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連載:第35回 組織作り その要諦

若手の感覚、わかっていますか? 業界常識を覆す「辞めない組織」はZ世代に寄り添って生まれた。

BizHint 編集部 2022年1月27日(木)掲載
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2021年現在、各所で待機児童問題や保育園不足が叫ばれる中であっても、必ず訪れる淘汰の時代を見据えて「選ばれる保育園づくり」にまい進しているのが株式会社ハイフライヤーズ。同社の園ではかつて、職員が同時に退職する事態が発生したことを機に、様々な改革に着手。その結果、業界では異例の低さとなる離職率10%を達成しました。その過程にどのような思いやプロセスがあったのか? 同社の保育運営本部本部長である日向美奈子さんに、Z世代が活躍できる組織づくりや、保護者と職員の両方から「選ばれる保育園」になるための取り組みについてお聞きしました。

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株式会社ハイフライヤーズ
保育運営本部 本部長 キートス統括園長 日向 美奈子さん

幼稚園・保育園勤務を経て2010年に株式会社ハイフライヤーズ設立に参画。2013年に保育園『キートス』を開園後、千葉県内に認可保育園13園を展開。子ども・保護者はもちろん職員を含めたキートスに関わる全ての人にとって「人とのつながりを大切に“また明日も来たい“と思う保育園」を創り続ける。現在は児童学博士号取得を目指し学生と経営者、二足の草鞋を履いて勇往邁進している。


事業企画本部 本部長 総務部 部長
吉田 りえ さん

2012年に株式会社ハイフライヤーズに入社。創業当初から会社運営・キートスの展開に尽力。現在は事業企画本部の本部長と総務部の部長を兼任。「人とのつながりを大切に“また明日も来たい”と思う保育園」のバックオフィス業務を一手に担い、キートスの屋台骨を支えている。


保育園が選ばれる時代はもうすぐ。「荷物のいらない保育園」を目指す

――まず、貴社の事業内容について教えてください。

日向美奈子さん(以下、日向): 当社は、千葉県内において「キートスチャイルドケア」「キートスベビーケア」という認可保育園を13園運営しています。2010年に創業し、現在12年目です。

保育園には大きく分けて「認可保育園」「認可外保育園」がありますが、現在我々が運営しているのは「認可保育園」。国が定めた設置基準を満たし、都道府県知事が認可した保育園です。

――貴社の保育園は、特色のある取り組みを様々行っていらっしゃいますね。

日向: 現在は認可保育園になっていますが、もともとは認可外保育園からスタートしました。その当時の理念が今も続いていることが影響していると思います。

認可保育園は基本的に行政から園児を斡旋していただけますが、認可外保育園は自分たちの力で園児を集めなければなりません。ですので当社は、 他の園とは違う特色やセールスポイント、保護者がお子様を当保育園に預けるメリットなどをどんどん作って発信していかないと、競争に勝てない と考え、様々な取り組みを進めました。

例えば、新しいスタイルの保育園を実現しようと掲げたテーマが「荷物のいらない保育園」です。

――「荷物のいらない保育園」とは?

日向: 保育園は、ご両親ともにお仕事をされているご家庭が利用されるものですよね。そうすると、親子の時間は、登園前や帰宅後などの時間に限られてしまいます。それなら、1秒でもその時間が長くなるように、「園の準備の時間を減らそう」と考えたんです。

また園に持参する手荷物が無くなれば、保護者の手が空きます。そうすれば、お子様と手をつないで登園することができ、 親子の触れ合いがもっと増やせる と考えました。

――どのような荷物が不要になったのでしょうか?

日向: まず、お昼寝用のお布団です。一般的な保育園では、毎週金曜日にお昼寝用のお布団を持ち帰ってもらいます。翌月曜日には、洗濯して持ってきていただくのですが、大荷物であるお布団を、忙しい月曜日の朝に持参するというのは、保護者の大きな負担になっていました。月曜日が晴れているとも限らないですしね。それで、布団業者と契約し、園側で毎週清潔なお布団を用意する取り組みを始めました。

そしてオムツ。これを持参することも、保護者の大きな負担となります。他の園児のものと区別するために、オムツ1枚1枚に名前を書くことを求められる園も多いです。当初私たちの園では、持ってきていただいたオムツに職員が名前を書いていました。しかし、保育者の業務負担の削減が求められる昨今、その負担を増やしてしまっては本末転倒。そこでオムツ業者と契約し、全園でオムツの持参を無くしました。

ただ今度は、オムツの管理が職員の負担になってしまいました。オムツの残り枚数が少なくなったら発注する…という手間です。そこで「スマートマットクラウド」というIotツールを使って、管理・発注の自動化を計画しています。マットの上にオムツをまとめて置いておくと、その重さで残量を計測。そして、一定の重さを切れば自動的に発注してくれるというシステムです。オムツ管理まわりの 職員の負担をなくそうとしています。

歯ブラシやスタイ(前掛け)も、以前は毎日洗って持ってきてもらっていました。これもコロナ禍でホテルが休業し、歯ブラシの供給先に困っていたアメニティ業者と契約し、園で用意するようにしました。スタイも紙の使い捨てのものを園で用意し、毎日清潔なものに取り替えるようにしています。

後発事業者の存在価値は、業界の課題を解決すること

――そういった取り組みにおけるコスト・保育費等への影響はいかがでしょうか?

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