連載:第65回 総合
急速な変化に対応するための習得が必要となる2025年トレンドスキルを発表 日本の社内異動率は11%も増加
LinkedInは、パンデミック時代のリモートワークに関する方針の見直し、新しいテクノロジーの登場、持続可能性への注目の高まりなど、数年前と比べて現代の職場の変革を明らかにした「職場環境の変化」に関する調査を公表いたしました。この調査では、AIの進展による世界全体での職場環境や仕事の急速な変化と、それらの変化に対応するために必要なスキルアップに対するサポートを求める声を明らかにしています。さらに、AIスキルを持つ人はソフトスキルの習得率が高く、世界と同様に職場環境の変化が見られる日本でも幅広いスキルの習得が必要であることを示しています。
AIの進展により、2030年までに職場における必要なスキルは70%変化
世界では2024年に採用された労働者の10%が、2000年には存在しなかった職種に就いていることが明らかになりました。これらの職種の中には、サステナビリティマネージャー、AIエンジニア、データサイエンティスト、ソーシャルメディアマネージャー、カスタマーサクセスマネージャーなどが含まれており、現在では世界において一般的になりつつあります。日本でも世界と同様の変化が表れており、2030年までに同じ職種で必要なスキルの70%が変化すると予測されています。
このように、現代の職場環境には大きな変化が起こっており、世界全体のプロフェッショナルのうち64%が、仕事における急速な変化への戸惑いを感じています。さらに、68%が変化に対応できるようこれまで以上のサポートが必要だと感じており、変化のペースに不安を覚え、取り残されることへの懸念を抱いていることも分かっています。一方で、この急激な変化に対して、マネージャーを頼りにできると感じているプロフェッショナルは世界全体のわずか37%しかおらず、さらに所属する企業が変化に対応するためにサポートを行っていると感じているのは約半数の51%のみとなっています。AIの進展により職場環境が急速に変化している中、世界の多くのプロフェッショナルが不安を覚えており、またサポート体制も不十分だと感じています。
2025年のトレンドスキルはソフトスキルであることが判明
以上より、2025年は、世界のビジネスリーダーが自身のマネジメント手法を見直す必要性が高まっていきます。実際に、世界の経営者のうち80%が、変化に適応できるようリーダーシップスタイルを見直しており、60%以上が新しいスキル開発を積極的に進めています。これは、職場環境の急速な変化に適応するために、継続的なスキル開発が不可欠であることを示しています。
他方で、世界のビジネスリーダーの多くは、AIの進展が良い変化を引き起こす可能性も認識しており、「必要だが単調な作業にかかる時間の削減」、「生産性の向上」、「戦略的かつ創造的な思考」など、80%以上はAIが従業員にもたらすメリットを少なくとも1つは挙げています。
このように、AIの導入・進展は生産性向上だけではなく、人間の能力を高め、より革新的な職場を構築することにも繋がるため、現代の職場環境の変化に対応できるよう、幅広いスキル習得の重要性が認識されています。さらに、LinkedInの調査によると、AIスキルを持つプロフェッショナルは、ほかの人と比較し「クリエイティブな発想」、「デザイン志向」、「感情的知性」などのソフトスキルを5倍も習得しやすいと明らかになっており、ソフトスキルが、2025年以降もますます重要性を増していくと考えられます。
職場環境の変化が表れる日本でも幅広いスキルの習得が必須
2030年までに同じ職種で必要なスキルの70%が変化すると予測されているように、AIによる職場環境の変化が起こる日本でも、ソフトスキルの重要性は高まっています。LinkedInラーニングにおいては、日本で現在最も人気のあるコースは、「思いやりをもって話す」、「交渉力を高める」、「自己認識を高める」など、ソフトスキルを高めるコースが含まれています。
一方で、日本の職場では社内異動率が特に高くなっており、前年比で11%増加しています。これは、世界平均の6%と比べてほぼ2倍の増加率であり、日本において企業が組織内で従業員を活用する方法を模索していることを示唆しています。
さらに、個人でも学習やスキルアップに対する時間の投資が増加しており、日本のLinkedInメンバーによる学習コンテンツの消費量は前年比で13%増えています。
このようにAIの進展により、日本でも職場における急速な変化が見られており、それらの変化に対応するためのスキル開発やスキルアップは今後も必須となっていきます。
調査概要
この調査は、Censuswideにより実施され、2024年9月2日から9月11日までに、調査実施国(イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、インド、オーストラリア、ブラジル、オランダ、シンガポール、MENA地域(中東・北アフリカ))のフルタイムまたはパートタイム雇用の20,496人のプロフェッショナルを対象に行われました。Censuswideは、市場調査の原則に基づくESOMARのメンバーであり、British Polling Councilのメンバーでもあります。
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