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連載:第2回 バックオフィス改革2019

ツールに合わせる時代はもう終わり! 現場主導で始める業務改善【バックオフィス改革2019 イベントレポート】

Logo markBizHint 編集部 2020年1月16日(木)掲載
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働き方先進企業としても知られているサイボウズ。自社で行ったバックオフィス改革の実例を挙げて、現場主導で行う業務改善に必要な考え方を紹介します。本記事は、2019年9月に開催された『バックオフィス改革2019』から9月26日13:25~のセッション『ツールに合わせる時代はもう終わり!現場主導で始める業務改善』の模様をダイジェストでお届けします。登壇者はサイボウズ株式会社 運用本部 情報システム部 システム企画 リーダー渡辺拓さんです。

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自由な働き方による負担増が、バックオフィス改革のきっかけに

私はサイボウズ株式会社の情報システム部(以下、情シス)に所属し、色々な部門の業務改善プロジェクトに取り組んでいます。最初に取り組んだのが、バックオフィスの業務改善でした。

サイボウズはよく働き方改革で取り上げられる企業ですが、「100人100通りの働き方」という方針があり、働き方は人それぞれです。例えば、朝は早く来て帰りは16時に帰ったり、産休明けの方は時短勤務で子どもを送ってから出社したり。副業もOKなので毎週3日だけ会社に来るなど、色々な働き方が存在します。

でも、自由自在な働き方にも光と闇があります。当時、毎月の勤怠確認は総務の人が目視で行っており、一人ひとり異なる勤怠で業務負担は増大。バックオフィスの効率化と自動化の必要性が課題として浮かび上がってきました。

これをきっかけに「めんどくさいことやめてシステムに任せようぜプロジェクト」の頭文字をとったMYSPチームを発足させ、バックオフィス改革が始動。メンバーは当時のバックオフィスだった総務、経理、人事、法務からやりたい人が1人ずつ集まりました。

時を同じくして、私は情シスの新しい部署で、社内の業務改善のためのシステム化を行うシステム企画に任命されました。ですが、部署ができたばかりで仕事がありませんでした。そこで、社内SNSで検索してMYSPを見つけ、話をしに行ったところメンバーたちと意気投合。私もバックオフィス改革に参加することになりました。

今もよく覚えているのが初めての打ち合わせ。システム化したい問題の業務は、本当に「めんどくさい」のオンパレード! 私が所属していた情シスがシステムを入れているはずなのに……。「これは一体どういうことなのか!?」と思いました。

また、バックオフィス改革とは言うものの正直言って「改善する気がない」ようにも感じました。使いにくいけど他に変わるものがない前任者が残した「伝統のエクセル」が複数存在し、その手順を「守っている」と思ったからです。情シスである私は「何とかして良いシステムを入れてあげなきゃ」と思っていましたが、一方、バックオフィスの人たちは「システムが増えることは仕事が増えること」だと思っていました。新しいシステムが入ればミスをしないようちゃんとしたマニュアルを用意し、新しいやり方を覚える必要があったからです。

つまり、互いに認識のずれがあったのです。業務改善のために情シスがシステム化を進めるのが逆に勘違いされるという悪循環です。業務の問題点を探るためのヒアリングをするものの、改善に向けて前に進んでいる手ごたえはありませんでした。

アンケートでは意見が出ない。そこで「アイデアソン」で業務を洗い出す

業務改善の進め方として一般には「業務の洗い出し」の次に「システム化の検討」という流れがあります。そこでまず業務を洗い出すために、クラウド上で入力するフォームを作り「システム化できそうな業務を教えて」とアンケートを取りました。ところが、全く意見が出ません。聞くと「どの業務がシステム化できるのかが私たちには分からない」と言われました。

そこで、アイデアとマラソンをかけ合わせた「アイデアソン」という、皆でアイデアを出し合う会を実施することにしました。1つの業務を1枚の付箋に書いて台紙に張ってもらうのですが、見たり書いたりしながら、とにかく全ての業務を付箋に書き出してもらいました。

付箋を貼る台紙には、意見を出しやすいように工夫をしました。予め縦軸と横軸が書いてあり、上に行くに従って業務量が多く、右に行くに従ってイライラ度が高くなります。

例えば、毎日やる業務や3日間みんなでやる業務は業務量が多いので上の方に貼ります。入力ミスをするとエラーになるなどイライラする度合いが高いものは右の方に貼ります。どこに貼っていいか分からない場合もどこでもいいから貼ってもらいます。やりながらイライラする気持ちを口に出す人もいましたが……。イライラしている業務を皆が安心して書き出せる環境と、付箋に書いて貼ってもらう聞き方が功を功を奏し、普段話さないような方からもたくさんの意見が集まりました。

特に問題視したのは、業務量が多くイライラ度も高い右上のゾーンにあたる業務です。バックオフィスの人たちは、これらを「自分の業務とはこういうもの。これをやり続けるのが自分たちの仕事だ」と信じていたので改善する必要があるとは思っていませんでした。アンケートをとっても意見が出てこなかったのは当然です。

”現場主導で変えていける” 風土の醸成に不可欠だった「kintone」

業務量が多くイライラ度の高い業務をシステム化するために、実際に見て体験する「弟子入り」をしました。これは新しいシステム開発でよく使われる手法で、作業者に今やっている作業やその理由などをすべて口に出して実況中継してもらい、その横で見ながら気になることを質問するというのを作業が終わるまで続けます。

私もその作業をやらせてもらったのですが、バックオフィスの人たちのイライラする気持ちを体感しシステム化する内容が具体的になったことで課題を解決する意欲も大きくなりました。

バックオフィスの各部署でこの弟子入りを行い、バックオフィスの人も情シスの視点を疑似体験できました。例えば、「システムを入れる人は、ここがめんどくさいと思うんだな」「これはシステムで変えていけるんだな」など、双方の視点を持つ人が増え、日常業務を客観的に見た発言や、改善に向けて建設的な議論ができるようになりました。

次に、業務量が多くイライラ感も高いゾーンの業務を3つに分類しました。1つは「本当は必要のない仕事」。2つ目は、運用のしかたを改善すれば解決しそうな「工夫すれば解決する仕事」。最後は、システム導入で効率化すれば解決しそうな「システムを使えば解決する仕事」です。

すぐに着手できるものからどんどん対応していくと、本当は必要のない仕事をやめたり、工夫すれば解決する仕事なら業務フローを調整するなどアナログな対応をしただけで、ほとんどの問題が解決しました。この2つでは解決できない業務の改善に役立ったのが、自社のグループウエア「kintone」です。これは業務システム(アプリ)を作成できるクラウドサービスで、アプリを誰でも手軽で簡単に作れるのが特徴です。

実は、MYSPが発足した時のゴールは、業務改善ではなく「自分たちで変えられる風土の醸成」が本当のゴールでした。この実現には、業務改善の3つのステップが必要でした。まずは改善すべき、めんどくさい作業が分からないといけないのですが、今の業務を守り続ける視点で見ているうちはそれが分かりません。次ににその作業を「めんどくさい」と言えることが大事になります。最後が、めんどくさい業務を”自分たちで変えていける”と思えるということです。サイボウズのバックオフィスで業務改善の風土を醸成するには、kintoneの活用が必要不可欠でした。

kintoneのアプリ作成画面では、左側にはラジオボタンやドロップダウン、文字列などフォーム作成に必要なパーツが並んでいます。それを右側のキャンバスの部分にドラッグアンドドロップして、作りたい項目を作成します。直感的な操作だけでアプリが作成できるので、プログラミングなどITの知識は不要です。バックオフィスで使う社員名簿や交通費申請、採用管理、タイムカード、法務相談箱など、色々なアプリが作れます。

kintoneを使えばめんどくさい業務を自分たちでシステム化できます。現場での業務改善は進んで、情シスの役割はサポートがメインになります。アプリ内には、高度な連携や複雑な処理が必要といった難易度の高いものもあり、その解決のために情シスがサポートします。たとえば、アプリ化したものを周辺業務も一緒に整えられるとアドバイスしたり、カスタマイズして拡張機能を作ってあげたりします。

こうして、バックオフィスの人たち自身がkintoneでアプリ化して業務改善するなかで、分からないことがあれば情シスに聞き、情シスは活用法をサポートしたりカスタマイズの開発をするという好循環ができました。聞きに来る時には、バックオフィスで議論されて作られたアプリがあるので、情シスでも解決しやすい状態です。だから、アプリを見て問題点を指摘したり、よりよいアドバイスができたりとコミュニケーションがスムーズになり、バックオフィス主導で業務改善が進むようになりました。

最後に

今振り返ると、バックオフィス改革は現場から進んでいくもの。いかに現場の人たちを改善に巻き込んでいくかがカギだと思います。バックオフィスの皆がkintoneを使ったことで「自分たちで改善できる」という意識が生まれ、行動を起こすハードルが下がったことで業務改善の風土が作られました。働き方改革も、個人の意識改革の積み重ねが改善に繋がり、実現していくのではないでしょうか。

(文:川畑文子 撮影:渡辺健一郎 編集:上野智)

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