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連載:第5回 経営・SaaSイベントレポート2021

「生産性」と「賃金」が逆転したら危険信号。シニア人材、再活性化のポイント

BizHint 編集部 2021年9月1日(水)掲載
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団塊ジュニア世代は今年50歳に差し掛かり、ミドル・シニアと呼ばれる年齢層になりました。また、今年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により、70歳まで働くことが当たり前の時代になりつつあります。シニアのモチベーション低下の原因は、給料ダウンだけでなく、定年後の不安や加齢による変化も大きく影響しています。今後さらに増えるシニア人材を活性化させるポイントは何か。高年齢期のキャリア転換に必要な「キャリア・シフトチェンジ」の考え方について、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 山﨑京子教授が解説します。

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立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授
NPO法人日本人材マネジメント協会副理事長
山﨑京子さん

ロイタージャパン、日本ゼネラルモーターズ、エルメスジャポンと外資系3社での人事実務を経て、アテナHRODを設立。実務と共にアカデミックを深めるため、2009年筑波大学大学院ビジネス科学研究科修了。2019年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。現在は、社会人大学院で人的資源管理とキャリア・デザインの教鞭を執る傍ら、日本企業での人事コンサルティングや研修講師のほか、さらにJICA日本人材開発センタープロジェクトの教科主任として7か国で人的資源管理の実務指導を行う。


「生産性」と「賃金」が逆転している人を放置することが、組織リスクとなる時代に

『働かないおじさんが御社をダメにする ミドル人材活躍のための処方箋 (PHP新書)』という本をご存知でしょうか? 著者の白河桃子さんがこの書籍で定義する「働かないおじさん」とは1つのメタファーであり、 「生産性」と「賃金」が逆転している人のことを指しています。 日本の代表的な賃金制度である年功序列は、年齢が高くなるほど賃金も高くなる傾向があります。つまり、年齢があがるほど賃金と生産性が逆転する確率が高くなるのです。

今後日本ではさらに働くシニア人材が増加していきます。令和2年の厚生労働白書によると、2040年には65歳の人が90歳まで生存する確率は男性42%・女性68%と、人生100歳時代が現実化する見込みです。また、2040年の60歳以上のシニア人材の就業率は60〜64歳で80.0%、65〜69歳でも61.7%と、 6~8割のシニア人材が働き続ける時代がやってきます。 その背景には、健康寿命の延びによる70歳位までは健康に働けるという認識が一般化していることにあります。

さらに今年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行されました。以下は主な内容です。

70歳までの就業確保は努力義務となっていますが、歴史的に見るとあくまで経過措置であり、将来的には義務になるでしょう。

一方で、 これらのシニア人材はモチベーション高く働けているのでしょうか?  例えば定年を迎える前に役職から外れる「役職定年制度」。自分自身は能力が一気に下がるわけでもないのに、給料が一気に下がり、ポストがなくなることは、あたかも自分自身の価値が下がったかのように錯覚してしまいます。役職定年でモチベーションがダウンするのはごく自然なことです。

出典:「ポストオフ経験に関する意識調査」2021年 リクルートマネジメントソリューションズ

リクルートマネジメントソリューションズによる「ポストオフ経験に関する意識調査」の結果からも、役職に関わらず意欲・やる気が下がったことのある方が半数を超えていることがわかります。つまり、 多くの人はモチベーションが下がりますし、その回復方法もわからないまま働き続けている人も多数いるのが現状 なのです。

「働かないおじさん」をはじめ、組織としてミドル・シニアのモチベーションダウンを放置することは、個人リスクが組織リスクへと発展する可能性が高く、やがてはグローバル競争力の低下を招く恐れもあります。

~組織リスクの一例~

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