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連載:第2回 採用管理システムの必要性と選び方

「どうやって選べばいいの?」急成長企業の人事が語る採用管理システムの選び方(中編)

BizHint 編集部 2017年2月22日(水)掲載
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BizHintでは、人事・採用に関わる方々のニーズに、より的確にお答えするため、新企画「人事担当者座談会」シリーズをスタートしました。

この企画は、毎回特定のテーマについて実務経験をお持ちの方々にお集まりいただき、歯に衣着せぬ、率直なご意見を交わしていただきながら、その内容を記事化するものです。

第1回のテーマは「採用管理システム」。前編では 「採用管理システムはなぜ必要か?」 というテーマについて、急成長企業6社の採用担当者にお話を伺いました。

座談会参加者の間では、人材獲得競争が激しさを増すこれからの採用市場で、「なぜ採用管理システムが必要か?」という問いに対して、担当者間のデータ共有や引き継ぎ、過去に遡った大量の候補者データの蓄積を考えると、「採用管理システム無しで乗り切ることは現実的ではない」と意見が一致していました。

前編「『採用管理システムって本当に必要?』採用の最前線で活躍する担当者の視点(前編)」はこちら

しかしながら、採用管理システム市場には多数の製品がひしめき合っており、その中から自社の要件に合致したシステムを選ぶことは容易ではありません。

そこで中編では、 「自社に合った採用管理システムをどう選ぶべきか?」 というテーマについて、 実際に使ってみてわかった各システムの強みや、選定時に見落としがちなポイント も踏まえ、率直な意見を伺います。

新卒採用と中途採用は分けて考える

参加者との対話のなかでまずクリアになったのは、一口に「採用管理」と言っても、 新卒採用向けと中途採用向けで、システムに求められる要件が全く異なる という点でした。

そこで、まず最初に新卒採用と中途採用の特徴について見てみましょう。

新卒採用と中途採用の違い

このように、新卒採用と中途採用では選考の時期や候補者数、選考フローに求められるフレキシビリティなどに明確な違いがあることが分かります。

それでは新卒、中途それぞれに適した採用管理システムの要件について見ていきましょう。

新卒採用の特徴と採用管理システムの要件

新卒採用における、採用担当の役割

今回、座談会での議論を通じて感じられたのは、スタートアップなど急成長企業の視点で見た場合、 新卒採用には中途採用とは異なった大きな「魅力」がある ということでした。

中途採用では、『自分が出来ること』と『マッチするポジション』で企業を決めることが多く、全く経験のない世界に飛び込むことが少ないため、候補者の決定を覆すのが難しい場合が多いです。

  

その点、新卒採用では、初めて社会に出ることもあり、考えや見ている先に変化が起こります。採用担当者が他社と差別化した採用計画、選考フローなどを設計して、しっかりと実行すれば、 大手や人気企業の内定をひっくり返すことができる場合も あります(EC)

このコメントのように、新卒採用の場合、現場のマネージャーや経営陣の存在感の大きい中途採用に比べ、「 いかに各年度の市場の状況を見極め、他社と差別化した選考を行うか? 」という点において、「採用担当者の力量の差が大きく出る」と言えそうです。

そうした特徴を背景に、新卒市場向けの「採用管理システム」では、 採用担当者の思い描いた選考フロー上の進捗を数値で管理し、また可能な限り自動化できるシステムが求められている ようです。

「カスタマイズ」と「自動化」が求められる新卒採用

新卒採用では、年間のプランに沿って、全国の学生を対象に広く間口を広げて採用活動を行うため、特定の時期に大量の選考が集中します。

その上、内定承諾から数ヶ月の間に候補者が入社し、採用担当者の手を離れる中途採用と異なり、内定承諾後も懇親会や内定式の案内、課題提出など、各種フォローが必要となり、抜け漏れのないコミュニケーションが一層強く求められます。

これらの事情から、新卒採用における採用管理システムの要件としては「 自社向けにフローをカスタマイズでき、フローに沿った自動化ができること がシステム選定の上では大きなポイント」という意見で参加者の考えが一致しました。

圧倒的な支持を集めたSONAR

その点で、実際に使った参加者から圧倒的な支持を集めいていたのがイグナイトアイの提供する「SONAR」です。

 

過去に新卒採用を担当したときにSONARを使っていたのですが、 採用プロセスを自社向けにカスタマイズしてシステム内に設定できるのですごく重宝 しました。

  

設定したプロセスに応じて、一次面接の“箱”に入っている人が面接を終えると、その人が次の箱に動いて、メールが自動で送信されるというイメージです。(EC)

 

新卒担当は4人しかいないのに、 事務的な業務が多いので自動化をしないと苦しい です。

  

『4次選考が終わったら合格者にはメールする』『この資料を提出していない人にリマインドを送る』など、全部手動でやってると大変ですね。(コンサル)

 

一方で、強力なカスタマイズ、自動化機能の存在により、導入に当たっては注意すべき点もがあるとの意見も出ていました。

 

SONARではフロー図上に“箱”のような見た目のイベントを設置して、候補者のステータスが変わると自動でメール送信などの処理を行えます。

  

自由度が高くとても良いのですが、その箱の特性を理解しないと大変。例えば、『合格のフラグが立った時点でメールを送る』と『次の採用のステップに進んだときにメールを送る』という2つの設定をうっかり混在させてしまうと、同じ候補者にメールが2通送られてしまう。

  

SQLの知識を持った人ならば運用できますが、 フローを設計した人が退職すると混乱の元に なります。(EC)

 

システムを使い始める前のフローの設計にかなり苦労しました。 A3の紙を用意して、その年度の選考フロー全体を描きながら設定するとよい ですね。

  

初年度は従来の仕組みと並行稼働し、翌年から本格的に使えるようになりました。ただ、その作業を乗り越えたあとの付加価値は本当に高いと思います。(コンサル)

 

また新卒採用においても、「優秀な学生を口説き落とすため、通常のフローを飛ばして役員が最終面接する」といった事例が、特にスタートアップ企業において行われています。フローの設計・処理の自動化に強いSONARと、アナログの対応の使い分けも行われているようです。

 

優秀な学生については予想できない面談や会食がどうしても発生します。

  

学生の名前を鍵のかかる部屋の壁に貼りだすなど、事前に システムに実装できていないイベントについては、アナログで管理していました 。(EC)

 

「素直で言うことを聞く、飼い慣らしやすいのが良いシステムだとすると、SONARはドーベルマン(笑)」といった声も聞かれたSONAR

それでいて、 強力なカスタマイズと自動化機能は唯一無二の存在 のようで、ユーザーからは「使いこなせたとき、候補者のステータスを変えただけで全ての処理が自動で行われたときは快感(笑)」という意見もありました。

また、実際に利用したユーザーの反応を目にしたほかの参加者からは、「SONARが気になって仕方ない(笑)」という声も上がりました。使い手を選ぶもののSONARはフィットすれば熱狂的に支持される特徴的なプロダクトだと言えるでしょう。

中途採用の特徴と採用管理システムの要件

「柔軟性」と「直観的な操作性」が求められる中途採用

SONARが熱狂的に支持された新卒採用に対し、中途採用ではどういった要件が求められるのでしょうか?

中途採用の場合、新卒採用と比べると 画一的な採用フローは存在しない のが一般的です。

  • 「優秀な候補者なので、いきなり役員が最終面接する」
  • 「応募職種より、他の職種の方がフィットしそうなので、そちらで選考する」
  • 「他社に採られたくないのと、面接官が忙しいので、2次、3次面接も一気に設定する」

上記のようにフレキシブルな対応も頻繁に求められるようです。

こうした要件への対応にも、採用管理システム選びではポイントになります。

また、 開発側がフレキシブルに対応してくれることを期待してシステムを選定した という声も聞かれました。

開発のスピードが速く、まだ発展途上なので、自社の要件を取り入れてもらえるのではないかと考えてTalentioを導入した(EC)

一方、新卒採用に比べれば候補者の数は限られるので、 自動化機能などはそこまで重視されて いないようです。

中途採用向けシステムは、新卒採用におけるSONARのように、特定のシステムが熱狂的に支持されておらず、各社が好みに応じたシステムを使っている状況が見受けられます。

そんななか、多くの参加者から共通した意見として聞かれたのが、面接官を勤める社員や、日程調整を行うアシスタント、役員秘書など、 採用担当者以外の関係者から見た使いやすさ でした。

採用の現場を回すのはアシスタントの人たちには、コンピュータを触ることに苦手意識がある。その点で使いやすさには留意が必要。(交通)

 

システムを一番触る人が使い方を分かってくれないと、そこから先に進めない。1回そのシステムを嫌いになっちゃうと『嫌です』と拒否反応を持たれてしまう。(広告)

 

日程調整など採用管理システムを使った業務を実際に担当する、現場のアシスタントの人たちの意見を聞いて、どのシステムを導入するか決めている。(金融)

 

中途採用においては現状、採用管理システムそのものの機能に大きな差がない分、 「自社のニーズに応えてもらえそう」などの開発元に対する期待感 、そして何より 実際にシステムを触るエンドユーザーにとって分かりやすいこと、使い方の説明や問い合わせへの対応で時間を取られない ことが重視されていると言えそうです。

 

採用管理システム座談会、後編は「採用管理システムのデータ分析機能はどこまで必要か?」また「採用管理システムのさらなる進化のために必要なものとは?」という問いについての参加者の意見をまとめていきます。ご期待ください。

今回の参加企業が使う採用管理システム(紹介ページへのリンク)

バナーをクリックすると、座談会ユーザーが実際に使用している製品の概要をご確認いただけます。


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