意見においても「内容、範囲、規模などについてはおおいに疑問がある」「内容としても前回より緩い」といった指摘があがっています。
そして年収については「年収が減った」46%、「(コロナを理由にした)増減なし」38%、「影響なし」12%、「年収が増えた」4%となっており、新型コロナの影響によりむしろ年収が下がっているという状況が浮き彫りとなりました。
国からは、飲食・観光領域において「GoToキャンペーン」など人目を引く支援が行われましたが、最前線である医療現場は過酷な状況が続いています。利権優先のばらまきのような支援策ではなく、医療現場をしっかりと支える施策対応が待たれます。
調査方法
調査期間:2021年1月8日~2020年1月12日
調査方法:Webを利用したアンケート調査
調査対象:医師
回答人数:483人
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000019504.html
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