連載:第68回 総合 2020年1月~3月
新型コロナを契機とするテレワーク拡大、課題は「コミュニケーション」と「紙の書類」
不透明な状況が続く新型コロナウイルスの感染拡大。これにともない企業では、リモートワークやテレワークを推奨するところが増えています。事業会社各社も、無料開放やサービス期間延長を行うなど、後押しする姿勢を加速させています。こうした状況の変化が進むにつれ、「テレワークの具体的な課題」が浮かび上がってきました。
クラウドサービスpaperlogicを展開するペーパーロジックは、3月2日・3日にテレワークに関するアンケート調査を実施しました。この時期は、各企業がテレワークや終日在宅勤務の推進姿勢を打ち出すとともに、政府が小中高校などの臨時休校を要請したタイミングでした。
まず「新型コロナウイルスの問題が起き、あなたの会社ではリモートワーク・テレワークが推奨されましたか?」と聞くと、「強く推奨された」42.3%、「推奨された」44.1%で、計8割以上の企業がテレワーク推奨の動きを本格化していました。「あまり推奨されていない」9.9%、「まったく推奨されていない」1.9%もありますが、テレワークできない業種も存在することから考えれば、これは非常に高い数値です。それだけ、新型コロナウイルスの状況は、看過できない段階に進んでいると言えるでしょう。
テレワークの課題は「コミュニケーション」と「書類」、今後の技術面の進歩に期待
一方「あなたの勤務先で、リモートワーク・テレワークの課題はどのようなものがあると感じていますか?」と聞くと、「対面よりコミュニケーションが難しい」45.9%がとくに高く、「書類に勤務先のハンコを押印する必要があり上司の承認・決裁が取りにくい」28.8%がそれに続きました。
こうした不満は、今回のテレワークの急激な普及にともない、技術面やインフラ面が進歩するので、ある程度は解消されていくでしょう。ただ、形式にとらわれない雑談・郵便物の処理などはテレワークが難しく、課題が残ります。自由回答してもらったところ、「顧客との対面の仕事があるので、どうしても出向かないといけない」「書類を扱う人たちはテレワークが難しく、テレワークが可能な人たちとの間に不公平感が出る」「慣れていないのですべて手探り」「情報セキュリティの問題」といった意見があがっています。
なお、「リモートワーク・テレワークに課題を感じている」と回答した79人に、「今後、勤務先でのハンコが電子化し、電子承認のフローとなることを求めますか?」と聞くと、「強く求める」39.2%、「求める」49.4%となっており、書類の電子化は進むと予測されます。
9割以上がテレワークの定着を歓迎
最後に「あなたの勤務先で、リモートワーク・テレワークが今後進んで欲しいと思いますか?」と全員に聞くと、「強く思う」55.9%、「思う」40.5%で、9割以上が、リモートワーク・テレワークの定着を望んでいました。その理由としては、「多用な働き方が必要」「満員電車に乗らずに済む」といった日本の労働事情に起因するもの、「通勤時のウイルス感染リスク」など今回のウイルス流行を受けたもの、「育児や介護」など高齢化社会を背景としたものなど、多様な理由があがっています。
今後日本でも、リモートワーク・テレワークは大きな地位を占めることでしょう。それを前提とした働き方やライフスタイル、企業サービスも広がると考えられます。
調査方法
調査概要:「リモートワーク・テレワーク」に関するアンケート調査
調査期間:2020年3月2日~3日
調査対象:リモートワーク・テレワークを行っている東京在住の会社員
調査人数:111名
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000023701.html
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