連載:第4回 経営・SaaSイベントレポート2025
楽天創業メンバーが語る「マネジメントの要」。28年間、挑戦し続ける組織をつくる方法
BizHint 編集部
2025年11月26日(水)掲載
「インターネットでビジネスなんて無理」「4社目の携帯キャリアはいらない」——楽天は創業から28年間、多くの挑戦を「無理だ」と否定されてきました。それでも不可能と思われていたことを次々と実現し、約3万人を擁する企業グループへと成長しました。なぜ、楽天は挑戦を続けられたのか。同社 常務執行役員でありGroup CCuO(グループ・チーフ・カルチャー・オフィサー)の小林正忠さんは、「挑戦を持続させるマネジメントには、『2つの原動力』が必要。どちらか一方だけでは機能しない」と語ります。その2つとは何か。創業メンバーでもある小林さんに、楽天におけるマネジメントの真髄をお聞きしました。
「無理だ」と言われ続けた28年。楽天が不可能を可能にできた理由
小林正忠さん(以下、小林): 楽天を1997年に創業した時、大都市に人が集まり大企業が栄える一方で、地域社会が廃れて中小企業が倒産していく状況を変えたいと考えていました。大都市も地域社会も、大企業も中小企業も共に成長する。それが、日本のウェルビーイング向上につながると考えたからです。
地域の中小企業が商圏の小ささゆえに成長できないのであれば、インターネットというプラットフォームを活用することで課題解決できるのではないか。そういった仮説のもとに立ち上げたのが、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」です。 ただ、当時は散々「インターネットで、ビジネスなんてできるわけがない」と言われました。実際に、創業当初は200本営業電話をかけて1件も相手にされない状況でしたが、 3年後には株式公開を実現できました。
楽天カード事業をスタートした時も、「金融なんかできるわけがない」と否定されました。しかし今、楽天の金融事業は年間8,200億円以上の収益を上げ、 楽天カードはクレジットカードショッピング取扱高7年連続国内No.1 (自社発行ベース)※1 です。
楽天イーグルスを創設した時も、選手ゼロ、監督・コーチ不在からのスタートでしたが、 9年後には日本一。 楽天モバイルを立ち上げた際にも「4社目の携帯キャリアはいらない」と批判されました。しかし、私たちの目的は利益を追求することではなく、携帯市場の民主化でした。楽天が参入する前、スマートフォンの通信料金は平均で月額8,100円を超えていましたが、 楽天モバイル参入後は3,000円※2 を切りました。
創業から28年、さまざまなビジネスを生み出し、楽天グループは約3万人(連結)の従業員を抱えるまでになりました。では、なぜ当社はこのような挑戦ができたのか。
私は、挑戦を持続させるマネジメントには、2つの原動力が必要だと考えます。 この両輪がなければ、組織の力は最大化されなかったでしょう。 まさに、当社の「マネジメントの要」だといえます。
その2つというのは、
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