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連載:第16回 老舗を 継ぐということ

自ら決める。貝印4代目を鍛えたアメリカ修行と、先代への決意表明

BizHint 編集部 2021年11月30日(火)掲載
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創業113年を誇る老舗、貝印株式会社。カミソリや包丁で知られる同社は2021年5月、創業家4代目となる遠藤浩彰さんが35歳の若さで社長に就任しました。中学時代に家業を継ぐことを意識し始め、社長への歩みを進める中で大きな転機となったアメリカ出向や、社長就任の流れを決定づけた先代への決意表明など、「自ら決める」ことで切り拓いてきた「創業家の姿勢」を伺いました。

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貝印株式会社
代表取締役社長 兼 最高執行責任者 (COO) 遠藤 浩彰さん

1985年、岐阜県関市にて貝印創業家の長男として生まれる。2008年に慶應義塾大学を卒業後、同社入社。生産部門のカイインダストリーズ株式会社や海外関連会社kai U.S.A. ltd.への出向を経て2014年帰任。国内営業本部と経営管理本部では副本部長、グループの核となる経営戦略本部、マーケティング本部、研究開発本部の3部門にて本部長を歴任。取締役 副社長就任を経て、2021年5月25日付で貝印株式会社およびカイインダストリーズ株式会社 代表取締役社長 兼 最高執行責任者(COO)に就任。


4代目継承。最終決定のプレッシャーを「楽しむ」。

――新社長に就任して約半年。就任時はどのようなことを考えていらっしゃいましたか?

遠藤 浩彰さん(以下、遠藤): 緊急事態宣言が出ている最中での就任だったため、すぐに大きな動きができる状態ではありませんでした。とはいえ、副社長時から中期経営計画を作成していましたので、基本的にはそれを着実に実行していくことを考えていましたね。

――社長就任前後で、変化した部分はありますか?

遠藤: 環境という意味では大きく変わりません。しかし「何事も自分が最終決定をしなければならない立場になった」という点では、プレッシャーのようなものを感じるようになりましたね。

ただこのプレッシャーは「押しつぶされる」といった類のものではなく「決断する面白み」と言い換えられるかもしれません。「楽しむ」というと語弊がありますが、そういった立場ゆえの プレッシャーをポジティブに受け止めています。


2021年5月、3代目社長(現会長)遠藤宏治さん(左)から、4代目社長 遠藤浩彰さんへと家業が引き継がれた

「アメリカ行きを1年延期したい」初めて父に意見した。

――創業家の4代目として、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?

遠藤: 私は「ゆくゆくは会社を継ぐ」という意思をもって、創業100周年の2008年に大学新卒で入社しました。

1年目は岐阜の自社工場の生産管理に配属されました。爪切りや包丁などの生産や流通、人、モノ、パートナーとの関係性などを実地で学びました。2年目から東京本社に移り、まず家庭用品の商品企画部、そして3~4年目は経営企画部で主に男性向けのカミソリのプロモーションを担当しました。

基本的には、将来経営を担うために社内の様々な業務や仕組み、関係性を把握する…という意図での配属でした。私としても、大卒で入社して右も左もわからないわけですから、素直に従っていました。

そして入社5年目の2012年3月、アメリカの関連会社kai U.S.A. ltd.に出向しました。アメリカへの出向は、父(前社長・現会長)からは4年目に行くように言われていたのですが、私は「1年間待ってください」と後ろ倒しをお願いしました。 父に物申したのは生まれて初めてだったかもしれません。 「何を考えているんだ!」と相当怒られました(笑)。

――何か理由があったのでしょうか?

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