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連載:第20回 医療・医薬・健康

介護業界のDX、「介護記録業務」「介護報酬請求業務」「身体介護業務」への導入が活発化

BizHint 編集部 2021年6月21日(月)掲載
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2025年度末には、団塊の世代がすべて後期高齢者となり、介護業界は約245万人の人材が必要になると見られています。こうした高齢化による要介護人口の急激な増加にともない、今後の介護業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化が重要課題となるでしょう。派遣大手のトライトグループが現状について調査しています。

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「介護記録業務」のDXが大きく普及

トライトグループが10代~60代以上の介護従事者303名を対象に行った調査によると、2020年3月以降にDXに取り組んでいる介護事業所は、「積極的に取り組んでいる」18.5%、「一部取り組んでいる」26.7%と、半数近くが前向きな姿勢を見せています。


DX推進の取り組み分野としては、「介護記録業務」51.8%、「介護報酬請求業務」41.1%、「身体介護業務」34.5%が上位でしたが、訪問介護を主とする事業所では「生活援助業務」、デイサービスやデイケアなどの通所介護を主とする事業所では「施設利用者の支援業務」なども上位となっています。

「介護記録業務」は、2021年度の介護報酬改定において、データを「科学的介護情報システム(LIFE)」へ提供することで介護報酬が上乗せされることを受け、取り組みを強化している事業所が多いようです。そうした影響からか、「今後DXに取り組みたい分野」においても、「介護記録業務」33.3%が引き続き最多ですが、2位にはリハビリ、レクリエーション、メンタル面のケアなどの「その他、施設利用者の支援業務」22.4%があがります。


現在DX推進のために具体的に導入しているツールとしては、「介護記録ツール」44.6%、「介護請求ツール」30.4%、「コミュニケーションツール」「センサー」同率26.2%などがあがりました。規模の大きい事業所などはケアプラン作成ツールやセンサーの活用が盛んなようです。一方「介護ロボット」「リハビリ支援ロボット」や「メンタルケアツール」は全体的にまだまだで、1桁台に留まっています。

人材不足を解決するためにDXを使いたいが、そのための人材がいない状況


介護業界の大きな課題としては、「人材不足」と「人材の定着化」の2つがよくあがります。これらの問題解消に向けDXを活用したいかどうかを聞くと、61.1%が「活用したい」と回答しており、種類別で見た場合、訪問介護は77.3%にまで達しています。これは通所介護や入所施設と比較して従業員同士のコミュニケーションが取りづらいことに起因すると考えられます。

最後に「DXを進める上での課題」を聞くと、「知識・ノウハウがない」43.2%、「予算がない」40.3%、「費用対効果が低い・分かりにくい」31.7%、「人的リソースがない」23.8%などが上位となりました。いわば“人材不足を解決するための人材がいない”という状況になっていますが、今後は経営層がより積極的にDXを推進することが期待されます。

調査方法

調査期間:2021年4月30日~5月2日
調査方法:インターネット調査
調査対象:10代から60代以上の介護従事者男女
調査人数:303名

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000008376.html

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